tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

改めて付加価値の意味を考える -3

2020年09月23日 15時43分12秒 | 経済
豊かで快適な生活は付加価値から生まれる
 前回は、付加価値とは「人件費+資本費」だという事を書きましたが、「国でも個人でも付加価値が大切なんですね」(katuraさん)というコメントを頂きました。有難うございます。

 今はコロナ下でGDP(国レベルの付加価値)減っています。企業も個人も、もちろん国も困っています。しかしコロナ後は必ず早晩来ます。その時は人々の活動は大幅に活発になり、我慢していた消費は増え店ではお客が増え、売り上げは伸び、結果、生産も増え、GDPは急速に回復するでしょう。

 望ましいのは、回復するだけでなく、その先も順調に経済成長が続くことです。
 たとえは少し大げさですが、第二次大戦で日本は国中焼け野原になりましたが、戦争が終わるとみんなが経済活動を活発化し10年後の昭和30年には「もはや戦後ではない」と言われ(経済白書)、その復興の勢いで1980年代「ジャパンアズナンバーワン」と言われ(エズラ・ボーゲル)、世界第2位の経済大国になりました。
(その後の失敗についてのご参考「 プラザ合意なかりせばの日本経済」)
 
 コロナ禍で落ち込んだ日本経済を、単に回復させるだけではなく、その回復の中で得た知恵を活用してその先も更に成長を続ける日本経済を考えていかなければならないという命題を今から考えておくことが大事でしょう。

 ヒントはいろいろあります。いささか遅れてしまったデジタル化が新政権の目玉になっているようですが、それも大事でしょう。しかし本当に大事なのは、「国民が、日本の現在とこれからについてどんな経済社会を望んでいるか」です。
 これを見誤ると、条件整備は出来たが中身がなかったアベノミクスのようになります。

 ここで大切になってくる言葉があります「豊かさと快適さ」です。かつては「豊かな社会」が人々の目標でした。今はこれに「快適」を付け加えることが多くなりました。
 「KAITEKI」を標語にする会社(三菱化学)もあります。

 そこで「豊かさと快適さ」を支える経済発展の原動力について考えてみましょう。
付加価値を創るのは「人間が資本を使って行う」のですから、経済学で言う「生産要素」は「人間」と「資本」です。(昔は、生産の3要素は「土地、労働、資本」といいましたが、ここでは労働は人間、土地は資本に含まれるとしています)

 人間と資本のうち、経済を発展させたい、豊かで快適な生活をしたいと思うのは人間です。資本は意思を持ちません。ですから、経済発展の原動力は人間の心(頭脳)です。

 ですから、GDPを増やしたい、経済成長したい、豊かで快適な生活をしたいと国民が強く思う事が第一の条件でしょう。
 そして、第二の条件は、資本を増やして、 より優れた設備 (工場、店舗から知的財産まで)を持つことでしょう。
 次回はこの辺りを考えてみたいと思います。