ブルー・アイド・ソウルとは、矛盾した表現だが、白人のやるブラック・ミュージックのことだ。定義はとてもやっかいで、あいまいにならざるを得ない。簡単にいうと、黒人の雰囲気をもった白人のポップス。ライチャース・ブラザーズやラスカルズなどが活躍した1960年代、さかんにつかわれた言葉だった。いまはもう死語だと思っていた。(わたしは、この20年くらい音楽雑誌をみたことがなかった)。しかし、最近インターネットでアメリカの音楽関係のサイトをみていると、Blue-Eyed Soul という語がひんぱんにでてくる。
きのうは ローラ・ニーロのことを書いたが、ローラ・ニーロやキャロル・キングもブルー・アイド・ソウルのミュージシャンであろう。そして、ローラ・ニーロのEli's Coming をカバーしてヒットしたスリー・ドッグ・ナイトは、まさにブルー・アイド・ソウルだ。
イギリスでは、ジョー・コッカー、ロッド・スチュワート、ヴァン・モリソン、アニマルズのエリック・バートンなどがBlue-Eyed Soul だろう。そして、トム・ジョーンズこそ、イギリスのブルー・アイド・ソウルのキングだ。
トム・ジョーンズ It' Not Unusual http://www.youtube.com/watch?v=UOArsNMVqGg&feature=related
トム・ジョーンズ It's Look Like I'll Never Fall In Love Again http://www.youtube.com/watch?v=lwrOtXA-S1o&feature=related
トム・ジョーンズ Green Green Grass of Home http://www.youtube.com/watch?v=a5IABqwVO2U&feature=related
トム・ジョーンズ Delilah http://www.youtube.com/watch?v=sI5LWwC-cE8&feature=related
トム・ジョーンズは、ジョン・レノンとおなじ1940年の生まれだ。いまは68才、オフィシャル・サイトのスケジュールをみると、今月はラスベガスで毎日のようにライブをやっている。タフだ。
トム・ジョーンズは、16才から建築現場の土工など、さまざまな肉体労働や訪問販売のセールスマンをやりながらアマチュアのビート・グループでシンガーをやっていた。17才には結婚して家庭をもつ。まさにソウル・ミュージックをやるにふさわしいつらい青春だ。23才のころには南ウエールズ地方のクラブで、人気のボーカリストになっていた。
この1963年、運命的な出会いがある。ビートルズにとってのブライアン・エプスタンみたいな人物が、トム・ジョーンズのバンド Tommy Scott and Senators のマネージャーになる。ゴードン・ミルズだ。ウエールズ出身のハーモニカ奏者で、クリフ・リチャードに楽曲を提供している作曲家でもあった。
ゴードン・ミルズは、のちにMAMレコードを創設して、エンゲルベルト・フンパーディンクやギルバート・オサリバンを売り出す。ゴードン・ミルズが、デッカとの契約をとり、トム・ジョーンズはメジャーデビューをする。最初のヒットで、いまもショーのオープニングの曲 It's Not Unusual(よくあることさ) は、ゴードン・ミルズの作曲なのだ。テレビショーやラスベガスへの進出もゴードン・ミルズの采配だ。
1986年、突然、ゴードン・ミルズは胃ガンで亡くなる。トム・ジョーンズは、デビュー以来のプロデューサーでマネージャーでビジネス・パートナーの、もっとも信頼する友を失った。
トム・ジョーンズは、自分の息子マークにマネージメントを託す。こうして、トム・ジョーンズはいまもラスベガスのトップスターなのだ。女王からナイトの爵位をうけたサー・トム・ジョーンズは、1965年から1億枚以上のレコードを売っている。
それぞれのオフィシャル・サイトに動画がある。videos あるいは media をクリック。
トム・ジョーンズ.com http://www.tomjones.com/home/index.aspx
ヴァン・モリソン.com http://www.vanmorrison.com/
ロッド・スチュワート.com http://www.rodstewart.com/
ジョー・コッカー.com http://www.cocker.com/
エリック・バートン.com http://www.ericburdon.com/
フェリックス・キャヴァリエ's ラスカルズ http://64.23.27.250/index.htm
ニュー・ラスカルズ.com http://www.newrascalsreloaded.com/
トム・ジョーンズ・ファンの方がつくるページ(日本語) http://www.geocities.jp/tjfanmari/