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古い曲が気になる

BOSSのCM、こんどは「ひまわり」

2009-03-05 | 日記・エッセイ・コラム

Cimg2871 稲荷神社のさい銭箱に供えられた油揚げ

Cimg2875 作業服屋さんのウインドー

 

 

 民主党、小沢代表の記者会見は、何の説明にもなっていない。ただ自分は潔白だといっただけだ。「オレ、やってない」という悪ガキの言い訳なみに幼稚で、内容がない。記者との長い問答も、すべて、ああ言えば上祐の詭弁にすぎない。

 

 ずっと以前から、予想はしていたことだが、合法をつくろっても、じっさいにゼネコンに金をもらい、便宜供与をしていたことを、これで国民みんなが知ったろう。潔白どころか真っ黒いと気づいたはずだ。それに、ゼネコンだけじゃなく、背後には北朝鮮の影さえちらつく。こんな危ういやつを党首とあおぐ民主党もどうかしている。しかし、このままテレビと新聞のれんちゅうの世論操作がうまくいくと、おそくても秋には総理大臣になるわけだ。

 

 公設第一秘書が逮捕されたのだ。つぎは本人の事情聴取、逮捕、起訴、裁判が当然の流れだろう。だが、しかし、東京地検特捜とはいえ、野党第一党党首にはなかなか手だしができない。秘書どまりだ。だから、小沢は、党代表の座を降りない。降りたとたんに逮捕されるのを恐れてる。その恐れが、「異常な捜査だ」と何度も強調して、ことさら検察をけん制し、恫喝したのだ。

 
 

 このまま総選挙となれば、いっとき国会議員ではないが、選挙ちゅうに政党党首を検察がしょっ引くなどできない。ロシアやアフリカや南米の国のような野蛮なことはできまい。選挙となれば、ますます手がでないわけだ。そして民主党圧勝で、総理大臣になる。現職の首相の逮捕などできない。首相の指揮権発動で事件すべて握りつぶす。報復人事で担当した検察官たちを、対馬や奄美大島や稚内あたりに転勤させる。

 

 まあ、こんな下手なシナリオかな、小沢たちの絵図は。逆に、検察は、ここで完全に追いこまなければ、もし政権が変わるようなことにでもなると、強烈な報復人事にさらされることになるだろう。島流しだ。さて、東京地検と小沢、この攻防どうなるか? おもしろいね。

ひまわり

ひまわり

  サントリーBOSS“食後の余韻”のTVCM(北大路欣也、中村敦夫、吹越満出演)のバック・ミュージックは、ヘンリー・マンシーニ作曲の映画「ひまわり」のテーマだ。BOSS“贅沢微糖”のCMでは、おなじヘンリー・マンシーニの「刑事コロンボ」のテーマをつかっていた。このCMシリーズのディレクターは、ヘンリー・マンシーニの音楽が好きなんだね。気持ちはよくわかる。 

 

 ヴィットリオ・デ・シーカ監督の「ひまわり」は、1970年公開のイタリア、フランス、ソ連、三国共同制作の映画だ。日本でも大ヒットした。音楽のヘンリー・マンシーニは、アメリカ人だが、イタリア人移民の子供だ。すでにハリウッド映画にはかかせないヒットメーカーだったが、イタリア系アメリカ人のミュージシャンとして、イタリアンリアリズムの巨匠ヴィットリオ・デ・シーカが監督する「ひまわり」に参加することは、心おどる、名誉ある仕事だったろう。

 

 主演は、ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニというイタリアの名優だ。戦後からこの時代まで、イタリア映画、フランス映画は、作品の質も、世界的な興行成績でも、アメリカ映画をリードしていた。イタリア、フランスだけなく、イギリス、スウェーデン、ポーランド、ソ連などヨーロッパ映画全体が高い芸術性をもち、エンターテイメントとしても優れていた。それはいまではまったく考えられない、忘れられたことだろう。そういうヨーロッパ映画全盛の世界的な大スターが、マストロヤンニであり、ソフィア・ローレンだった。

 
 

 ヨーロッパの役者は、アメリカ人のハリウッド俳優とは品位がひと味ちがっていた。ハリウッドで活躍した俳優でも、ヨーロッパからきた役者には、ある品格があった。「カサブランカ」のイングリッド・バーグマンは、スウェーデンからきた俳優、マレーネ・ディートリッヒはドイツから、ベルギーで生まれたオードリー・ヘップバーンは、イギリスで役者のキャリアをスタートした。(いま、わたしが好きなアンソニー・ホプキンスやジュード・ローもイギリスの俳優だ)。

 

 映画「ひまわり」は、戦争に翻弄された、イタリア人夫婦とロシア娘との悲劇だ。第二次世界大戦が終わり、ロシア戦線で行方不明になったイタリア兵の夫マストロヤンニを、妻のソフィア・ローレンが、ウクライナまでさがしにいく。夫マストロヤンニは、敗走する途中、飢えと凍傷で倒れ、ロシア娘に助けられて、その娘と結婚してウクライナで暮らしていた。子供もいる。

 

 イタリア人の妻ソフィア・ローレンは、ウクライナをさがしまわり、やっと生きていた夫をみつける。そして、若いロシア人の妻といっしょにいる夫に駅で出会う。このときのふたりの名優の表情は、みごとだ。妻ソフィア・ローレンは列車に飛び乗り、大泣きする。というはなしだが、悲劇はこれで終わらずまだまだ先がある。それは、DVDでみてほしい。いまみても泣ける。音楽もすごい。泣き顔をみられたくない人は、ひとりでみることをすすめる。

 

 悲劇の三角関係のもうひとり、ロシア娘を演じるは‘ロシアの名花’、ソ連の女優、リュドミーラ・サヴェーリエヴァだ。1967年公開のソ連映画、トルストイの「戦争と平和」のナターシャ役で世界を魅了した美女だ。この映画は、アカデミー外国語映画賞を受賞して、日本でもヒットした。(今年の日本映画「おくりびと」とおなじ賞)。

 

 わたしの、札幌大学外国語学部ロシア語学科の同級生のなかに、「戦争と平和」のリュドミーラ・サヴェーリエヴァのナターシャをみて、ロシア語を学ぶことにした、という男たちが何人もいた。気持ちはわかる。共産主義・ソ連にあこがれて、とか、レーニンを尊敬しているから、とかいうやつらよりは、動機が単純で、カワイイ。

 

 このリュドミーラ・サヴェーリエヴァのナターシャの10年まえに、アメリカ映画の「戦争と平和」が大ヒットしていた。このナターシャは、オードリー・ヘップバーンなのだ。わたしは、ソ連のナターシャを先にみてしまっていたので、名画座みたいなところでみたヘップバーンのナターシャにはあまり心が動かなかった。

 

 映画「ひまわり」がヒットして、サントラ盤がLPもシングルもよく売れた。1970年だから、ビートルズの「レット・イット・ビー」がリリースされた年だ。世の中はもう、ニューロック、アートロックの時代に突入していた。だが、このあまりにも甘美で、切なく哀しくセンチメンタルな、イタリア、イタリアのメロディの、「ひまわり」のサントラが売れに売れたのだ。美しい曲は、どんな時代でも受けいれられる。

 ひまわりhttp://www.youtube.com/watch?v=zEQX6sOBT7w