鳥キチ日記

北海道・十勝で海鳥・海獣を中心に野生生物の調査や執筆、撮影、ガイド等を行っています。

130226 十勝沖海鳥・海獣調査

2013-03-13 15:00:07 | インポート
Img_2267
All Photos by Chishima,J.
エトロフウミスズメ 以下すべて 2013年2月 北海道十勝沖)

 今年初となる十勝沖海鳥・海獣調査を実施できました。海況は良い予報でしたが、低温のため船のエンジンがかかるか不安でしたが、船頭さんがガスバーナーまで使って暖めてくれたおかげで無事出航できました。午前7時半、どこまでも澄んだ青空と十勝の大地、その先に聳える日高の峰々を見ながら沖を目指します。舳先から振り返ると、今年初の出航となる船の縁から、船頭さんがお酒を撒いて御利益を願っています。
 通常、水深ごとに異なる海鳥が見られ、沖に行くと陸ではなかなか見られない海鳥との出会いも増えるのですが、今回は水深100m以深の沖合では海鳥が非常に少なく、ウミガラス類やエトロフウミスズメ、カモメ類等が疎らに観察されただけでした。しかし、水深30~50mの沿岸域ではコウミスズメを中心とした海鳥が多く、冬の海上を堪能できました。コウミスズメはこれまでの調査や自身の経験からもっと外洋性が強いと思っていたのですが、水深30m前後で数~数十羽の群れがひっきりなしに出現し、総数は1000を下らないでしょう。出現の大半は海上で、また大きな群れでは個体間の距離が非常に密接していたことから摂餌中だったのではないかと思います。2年前の同時期に100羽以上が記録されたウミオウムは、今回は可能性のある1羽が観察されただけで確認できませんでした。年によって分布が相当変わるのかもしれません。アホウドリ類やウトウ、フルマカモメ等はまだ見られませんでした。


コウミスズメ
Img_2101


 4時間近い航海で冷え切った体で帰った港で見たのは、乗船した岸壁の水面に浮かぶ蓮氷でした。朝はなかったのに…。下船後は番屋で温かい鮭のお汁はじめご馳走をいただき、久しぶりの調査後ということもあって話も弾み、昼をだいぶ過ぎてから各々帰途につきました。冬の調査は大変だけれど、やはり得るところの大きいとつくづく実感できた一日でした。

確認種:マガモ スズガモ シノリガモ ビロードキンクロ クロガモ コオリガモ ホオジロガモ カワアイサ アカエリカイツブリ ミミカイツブリ アビ ヒメウ カモメ ワシカモメ シロカモメ オオセグロカモメ ハシブトウミガラス ウミガラス ウミバト ケイマフリ コウミスズメ エトロフウミスズメ オジロワシ ハシブトガラス

*十勝沖調査は、漂着アザラシの会が日本財団、NPO法人日本野鳥の会十勝支部がセブンイレブン記念財団より助成を受けて、上記2団体と浦幌野鳥倶楽部の連携のもと行われているものです。


ウミガラス(冬羽)
Img_1959


(2013年2月26日   千嶋 淳)


「アザラシと海鳥の世界」のお知らせ

2011-10-07 21:53:15 | インポート
Photo


 バタバタしているうちに直前の案内となってしましいましたが、週末の三連休に釧路市立博物館で「アザラシと海鳥の世界」なるイベントを開催します。本イベントは日本財団の助成を得て、漂着アザラシの会釧路市立博物館主催、釧路市こども遊学館さかまた組Bonos協力のもと実施するもので、「海の動物を調べる」をコンセプトにその方法や、海で見られる鳥や獣、海岸漂着物等について3日間展示を行うと同時に、8日には環境教育事業「アザラシ授業」、また9日には講演会「海鳥たちの交差点・道東の海」も行います。講演会では私の拙い写真とともに、世界中から道東に集まって来る海鳥の世界についてお話しさせていただく予定です。会場では海上さながらに実物大の海鳥たちが飛び交って、皆様をお待ちしております。いずれも入場無料ですので、お近くの方や道東方面へお出かけの方は是非おいで下さい。詳細はポスターや釧路市立博物館HPの案内を御覧下さい。


Photo_3



無題

2011-05-04 16:21:11 | インポート
3月11日の午後は釧路にいた。突然ラジオが激しい揺れを伝えたが、風も強かったため走行中の車ではよくわからなかった。とりあえず内陸を目指す。途中、注意報は警報に変わり、更に大津波警報へと変わる中沿岸部を走り抜けた時には、対向車線は既に通行止めになっていた。そして、帰宅してテレビで見たのはあの恐ろしい光景だった。東北地方太平洋沿岸。鳥を見る旅で何度も訪れた場所だった。
 あれから二ヶ月近くが経ちますが、被害の全貌や原発事故の行方は未だ闇の中な感じがあります。北海道は人的被害は少なかったものの、漁港や漁村はやはり大きな被害を受けました。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げると同時に被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。そして、一日も早い復興をなどと月並みな言葉では済まされませんが、やはり一日も早く東日本に笑顔が戻る日の来ることと原発事故の収束を願ってやみません。


謹賀新年

2008-01-02 23:13:41 | インポート
Img_5625
Photo by Chishima,J.
カワアイサの雌雄 2007年12月 北海道中川郡幕別町)

明けましておめでとうございます。
2008年も明けてから、はや2日が経ちましたが、大晦日より悪友たちと飲んだくれており、まだ鳥見に行けていません。
明日こそ野外に出たいものです。
本年もよろしくお願い申し上げます。
(2008年1月2日   千嶋 淳)




謹賀新年

2007-01-04 16:26:43 | インポート
Img_8835
Photo by Chishima,J.
オオワシ・成鳥の飛翔 2007年1月 北海道十勝川下流域)


遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
十勝地方は冬とは思えない穏やかで、雪の無い年末年始でした。
青空をバックに、オオワシが悠然と飛んでいました。
他にも10種近い猛禽類が観察でき(年末も含む)、富士、茄子はともかく、鷹には恵まれた正月だったと言えそうです。
本年もよろしくお願い申し上げます。