鳥キチ日記

北海道・十勝で海鳥・海獣を中心に野生生物の調査や執筆、撮影、ガイド等を行っています。

150308 第5回ワシ調査(十勝川下流域)

2015-03-20 16:49:31 | 鳥・冬

Photo by Chishima, J.
ヒシクイ(亜種オオヒシクイ)の群れ   2015年3月 北海道十勝川下流域)


 今季最後となるワシ一斉調査。私は十勝川下流域を担当させていただき、オオワシ成鳥8、若鳥・幼鳥3、オジロワシ成鳥6、若鳥・幼鳥2の計19羽の海ワシ類を数えました。オオワシのうち10羽は同じ場所で樹上に止まっていましたが、地上で採餌する素振りはなく、なぜそこに集まったのか不明です。オジロワシ成鳥の何羽かは巣のすぐ近くの樹上で観察されたものの、まだ抱卵には入っていないようです。
 ワシ以外では路肩や堆肥場に小鳥が多く、ハギマシコ、ベニヒワ、アトリ、ミヤマホオジロなどを観察できました。これほど多様な小鳥で賑わう冬も久しぶりなのではないでしょうか。調査中であまりゆっくりできず、なおかつ霧混じりの曇天だったのが残念。
 ガン類も思いのほか多く戻って来ていました。マガンとヒシクイが各1000羽は下らないでしょう。一面の雪原でどう生きてゆくのだろうと心配になってしまいますが、堆肥場などで餌を取り、雪原や不凍河川で休息しながら何とか急場をしのいでいるようです。おそらく近日中にはハクガンやシジュウカラガンの群れも到着し、十勝川下流域は秋と並んでバードウオッチングのベストシーズンに突入します。今日も半日ほどでタンチョウ、オオワシ、オジロワシ、マガン、ヒシクイの天然記念物5種をばっちり観察できました。カモ類もコガモなど厳冬期にはいなかった種類が、漁港や十勝川本流の開水面に群れていました。春の足音が着実に近付いています。
 冒頭写真で鳥たちの手前に見えている線は酪農家の電気牧柵です。


確認種:ヒシクイ マガン オオハクチョウ ヨシガモ ヒドリガモ マガモ オナガガモ コガモ ホシハジロ キンクロハジロ スズガモ シノリガモ ビロードキンクロ クロガモ ホオジロガモ ミコアイサ カワアイサ ウミアイサ ハジロカイツブリ アビ カワウ タンチョウ カモメ シロカモメ オオセグロカモメ トビ オジロワシ オオワシ ノスリ アカゲラ コチョウゲンボウ ハヤブサ カケス ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ シジュウカラ ヒヨドリ エナガ ゴジュウカラ キバシリ ツグミ スズメ ハクセキレイ アトリ カワラヒワ ベニヒワ ハギマシコ ベニマシコ シメ ミヤマホオジロ カワラバト(ドバト) (52種)


(2015年3月8日   千嶋 淳)

150301北海道自然史研究会

2015-03-20 16:25:02 | 日記

 河畔林観察会の日の午後は、帯広百年記念館で開かれた北海道自然史研究会の大会に参加しました。市民参加型調査や地域の昆虫目録編纂、植物の繁殖戦略、カラフトマスの産卵行動など多岐にわたる興味深い話を拝聴させていただき、私も十勝沖海鳥・海獣調査について紹介させていただきました。久しぶりにお会いした方も多く、その後の懇親会含め、楽しませていただきました。

(2015年3月5日   千嶋 淳)

150301 戸蔦別川河畔林観察会

2015-03-20 16:21:23 | 鳥・春

Photo by Chishima, J.
防風林でキタキツネの足跡を観察する一行   2015年3月 北海道帯広市)


 帯広市郊外の戸蔦別川河畔林での自然観察会(主催:十勝の森とひとを結ぶ会)でした。今回も河畔林手前の防風林の散策です。このところ相次いだ大雪で鳥が動いたのか、現地へ向かう途中の路肩ではアトリやミヤマホオジロ、カワラヒワなど多くの小鳥を観察できました。雪のない路肩は、厳しい冬の餌場として大事な役割を果たしているようです。
 現地は雪の前でどんよりと曇り、気温も低かったのでカラ類などの囀りも聞かれませんでしたが、アトリやベニヒワ、シマエナガなどを近距離で観察できました。雪の前は採餌に勤しむせいか、鳥との距離が近いように感じます。
 林内を歩いていると、遠くから甲高い声。マガンです!!距離があって姿を見ることはできませんでしたが、声やその位置から数十羽以上の群れが飛んでいたと思われます。普段ガン類が見られる地域ではなく、道央方面から日高山脈を超えて渡って来たところだったのかもしれません。
 いつものように冬芽や哺乳類の痕跡も観察しながら、キハダの傍らでその蜂蜜をいただきました。午後からの北海道自然史研究会参加のため早めに辞させてもらい、防風林の出口でスノーシューを脱いでいるとキバシリが美しい声で囀っていました。月も変わり、確実に近付いている春を感じた午前中でした。



観察種(鳥類のみ):マガン コゲラ アカゲラ ハシブトガラス ハシブトガラ ヒガラ シジュウカラ ヒヨドリ エナガ ゴジュウカラ キバシリ アトリ ベニヒワ 


(2015年3月3日   千嶋 淳)

150225 プライベートガイド

2015-03-20 16:07:20 | 鳥・冬

Photo by Chishima, J.

タンチョウ 2015年2月 北海道中川郡幕別町)

 縁あって、本州から帯広畜産大学を受験された方とその母上を、滅多にないことですが妻と二人体制で午後の半日ほどガイドさせていただきました。
 畜大・農高ではアカゲラ、ヒガラなどを観察しながらドラミングや囀りも楽しみ、その後に訪れたカモポイントでは何故かカモがもぬけの殻だったものの、オオハクチョウやこの時期としては珍しいカワセミも見ることができました。例年、年明けにはほとんどいなくなってしまうワシポイントにダメもとで行ってみると、オジロワシ成鳥がサケを食べており、それを同幼鳥、さらにはオオワシ成鳥が略奪する一幕も!十勝川温泉を経て帯広への帰路。今日は無理かと諦めかけていたタンチョウがつがいで畑におり、目の前でしばしダンスを披露してくれました。
 北海道の自然の魅力の片鱗を垣間見ていただけけたかな?

確認種:オオハクチョウ ヒドリガモ マガモ カルガモ マガモとカルガモの雑種 オナガガモ ホオジロガモ ミコアイサ カワアイサ カイツブリ カワラバト(ドバト) アオサギ タンチョウ トビ オジロワシ オオワシ カワセミ コゲラ アカゲラ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ ヒガラ シジュウカラ ヒヨドリ エナガ ゴジュウカラ キバシリ スズメ ハクセキレイ セグロセキレイ


(2015年2月25日   千嶋 淳)