Ommo's

古い曲が気になる

マリーザのファドが聴きたい

2012-11-03 | 日記・エッセイ・コラム

 

 木枯らしが、冷たく、強い。その風のなかを歩いた。色のある景色を見られるのも、あとわずか。もうじき、白一色の世界になる。なごりの秋の色彩をあじわっておかなければ・・・・・・

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 帯広の住宅街を流れる川のほとりを歩いて出会う巨木は、東京や行徳・浦安を散歩していて感動する、古い神社や寺の境内の、霊的巨木とまた違う偉容がある。野趣、野生だ。つまり、ワイルドなんだ。

 

 日が暮れて、風に吹かれて歩きながら、なぜか、マリーザが聴きたくなった。ファドだ。すこし前に、ブラジルのシンガー、アナ・カロリーナの歌を、ビールを飲みながら一日じゅう聴いていた。そのせいだろうか。ポルトガル語の余韻が、脳内のどこかを振るわせているのだ、きっと。

    マリーザ Ó gente da minha terra http://www.youtube.com/watch?v=9h3w7UfDRTw&feature=fvwp&NR=1

Fado Tradicional

 

 マリーザのことはなんどか書いた。大好きなファド歌手だ。

 おなじ曲をオーケストラをバックに歌っている。これもじつにいいのだ。

    マリーザ Ó gente da minha terra  http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=y2g03OkoMiQ&NR=1

 ロック・フェスでの映像も感動的だ。ジーンとくる。

    マリーザ Ó gente da minha terra  http://www.youtube.com/watch?v=57Ub2gyc-lI&NR=1&feature=endscreen

 

 “Barco Negro(暗い艀)”は、もちろんアマリア・ロドリゲスが素晴らしいが、わたしは、マリーザのカバーがひどく好きなのだ。

 

 わたしの少年時代、アマリア・ロドリゲスが歌うBarco Negro は、『暗い艀(はしけ)』と邦題がつけられていた。「はしけ? 艀(はしけ)って、なんだろ?」と思ったものだ。北海道・十勝平野のど真ん中で育って、海は、はるか遠い。海で使う小舟のことを、艀(はしけ)というとは、知らない。無知、海に無知だった。

 ※ Barco Negro は、“暗い艀”ではなく、“黒い舟”のほうが、歌詞の内容にあってないだろうか?

 

 詞の主題は、漁師の海難だ。漁師の妻の、嘆きの歌だ。漁に出ていった夫が、帰ってこない。ほかの女たちの男は、みんな帰ってきているのに。私の男、私が愛する男だけ、帰ってこない! と歌う。

  マリーザ Barco Negro  http://www.youtube.com/watch?v=SRTPNUvYo8c&feature=related