tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

株価急落と実体経済

2018年12月21日 17時18分35秒 | 経済
株価急落と実体経済
 このところの日経平均の下落はかなりひどいようですね。
 10月初旬の2万4000円台に乗せたころから、何かアメリカの様子がおかしくなったのに追随するような形で、少し上げては大幅下げといった状況です。

 大幅赤字を垂れ流しながら、NYダウは史上最高を更新してきましたが、この所、トランプさんの神通力にも翳りが出たようで、10月3日の26828ドルから昨日は22859ドル15%の下落になっています。

 「アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく」と言われたのは昔の事ですが、投資銀行が投機銀行ななり、マネー資本主義の時代に入って、マネー市場でのNY市場の影響は一層大きくなったようで、日本の株価も、実体経済とはあまり関係なく「昨日のNYダウの下落を受けて」といった解説の通りにどんどん下がり、10月2日の24270円から今日の引けの20166円まで、17%ほどの下げになっています。

 世界中のお経済がいろいろな形の相互依存関係で複雑に絡み合い、一蓮托生のような様相になっているという面はありますが、現状を考えれば、高関税で守らなければならないアメリカ経済に比して、日本経済は、まだまだ健全のように思われますが、株価の下落率は日本の方がいくらかひどいという事になっています。

 そんな意味では、実体経済とマネー経済の動きには乖離があるというのも現実でしょう。よく、「株価は景気の先行指標」と言われますが、確かに株が下がれば、企業も個人の懐具合が悪くなるわけですから、経済活動は鈍化する可能性は高いでしょう。

 しかし、実体経済が頑張っているのに、マネー市場の思惑で株価を下げ、それが実体経済の活動を阻害するといった事になるのは、どうもまずいことだと言えるでしょう。
 トランプさんの支離滅裂のような経済政策で、アメリカの株が乱高下するのは勝手ですが、同じプレーヤが世界中の市場でマネーゲームをやって、その結果が実体経済の健全な活動を邪魔するようなこと(リーマンショックが典型)は出来れば避けたいものです。

 日本の実体経済が今後どう進むについては政府、日銀は強気の見方をしているようですが、(私も、今の日本経済は結構健全な動きをしていると思いますが)日経平均の下落は異常です。

 さて、実体経済を担当する人びとの勤勉な働きと、マネーゲーマーたちのカネでカネを儲ける思惑のどちらが、どのように推移して、どんな現実が待っているのか、ここは確り見ていく必要がるように思います。

 より多くの人とは、実体経済で生きていますから、実体経済が経済全体をリードすることを願っているのでしょう。さて、現実の行方はどうでしょうか?