tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ますます重要になる家計消費指標

2020年04月07日 12時17分57秒 | 経済
ますます重要になる家計消費指標
 新型コロナの猛威は容易には収まらないようです。非常事態宣言で三つの「密」がより厳密に規制されますと、街は静かになり、家計の消費支出も「ひっそり」になるでしょう。家計で消費が増えるのは「マスク」「消毒用アルコール・手洗用洗剤」「水道使用量」ぐらいでしょうか。

 消費がなければ生産も販売も増えません。消費落ち込みは経済の落ち込みに直結です。政府は、経済活動の落ち込みを防ごうと、事業規模100兆円超の政策を打つとのことです。

 しかし、経済もコロナには勝てませんから、コロナが収ますまでは経済は落ち込むでしょう。しかしそれは致し方ないことで、早くこの異常事態を終息させるために、身を縮め、活動の範囲を小さくして、人類が新型コロナウィルスに太刀打ちができるようになるまで、我慢するしかないのでしょう。

 積極的に我慢して感染の蔓延を防ぎ、早期にワクチンや効果的な薬品を開発して、この難関を克服するために頑張りましょう。

 そのためにその期間経済が低迷することは致し方ないことです。適切に身を縮め、無駄を省いて、新型コロナ後の経済の復元、活発化に備えるべきでしょう。

 このブログでは、これまで、アベノミクスノ中で、なぜか経済成長が遅々としたものになってしまっているのかという問題を。家計消費の側面から見ていこうと「家計調査」の「平均消費性向」をずっと追ってきました。
 どの時点でそれが下降から上向きに変わる転機が来るのか、消費需要の回復が成長経済への鍵になるとみているからです。

 しかし、その望みは、新型コロナウィルスによって、当分絶たれました。しかし、いつかは、それが回復し、経済成長も正常な状態に戻ることを期待しなければなりません。
 その日を目指して、当分続くと思われる、家計消費の異常(おそらく低迷)状態を、これからも、毎月確り観測し状況を分析していきたいと思います。

 前置きが長くなってしまいましたので、3日発表の消費動向調査と今日発表の家計調査から、関連する重要数字を拾っておきたいと思います。
 
消費動向調査の消費者態度指数は、「暮らし向き」、「収入の増え方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」の4項目について「良い」、「悪い」の5段階評価した回答の集計結果で、消費者の自分の家計についての意識調査です。集計・発表は早く毎月初めには前月の結果が出ます。
 マスコミでも取り上げたように、2月まではだらだら下がってきた消費者態度指数が3月はがっくり下がりました。
 前月比(季節調整値)1月マイナス0.2、2月マイナス0.5が3月マイナス7.4という落ち込みです。

 この落ち込みは当然、家計調査(2月分)の平均消費性向には未だ反映されていません。
 2月の家計調査を見てみますと、2人以上勤労者所帯の平均消費性向は67.4%(残りの32.6%は貯蓄)で前年同月の69.4%に比べて2.0ポイントの低下です。

 平均消費性向は、昨年10月の消費増税による消費の反動減から回復途上でしたが、今年1月の数字が、前月指摘しましたように異常に不振で、2月も何かそれを引きずったままといった感じです。

 3月の消費動向調査の落ち込みは来月発表の家計調査の「平均消費性向」に反映されることになるのでしょう。
これから、どんなことになっていくのか、上述のような視点から、確り見ていきたいと思っています。