Photo by Chishima, J.
(エゾユキウサギ 2012年4月 北海道中川郡豊頃町)
(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん)
エゾユキウサギというと、2円切手にも描かれている純白の姿を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、夏には茶色の夏毛へと毛替わりします。今時分はちょうど毛替わりの時期で、茶色と白の混じった、雪解けの景色のような毛色の個体をよく見ます。
本来は夜行性で、見る機会も少ないのですが、長い冬が終わり、繁殖に入ったこの季節は大胆になるのか、昼間に活動していることも少なくありません。森林性のものが多い日本の哺乳類の中では珍しく、河川敷や農耕地、伐採跡地といった開けた環境に生息します。
あらゆる植物を食べるため、1970年頃には植えたばかりのカラマツ苗木への食害が問題になったそうです。ただ、その後は環境の変化や天敵のキタキツネが増えたことによって激減しました。もっとも、この10年くらいで少し持ち直してきたようで、最近は足跡や姿と出会う機会が増えたように感じています。
イギリスからユーラシア大陸にかけて広く分布するユキウサギの1亜種で、学名をレプス・ティミドゥス・アイヌといいます。レプス・ティミドゥスは「臆病なウサギ」を意味し、最後のアイヌはアイヌに因んだものです。
雪の解けた4月の原野に、残雪のようなウサギの姿を探してみませんか?
(2015年4月10日 千嶋 淳)
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