Photo by Chishima, J.
(フクジュソウとハナアブ類 2014年3月 北海道中川郡池田町)
(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん)
早春、雪が解けて真っ先に花を咲かすのがフクジュソウです。残雪や枯野の中で天を仰ぐ鮮やかな黄色の花には毎年ワクワクし、元気をもらいます。北国の長い冬の後だからでしょうか。元日草の別名もあり、本州では冬のうちから花を咲かせますが、十勝では3月後半から4月前半が開花期です。
いくつにも分かれた花びらで花の中心に熱を集め、ハナアブなどの昆虫を呼び寄せて花粉を運んでもらいます。そのため、晴れた日中に目一杯開いている花は、夜や悪天候の時には閉じてしまいます。公園や庭先にも多い花ですので、よかったら実際に確かめてみてください。
アイヌ語名は「クナウノンノ」。ノンノは花を意味し、霧の女神クナウが肉食獣テンとの結婚を拒んだがため草にされてしまい、テンがまだ不活発な早春に雪の間から顔を出し、父のいる天を懐かしんでいるという伝説に因んだ名前です。
見た目もきれいで思わず山菜として食べたくなってしまうかもしれませんが、全体に毒があり、嘔吐や呼吸困難を起こすこともあるので、気を付けましょう。美しい花を愛でたのが水辺なら、近くに同じく早春を告げるエゾアカガエルやその卵があるかもしれず、それらを探すのもまた一興です。
(2015年4月7日 千嶋 淳)
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