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All photos by Chishima,J.
(稲穂を背景に・チュウサギ冬羽 2006年9月 群馬県伊勢崎市)
先週本州を訪れた際に、群馬県の実家周辺でも3日ほど鳥見を楽しんだ。大洗に上陸した時にはまだこんなに暑かったのかと焦ったが、自然界では思いのほか秋が進行しているようで、モズの高鳴きが響き渡り、シラサギ類やハシボソガラスが群れ遊ぶ長閑な田園地帯では、熟した稲穂が一列に頭を垂れていた。また、鳥の渡りもさかんに行なわれており、林ではヒタキ類やムシクイ類などより高標高や北方で繁殖した夏鳥たちの姿が目立ち、農耕地ではノビタキやショウドウツバメの姿に、「君たちも北海道からかい?」と問いかけたくなった。
電線で高鳴きするモズのオス
2006年9月 群馬県伊勢崎市
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稲穂を背景に・ハシボソガラス
2006年9月 群馬県伊勢崎市
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キビタキ(幼鳥)
2006年9月 群馬県伊勢崎市
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ショウドウツバメ
2006年9月 群馬県伊勢崎市
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故郷での鳥見で楽しみにしていることの一つに、オナガ、ゴイサギ、キジ、セッカ、夏であればコアジサシやホトトギスなど北海道ではほとんど、あるいはまったく出会えない鳥たちの再会がある。オナガなどは群馬にいた時分はあまりにも身近で気にもかけない鳥であったが、年に1、2回会うと黒、白、水色の配色の美しさに新鮮な感動を覚えるものである。
オナガ
2006年9月 群馬県伊勢崎市
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ゴイサギ(幼鳥)
2006年9月 群馬県伊勢崎市
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もう一つの楽しみは、そこでの鳥の分布や渡来の傾向などの変化を肌で感じられることである。この数年は年に2回程度、合わせても1週間くらいの時間しかとれないのだが、それでも昔大雨や暴風でもない限り、毎日のように通った場所で身に付けた知識や感覚は一朝一夕で消え去るものではない。それに何年か前、事情があって月に一度以上の頻度で関東に行った年があり、その時の経験も渡道10年近くなり、忘れかけていた本州の鳥の感覚をよみがえらせるのに役立った。
今回、普段と大きく違うなと感じたのはカケスの多さであった。私の育った平野部ではカケスは繁殖しておらず、冬期山から下りてくる。それでも数はそれほど多くないし、例年姿を見せるのは9月末か10月頭くらいで、10月10日の体育の日(今では変わってしまったが)前後には、秋晴れの青空をふわふわとした独特の飛び方で渡ってゆくのをよく見たものだ。しかし今回は、まだ9月の20日すぎだというのにあちこちで普通に見られ、数も冬以上に多く感じた。
カケス (亜種カケス)
2006年2月 群馬県前橋市
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また、ヤマガラやイカルなどもカケス同様冬に山から下りてくる鳥で、年によってはほとんど見られないほどの鳥だが観察され、特にヤマガラは数ヶ所で見られた。
ヤマガラ
2006年2月 東京都渋谷区
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これらのことから、少なくとも群馬県の山間部では、ブナ、ミズナラなどの実がきわめて凶作であり、例年であれば秋の後半か冬に移動してくる小鳥たちが大挙して早い時期から平野部にやってきているものと考えられる。また、群馬の後で訪れた東京湾岸の谷津干潟などでも、普段見かけないカケスを見たり、声を聞いたりしているので、これは広域的な現象のようである。今回自分自身では山間部を見ていないが、本州の多くの地方でブナなどの凶作によるツキノワグマの人里への出没やそれへの注意がニュースを賑わせている。
カケス(亜種カケス)の飛翔
2006年9月 群馬県伊勢崎市
![10_21 10_21](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/22/80337fe6e483873dcce5a06ed30548f9.jpg)
ほかにも、カワウやメジロ、コゲラ、アオサギなどの分布や出現時期の変化が興味深いが、それらについてはまた別に書くこととしよう。 この3日間で観察した鳥類は以下の通り。
2006年9月22~24日 群馬県伊勢崎市周辺:カイツブリ カワウ ゴイサギ アマサギ ダイサギ チュウサギ コサギ アオサギ マガモ カルガモ コガモ ハシビロガモ トビ チゴハヤブサ チョウゲンボウ キジ バン コチドリ イカルチドリ ヒバリシギ イソシギ タシギ キジバト カッコウ カワセミ アカゲラ コゲラ ヒバリ ショウドウツバメ ツバメ キセキレイ ハクセキレイ セグロセキレイ ヒヨドリ モズ ノビタキ オオヨシキリ メボソムシクイ セッカ キビタキ コサメビタキ ヤマガラ シジュウカラ メジロ ホオジロ カワラヒワ イカル スズメ ムクドリ カケス オナガ ハシボソガラス ハシブトガラス ドバト チュウジシギ? ガビチョウの一種?(不明を入れて56種)
ヒガンバナ
2006年9月 群馬県伊勢崎市
![11_15 11_15](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/45/6f674ef83eb93629fc573d9409a405d2.jpg)
(2006年9月29日 千嶋 淳)