tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

兵器の進化と戦争の未来

2018年12月28日 17時08分15秒 | 国際関係
兵器の進化と戦争の未来
 ノーベル賞創設者のA.ノーベルは、自身の発明した大量殺戮を可能にするダイナマイトの使途を心配し、ノーベル賞創設を遺言したと言われます。
物質とエネルギーの関係(e=mc²)を解き明かしたA.アインシュタインも、核分裂が兵器使われたこと(広島、長崎)を知り「あの公式を発表すべきではなかった」と深く悩んだと言われています。

 科学技術の発展は、人類に無限の可能性を与えてくれる大切なものですが、問題は、人類がそれをどう使うかにあるのでしょう。
 宇宙開発、AI関連の急速な進歩は、我々に多くの可能性をもたらしてくれるのでしょうが、こうした科学技術の進化に比べて、人間の道徳や倫理観の進化は圧倒的に遅れているように感じられます。

 こんなことを書いたのも、今、宇宙開発、AIの活用が軍事分野で急速に進んでいる様相が見えてきているからです。

 宇宙こそ地球人類全体のために役立つ「平和利用」に徹するべきという理念は宇宙開発の当初からあったと思います。
 現行の宇宙ステーションは、まさにその理念に基づき、米ロが協調し、日本なども協力して遂行している事業だと思っています。

 しかし、そこにトランプ大統領の「宇宙軍創設」という発想が飛び込んできていました。何をどうするのか中身は解りませんが、同じようなことをロシアや中国が言い出したら、どうなるのでしょうか。
 まさか、皆で協力して異星人の攻撃から地球を守るという事でもないでしょう。

 人工知能(AI)を使った兵器の開発も進んでいるようです。これは無人で敵を攻撃することを可能にすると言われていますが、第二次大戦で日本を焦土にしたB29が無人で飛んでくるようなものでしょうか。これは局地戦でも使えますから大変です。

 応戦する方も無人で応戦するという事になったら、戦争はゲームになるのかもしれません。人間は背後にいて、機械同士が戦うという事になったら、つまるところはコンピュータ・ゲームでしょう。人類は一体何をしようとしているのでしょうか。(<影の声>いっそ、思い切って、戦争はコンピュータ・ゲームで済ますようにしたらどうですか。)
 
 未だ現実味が無かったからでしょうか。国連の宇宙条約には不備な点が沢山あるようです。しかし、国連広報センターによれば、国連宇宙空間平和利用委員会、小委員会は毎年開かれているとのことです。

 やはりこうした問題は、国連が世界をまとめる要として機能すべき問題でしょう。国連のやるべきことは、ますます増えてきているのが現実です。
しかし第二次大戦の不幸な経験の反省から、まづは戦勝国の協力体制から出発と、折角作った国連のガバナビリティーは国連常任理事会に見られるように、現状では体を成していません。

 科学技術の進歩を喜びながら、その一方でその軍事利用の心配も大きくなっていくといった状態を、このまま続けていて本当にいいのでしょうか。問題山積の年の暮れです。

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