tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

米中の覇権争い、GDPから見れば

2020年09月09日 16時53分58秒 | 国際関係
米中の覇権争い、GDPから見れば
 先ず今世紀に入っての米中の経済規模のグラフを載せておきます。推計方法は下に注書きします。


 ところで、トランプさんの中国叩きはますますエスカレートしそうです。
 それには、11月の大統領選の結果も大いに関係してくるのでしょうが、たとえ大統領が変わっても、米中の覇権争いは、矢張り続くのでしょう。

 覇権を支えるのは一体何でしょうか。歴史的に見れば、覇権を支えるのは、先ず軍事力(兵器の技術革新も含む)という事でしょう。しかし、軍事力の源泉はといえば矢張り経済力でしょう。
 第二次大戦までは、先ずは軍事力という感じだったのかもしれませんが、次第に経済力の方が重要になってきたように見えます。

 おそらく、核の軍事利用が可能になり、一旦戦争になれば、多分勝者のいない戦争、結果は人類社会の破滅という事が見えてきて、核戦争は起こりえないと考えるようになったことが大きく影響しているのでしょう。

 それでもまだ、覇権国は最大の核保有国でなければならないという意識から人類は抜け出していません。そして、そのためにも経済力を大きくする必要があると考えるのでしょう。
 
 この所、米中の覇権争いが大分深刻になってきました。トランプさんは政策的には支離滅裂で、大変焦っておられるようですが、習近平さんは、無表情ですが、やることは、極めて厳しいようです。

 かつて、アメリカは、経済規模でアメリカを追い上げる国を蹴落としたことがあります。相手はご承知のように日本です。
 日本の無知を利用したという事でしょう。手段は単純で、G5の場で、日本に円の切り上げを認めさせることでした。

 現代の金融理論で先駆けるアメリカ、実体経済中心で古い貨幣理論だけの日本です。勝負はあっけなくついて、日本はその後30年ほど経済停滞になり、アメリカは成功体験を得ました。

 次にアメリカを追い上げたのは中国です。アメリカは、対日本での成功体験をもとに、中国に人民元の切り上げを求めました。
 しかし中国は、日本の失敗をつぶさに見ていて、一貫して拒否の姿勢でした。その後のアメリカのとった政策、特にトランプさんの政策は皆様ご承知の通りで、中国経済は(新常態)など言いながら、アメリカの2倍以上の成長率を続けています。

長くなりますので、以下次回とさせていただきます。
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 <推計方法>
 「世界経済のネタ帳」から2001年-2019年の経済成長率をとり、2019年の両国のドル表示のGDPの実額(米21.48兆ドル、中国14.17兆ドル)から過去18年のGDPを算出、2020年以降については、中国が「新常態」に入ってからの成長率が6%台であることから6%成長を仮定し、アメリカは過去20年間の平均成長率2.1015%成長を仮定した。
 したがって為替レートの変更は考慮していない。