鳥キチ日記

北海道・十勝で海鳥・海獣を中心に野生生物の調査や執筆、撮影、ガイド等を行っています。

150515 下音更小野鳥授業

2015-06-27 16:30:21 | 鳥・春

Photo by Chishima, J.
野鳥授業の一コマ 2015年5月 北海道河東郡音更町)


 下音更小学校4年生対象の野鳥授業。帯広市街に隣接した地区で35人(実際には1人欠席で34人)と生徒数が多く、野鳥の会十勝支部のスタッフ6人で望みました。

 住宅地が大部分の環境ながら、最初に双眼鏡の使い方をレクチャーしていると早くもトビが真上を飛び、学校を出るとセンダイムシクイやカワラヒワが囀っていました。カラスにも2種類いることを説明し、現れると「アレはどっちだ?」などと歩きながら到着した公園ではオオルリの囀りや、何羽かで追いかけ合うコムクドリの姿も楽しめました。

 この学校では来年2月まで毎月、野鳥授業を行うので、今回は生態や形態の詳しい話はせず、鳥の存在に気付き、親しむことに徹底しました。30人以上いて葉も例年より早く茂って来たため、全員でゆっくり鳥を観察するのはなかなか大変でしたが、声を意識すれば身の回りに思いのほか多くの野鳥がいることは伝わったでしょうか。1時間半ほどの散策で、17種の野鳥を確認できました。

確認種:マガモ トビ アカゲラ ハシボソガラス ハシブトガラス シジュウカラ ヒヨドリ エゾムシクイ センダイムシクイ ムクドリ コムクドリ オオルリ スズメ ハクセキレイ カワラヒワ シメ アオジ


(2015年5月15日   千嶋 淳)


150514ご近所鳥見(池田町)

2015-06-27 16:19:32 | 鳥・春

Photo by Chishima, J.
タカブシギ 2015年5月 北海道中川郡池田町)


 デスクワークに飽きたので(笑)、午前中の数時間、町内で鳥を見てました。家の前の公園では、少なくとも6羽のコムクドリが雌雄での追いかけ合いや場所取りを繰り広げ、元々いたのが追い出されかけているのか、ムクドリもそれに混じっていました。
 数日前に数羽のタカブシギを見た場所に、「まだいるかな~?」程度の軽い気持ちで行ってみると、なんと70羽前後の群れが入っていて驚き、しばし見とれてしまいました。タカブシギは、かつては最も身近な淡水性シギの一種で水田や湿地で普通に見られましたが、この30年で9割近く減少しており、最新の環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されてしまいました。
 この場所は土砂を取るために河川敷を掘削した跡地が、干潟状となって湿地化したものです。過去にも、このような場所に多くのシギチドリ類が飛来したことがあり、普段はシギチの少ない十勝のポテンシャルを物語っています。ただ、残念なのはこうした場所の多くが数~10年で乾燥と遷移が進んでヤナギ林と化してしまうこと。定期的に伐採や掘削を行うことで湿地を維持できれば、減少著しい淡水性シギチドリ類の休息場所として、重要な役割を果たしてくれると思うのですが。


確認種:マガモ カルガモ コガモ キジバト アオサギ イカルチドリ コチドリ オオジシギ タカブシギ イソシギ トウネン エリマキシギ トビ カワセミ アカゲラ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ シジュウカラ ヒバリ ヒヨドリ センダイムシクイ ムクドリ コムクドリ ニュウナイスズメ スズメ ハクセキレイ カワラヒワ ベニマシコ シメ アオジ 


(2015年5月14日   千嶋 淳)

150512 ご近所鳥見(池田町)

2015-06-27 16:08:07 | 鳥・春

Photo by Chishima, J.
エゾニワトコに止まるベニマシコ 2015年5月 北海道中川郡池田町)


 プレゼン作成や原稿書きなど室内作業の多い今週ですが、好天に誘われて2時間ほど近所で鳥を見て来ました。アオジやベニマシコの歌が賑やかな沼では2つがいのアカエリカイツブリが、互いを牽制するように大声で鳴き合っていました。最近はこの沼では1つがいしか繁殖しないので、陣取り合戦だったのかもしれません。
 タンチョウの足元に極小のヒナを確認して微笑ましく思った後に訪れた川では、数十羽のイワツバメが泥地で巣材を集めていました。草木の緑が、例年より早く濃くなって来ています。
 写真はベニマシコのオス。これから6月頃にかけて、ますます赤みを増してゆきます。


確認種:マガモ コガモ キンクロハジロ アカエリカイツブリ キジバト アオサギ タンチョウ コチドリ タカブシギ イソシギ アカゲラ ハシボソガラス ハシブトガラス ヒバリ イワツバメ センダイムシクイ ノビタキ ニュウナイスズメ ハクセキレイ カワラヒワ ベニマシコ アオジ オオジュリン


(2015年5月14日   千嶋 淳)

150506 プライベートガイド

2015-06-19 17:14:18 | 鳥・春


Photo by Chishima, J.
十勝川と新緑の河畔林、残雪を戴いた日高山脈 2015年5月 北海道十勝川中流域)


 コアカゲラを見たくて本州からいらしたお客さんを案内させていただきました。早朝から午後まで、何ヶ所もの生息地を回りましたが、姿はおろか声さえ確認できませんでした。今年は4月が暖かかったので繁殖が早く進行し、あまり鳴かなくなってしまったのかもしれません。

 元来、コアカゲラは神出鬼没的なところがあり、特に探さないと一日に何羽も出会ったり、逆に探すと見付からなかったりすることがよくあります。野生動物をお見せするという仕事の抱えるジレンマですが、生息ポイントや探し方、生態などはたっぷりお伝えできたので、次回(必ずいらっしゃるそうです)の参考にしていただければ幸いです。

 昼前からやや風が出たものの快晴で、新緑の河畔林と残雪の日高山脈が目に眩しく、早朝はそこに小鳥たちのコーラスも加わり、初夏を思わせる一日でした。ムシクイ類やオオジシギの囀りが賑やかになり、ツツドリも初認された一方、冬鳥のキレンジャクもまだ観察されました。

 十勝川の主に中流域(一部下流域)や帯広近郊で確認できた鳥は、以下の51種でした。


確認種:ヒドリガモ マガモ コガモ キンクロハジロ ミコアイサ カワアイサ アカエリカイツブリ ドバト キジバト アオサギ タンチョウ ツツドリ イカルチドリ コチドリ オオジシギ キアシシギ イソシギ トビ ハイタカ アリスイ コゲラ アカゲラ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ ヒガラ シジュウカラ ヒバリ ヒヨドリ ウグイス ヤブサメ エナガ エゾムシクイ センダイムシクイ キレンジャク ゴジュウカラ コムクドリ クロツグミ アカハラ ノビタキ ニュウナイスズメ スズメ ハクセキレイ セグロセキレイ カワラヒワ ベニマシコ シメ ホオジロ ホオアカ アオジ オオジュリン


*プライベートガイドの詳細はNPO法人日本野鳥の会十勝支部のホームページをご覧下さい。


(2015年5月6日   千嶋 淳)

150428 十勝川下流域

2015-06-18 16:52:47 | 鳥・春

All Photos by Chishima, J.
ハマシギ夏羽 以下すべて 2015年4月 北海道十勝川下流域)


 海岸付近でお仕事でした。漁港にハマシギの群れが入っていました。30年くらい前は内陸の群馬県でも普通のシギで、利根川や広瀬川では数十~百羽の越冬群が見られ、群れが飛びながら一斉に向きを変える様に感動したものです。最近はそんな群れも見られなくなり、気が付けば環境省のレッドリストで準絶滅危惧にノミネートされています。減り続けるシギ・チドリ類。僕らは何ができるでしょうか。

確認種:ヒシクイ マガン ハクガン ヨシガモ ヒドリガモ マガモ カルガモ ハシビロガモ コガモ キンクロハジロ スズガモ シノリガモ クロガモ ホオジロガモ ミコアイサ カワアイサ ウミアイサ アカエリカイツブリ カンムリカイツブリ ドバト キジバト アビ カワウ ウミウ アオサギ ダイサギ コサギ タンチョウ オオバン コチドリ オオジシギ イソシギ トウネン ハマシギ ユリカモメ カモメ シロカモメ オオセグロカモメ トビ オジロワシ カワセミ アリスイ コゲラ アカゲラ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ ヒガラ シジュウカラ ヒバリ ヒヨドリ ウグイス エナガ エゾムシクイ ゴジュウカラ ムクドリ ノビタキ ニュウナイスズメ スズメ キセキレイ ハクセキレイ タヒバリ カワラヒワ ベニマシコ カシラダカ アオジ オオジュリン


カンムリカイツブリ夏羽



(2015年4月28日   千嶋 淳)