局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

鱧尽し

2011-07-27 11:28:20 | 食べる
関東育ちの私が鱧という魚を食べたのはいつの事だったろうか?

幼少時の実家でも食卓に上ったことはなかったし、高校あたりで山崎豊子とか瀬戸内寂聴なんかの小説で読んで「なにやら高級そうなサカナ」というイメージだけは先行していたがその時も食べたことはなかった。
初めて食べたのはオットとの遠距離恋愛時代であった(遠い目) 関西の某都市に赴任したオットの所に遊びに行って、やっと一人前の給料をもらえるようになった彼がちょっと得意そうによく先輩に連れてきてもらうというカウンター割烹の店でごちそうしてもらったのが ワタシの鱧初体験であった。25くらいの時ですね。
その時は 「へ~ こんなもんか」としか思わなかったな。湯引きを梅肉で食べたんだと思うけど。
私にとっては夏の魚ってのは 「鮎」である。

とは言うものの・・・・

週末は某地方からの客人を案内して こちらの店に




 去年の晩秋は鯛尽くしのランチを食べ★  超満足した店である。

客人は「関東で鱧尽くしを食べるとはね~」などとちょっと心配そうだったが、この店は京都出身のグルメマダムも「あっちで頂くよりおいしかったわ~」と言わしめた所である。
乞うご期待!

 先付はくじら豆腐 上品な味だった

 この白みそのお吸い物は絶品だった あま~い京味噌にプルルンとくじらとジュンサイが入り 薫り高い山椒がそれを引き締めてる 味のハーモニーに陶酔させられた。

  湯引きは二種類(調理方が違うらしい)お醤油系の出汁か梅肉 二杯酢につけて頂く

 焼き物はいろいろな野菜を入れた賀茂ナスの田楽 エビやアボガドなども入っている 田楽味噌もおいしい

 そのあとは隣のテーブルにこんな火鉢が出てきて 板さん自らここで焼いてくれる。
鱧 万願寺唐辛子 小芋

 こうやって食べると濃厚な味が醸し出される鱧

しかしこの辺で私の胃袋はそろそろ限界を告げてきた。 先ほどの賀茂ナス田楽がたっぷりあってそれを半分にしておいたのだが、それでも限界に近い。客人に鱧肉を半分強制的に食べてもらい次に備えたのだが。

 次は鱧寿司 これもおいしい~ が 一個の半分しか食べられず

 しかしこの冷やした冬瓜の葛あんかけはがんばり(おいしかった~)

 「次は鱧のお茶漬けですけどどうしはりますか? ホンのお味見くらい作りましょか?」という板さんの計らいをありがたく受けてはちきれそうなお腹にもかかわらずがんばってお茶漬けのホンの一口もいただいた。

 デザートは桃のシャーベット

 最後にコーヒー(お茶でも可)

いや~ 美味しい~ お腹いっぱい~~ の大満足のディナーであった。

そしてここのおもてなし、お料理を運んでくれるのはスレンダーな京美人のマダム。はんなりとした京ことばで料理の解説をさらっとしながらちょうど良い間合いで供してくれる。
そして火鉢で焼いてもらっている時に板さんと話をしたのだけど、以前来たときの鯛料理の話になって 「蕪と鯛の炊き合わせが忘れられなくて なんて話したら 「ああ あれは美味しいです!」と素で喜んでいるって感じの受け答え。それからまた献立の話になると 「あれもおいしいんですわ そそこれもおいしい・・・」と言ったあと 「自分の料理をこんなにおいしい おいしいって言うて怒られますわな~」と笑っていたが、ホントに料理好きで自信もあるんだなって感じられて楽しかった。

あとここの良いところはアルコールでぼったくらないこと。ビール、日本酒、ワインとそう品数は多くないながらもそろっているのだが、ワインもそこそこのものがボトルで3500円程度。ありがたい値段設定である。超有名イタリアンでハウスワインを飲んだらグラスで4000円だった(しかもランチだとさ)と憤っていた(飲んべの)客人だったが「この値段設定は信じられないな~」と言っていた。

帰りには さっき私が食べきれなかった鱧寿司をちゃんと小さなおみやげにしてくださった。

この紙袋が高山寺柄で可愛いこと。最後まで気配りに感動しつつ店をあとにした。

ここは今年の某グルメガイド誌で★だったらしい。別にそこがいくら★つけてもありがたがるわけじゃないけどね。以前何食べても不味いと思った和食屋が★★だったので唖然としたことがあった。
ヨーロッパのタイヤ屋に日本料理がわかるかつーのよ。 自分の舌に合ったものが一番ですね。

ここはまた訪れたいものである。








コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする