![Img_2477 Img_2477](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/d7/0b8d12907e64396c5b38dbf6726b08b8.jpg)
All Photos by Chishima,J.
(オオトウゾクカモメ 以下すべて 2013年9月 北海道十勝沖)
事前の予報では快晴ベタ凪の最高の条件かと思われましたが、残念ながら行程の4/5程度は濃い霧の中で、鳥も少なめでした。それでも、200~500mくらいは視界があったので鳥がいればそれなりに見えるはずです。船頭さんからの情報でも、ここ最近は鳥が極端に少ないとのこと。餌や海水温の関係で、他の海域に移動してしまったのでしょうか。
沿岸に多いウミネコやオオセグロカモメをのぞくと、観察された海鳥の多くはオオミズナギドリで沿岸から沖合まで広い範囲で見られました。ハイイロミズナギドリはぱらぱら、アカアシミズナギドリは1羽だけ観察されました。この時期多いはずのコアホウドリやクロアシアホウドリは各1,2羽が出現したのみでした。前日に浜中町の沖合では数百羽を観察していますので、道東太平洋のアホウドリ類はその方面に集結しているのかもしれません。
カマイルカが何度か観察され、イワシの群れを追って活発に動き回っていました。数頭で水面高くジャンプするのも何回か見られ、甲板はその都度歓声に包まれていました。イルカが追いかけているとイワシが水面近くに出て来るのでしょう。すぐにオオミズナギドリやウミネコが集まって来ました。圧巻は調査終盤近く、急に晴れて来た海で見たイルカと鳥山でした。10頭弱のカマイルカがおよそ3000羽のミズナギドリ(ほとんどがオオミズナギドリ)を引き連れて、高速で移動していました。四方八方からミズナギドリがそのエリアめがけて飛んで行きます。この群れへの接近を試みたのですが、あまりに高速で釧路方向へ移動してしまい、なんとか群れの最後尾あたりに追いつくのが精一杯でした。
鳥が少ない中で、オオトウゾクカモメは何度も観察されました。この鳥は北海道では迷鳥とされ、十勝沖での4年間の調査でも、最初の2年は1度だけ、1羽が見られただけでした。去年は何度か観察の機会があり、今年は7月以降、毎回のように複数羽を観察しています。どうやら、年によって渡来数が著しく異なるようですが、その理由について、現段階では想像もつきません。
下船後は番屋で心臓や白子も入ったサケのちゃんちゃんやお汁を頂きながら談笑し、適宜解散しました。来月には海の状態が変わって、海鳥や海獣であふれかえる十勝沖であってほしいものです。参加、協力いただいた方々はお疲れ様でした。
確認種:クロガモ ハジロカイツブリ コアホウドリ クロアシアホウドリ オオミズナギドリ ハイイロミズナギドリ アカアシミズナギドリ カワウ ウミウ アオサギ キアシシギ アカエリヒレアシシギ ハイイロヒレアシシギ ウミネコ セグロカモメ オオセグロカモメ オオトウゾクカモメ トウゾクカモメ カンムリウミスズメ ウトウ ハシボソガラス ハシブトガラス ハクセキレイ 海獣類:カマイルカ イシイルカ ネズミイルカ
*十勝沖調査は、NPO法人日本野鳥の会十勝支部が日本財団より助成を受けて、漂着アザラシの会、浦幌野鳥倶楽部との連携のもと行われているものです。
霧の海で跳躍するカマイルカ
![Img_8610 Img_8610](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/bf/e217f155ff15e700a4ba4de208f73a7f.jpg)
助走しながら飛び立つオオミズナギドリ
![Img_2337 Img_2337](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/e1/d8f9c18e75405e5c9b24b7959c1b7a5d.jpg)
(2013年9月12日 千嶋 淳)