tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経済発展の基礎、技術開発の方向

2020年09月26日 17時55分31秒 | 経済
改めて付加価値の意味を考える -5
 前々回、経済社会の発展は技術開発、イノベーションなしには成立しないという歴史の経験を見ていきました。そして、今、人類は、発展のためにますます必要性の高まる「エネルギー」供給についての問題に直面し、技術開発の踊り場に迷いながら立っているらしいということにも気づきました。

 産業革命以来、経済は毎年成長するのが当然と考えてきた人類はが経済成長の停滞に直面して、やはり「イライラ」しているのでしょう。人間はイライラすると往々争いを起こします。

 トランプさんなどはその典型でしょうか、アメリカ経済が成長しなくなったのは、世界の国々がアメリカ経済を食い物に物にしているからだ、といった見当違いの理屈で「アメリカファースト」を唱え、今は、特に中国を目の敵にしています。

 現実には、アメリカはGAFAなどの発展で、世界を顧客にしてビジネスをしているのですが、アメリカの経済は巨大ですからGAFAだけでは力足らずで、弱体化した草の根からの開発力や技術力・生産力の部分、3億数千万の人口の通常の生活を支える地道な生産力で、かつては日本、いま中国に後れを取っているのでしょう。

 こうした動きはアメリカだけではないでしょう。アジアでもヨーロッパでも、米州諸国でもイライラは嵩じているのでではないでしょうか。

 そうした意味で、不安定化する世界を何とか安定に復元させるためには、まずは地球人類が今、そしてこれから必要とするエネルギーをいかにして、SDGs(持続可能な発展目標)に沿った形で獲得できるようにするかという技術開発が、先ず基本でしょう。

 それには、地球に与えられるすべてのエネルギーの源である太陽エネルギーを、如何に巧みに取り込むかがカギになるのでしょう。
 太陽光、太陽熱は勿論、風力、水力、海流なども、直接間接にすべて太陽の働きで生じているものです。
 いつかは、太陽エネルギーの源泉と言われる核融合(核分裂は放射線問題で行き詰まりです)に行き着かなければなら無いのでしょうが、これは容易ではないでしょう。

こコマではエネルギー確保の問題ですが、エネルギーについてはもう2つあります。
 ひとつは省エネルギー技術、もう一つは蓄電を中心にしたエネルギー保存の技術です。

 おそらく経済社会の進歩は、こうしたエネルギーに関わる開発がベースになり、その上に多様なイノベーションが花開くことになるのではないでしょうか。

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 そして、もう一つ大変重要なのは、人類がその多様性を生かしつつ、平和裏に協力し、共存することを可能にする「社会の在り方についての開発」でしょう。

 20世紀の前半までは、戦って征服することで平和を作り出そうと努力した人類ですが、第二次大戦と核兵器の開発という現実の中で、争う事の愚かさに気づき、まずは国連の機能によって人類社会の安定を保とうとしたのでしょう。

 しかし、現実は「仏作って魂入れず」で、国連という組織は出来ても、それをうまく使いこなすことが未だに出来ていないというのが今日の姿です。
社会的なイノベーションは実は個々の人間の(特にリーダーの)心(思考回路)のイノベーションががあって初めて可能になるもののようです。(前回のゴルバチョフ寄稿参照)