Photo by Chishima, J.
(クジャクチョウ 2014年9月 北海道河東郡音更町)
(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん)
草木もまだ芽吹かぬ4月上旬、住宅地内の空き地を、あるいは雪の残る林道をひらひらと舞う蝶に出会うことがあります。彼らは成虫のまま越冬した蝶で、擦り切れたボロボロの翅(はね)が冬の厳しさを物語っています。シータテハやルリタテハなどタテハチョウの仲間が多く、その中でもひときわ美しいのがクジャクチョウです。
4枚に翅のそれぞれに水色や黒の目玉模様を持ち、鳥のクジャクの羽のように見えることからその名があります。この目玉模様は、鳥などの天敵から身を守る効果があるようです。
北海道を含む東アジアの亜種の学名は、イナキス・イオ・ゲイシャといいますが、一番最後(亜種小名といいます)のゲイシャは、鮮やかな翅の模様を芸者に模したものです。
幼虫はイラクサやホップの葉を食べて育ち、成虫はいろいろな花の蜜や樹液を訪れます。庭先やちょっとした空き地でも簡単に見ることができるので、雪景色や枯れ草ばかりの風景に飽きたら、この目も覚めんばかりに鮮やかな蝶を探してみませんか。
写真は秋に撮影したので周囲が緑ですが、4月の荒涼とした景色の中で見ると、美しさが一段と際立ちますよ。
(2015年4月9日 千嶋 淳)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます