tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

改めて付加価値の意味を考える-2

2020年09月22日 16時34分14秒 | 経済
GDPは国レベルの付加価値、付加価値の定義は?
前回は、新型コロナ禍による経済の不振、具体的にはGDPの減少(マイナス成長)、多くの業界の著しい経営不振は、「国民が経済活動を自主的に抑制」しているからという事と、それならば、コロナ後は、みんな正常な経済活動を望むでしょうから、コロナが制圧されれば、経済は急回復するだろうと書きました。

 そこで、今回は、国民の経済活動意欲と、経済成長の関係を考えてみましょう。
 先ず、以前は連休にはよく旅行に出かけた、月に数回は、いろいろなグループの飲み会があった、などなどといった人々の生活の活発さが経済の活況を支えているのです。

 これは経済が需要に引っ張られて成長する原動力です。顧客が来るから店を開く、顧客が多いから仕入れも沢山する、仕入れ先は増産するという形で経済活動が増えます。人々が需要に応えて生産活動を活発化すればGDP(国内総生産)は増加します。これが経済成長で、それを計測する指標が「付加価値」です。

 お店や工場では売上高や生産額がいくら増えたと勘定するように、国の経済計算ではすべての重複(卸の売り上げ、小売りの売り上げでは重複する部分があります)を相殺してその経済活動で生まれた正味の金額(付加価値)を集計します。それがGDPです。つまり、GDPは日本中の経済活動で生まれた付加価値の総合計です。

 ご存知のようにGDP(国レベルの付加価値)が年に何%増えたかというのが「経済成長率」で、経済成長率が高いという事は、それだけ国民(国や企業)が前年よりも消費支出を活発にし、それだけ生産物やサービスが前年より多く提供だれたという事ですから、国民にとって望ましい状態という事になります。当然、政府も経済成長率は高い方がいいと考えるわけです。

 では、計測されたGDP(国レベルの付加価値)の中身は何かという事になりますが、それはこう考えてください。
付加価値を作ったのは誰でしょうか。付加価値を作ったのは人間です。人間が欲しいと言ってそれにこたえて人間がモノやサービスを作って提供して経済活動が活発になって付加価値(GDP)が増えたのです。

 しかし、今のように進んだ経済では、人間の力だけでは、こんなに大きなGDPは作れません。はっきり言えば、「人間が資本を使って付加価値を生産」しているのです。

 急に資本が出てきましたが、「資本を使って」という「資本」とは「おカネ」です。もちろんおカネそのものは役に立ちません。いくら札束を持っていても、預金通帳に残高があってもそのままでは役に立ちません。そのおカネ(資本)で生産設備を買ったり、店舗を作ったり、お洒落なカフェを準備しなければお客が欲しい物やサービスは提供できません。

 つまり「資本を使って」というのは、「資本(おカネ)で顧客に役だつための設備を整え、それを使って」という事です。良い設備がないと良い製品やサービスも提供できません。

 生産は人間が資本を使って」行うので、その成果である付加価値(GDP)は「人間と資本に分配される」ことになります。その結果、 付加価値の定義は「人件費+資本費」(企業レベルでは賃金+利益などとも言われる)という事になるのです。

 次回は、付加価値が増えるプロセス、国なら経済成長、企業なら業績向上の生まれるプロセスについて考えてみましょう。

GDPは国レベルの付加価値、付加価値の定義は?
前回は、新型コロナ禍による経済の不振、具体的にはGDPの減少(マイナス成長)、多くの業界の著しい経営不振は、「国民が経済活動を自主的に抑制」しているからという事と、それならば、コロナ後は、みんな正常な経済活動を望むでしょうから、コロナが制圧されれば、経済は急回復するだろうと書きました。

 そこで、今回は、国民の経済活動意欲と、経済成長の関係を考えてみましょう。
 先ず、以前は連休にはよく旅行に出かけた、月に数回は、いろいろなグループの飲み会があった、などなどといった人々の生活の活発さが経済の活況を支えているのです。

 これは経済が需要に引っ張られて成長する原動力です。顧客が来るから店を開く、顧客が多いから仕入れも沢山する、仕入れ先は増産するという形で経済活動が増えます。人々が需要に応えて生産活動を活発化すればGDP(国内総生産)は増加します。これが経済成長で、それを計測する指標が「付加価値」です。

 お店や工場では売上高や生産額がいくら増えたと勘定するように、国の経済計算ではすべての重複(卸の売り上げ、小売りの売り上げでは重複する部分があります)を相殺してその経済活動で生まれた正味の金額(付加価値)を集計します。それがGDPです。つまり、GDPは日本中の経済活動で生まれた付加価値の総合計です。

 ご存知のようにGDP(国レベルの付加価値)が年に何%増えたかというのが「経済成長率」で、経済成長率が高いという事は、それだけ国民(国や企業)が前年よりも消費支出を活発にし、それだけ生産物やサービスが前年より多く提供だれたという事ですから、国民にとって望ましい状態という事になります。当然、政府も経済成長率は高い方がいいと考えるわけです。

 では、計測されたGDP(国レベルの付加価値)の中身は何かという事になりますが、それはこう考えてください。
付加価値を作ったのは誰でしょうか。付加価値を作ったのは人間です。人間が欲しいと言ってそれにこたえて人間がモノやサービスを作って提供して経済活動が活発になって付加価値(GDP)が増えたのです。

 しかし、今のように進んだ経済では、人間の力だけでは、こんなに大きなGDPは作れません。はっきり言えば、「人間が資本を使って付加価値を生産」しているのです。

 急に資本が出てきましたが、「資本を使って」という「資本」とは「おカネ」です。もちろんおカネそのものは役に立ちません。いくら札束を持っていても、預金通帳に残高があってもそのままでは役に立ちません。そのおカネ(資本)で生産設備を買ったり、店舗を作ったり、お洒落なカフェを準備しなければお客が欲しい物やサービスは提供できません。

 つまり「資本を使って」というのは、「資本(おカネ)で顧客に役だつための設備を整え、それを使って」という事です。良い設備がないと良い製品やサービスも提供できません。

 生産は人間が資本を使って」行うので、その成果である付加価値(GDP)は「人間と資本に分配される」ことになります。その結果、 付加価値の定義は「人件費+資本費」(企業レベルでは賃金+利益などとも言われる)という事になるのです。

 次回は、付加価値が増えるプロセス、国なら経済成長、企業なら業績向上の生まれるプロセスについて考えてみましょう。