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tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

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来年度(平成31年度)の「政府経済見通し」を見る

2018年12月18日 22時23分28秒 | 経済
来年度(平成31年度)の「政府経済見通し」を見る
 きょう、内閣府は「閣議了解」の段階での「平成31年度政府経済見通し」を発表しました。
 閣議決定の段階では、雇用者報酬など分配国民所得の内訳も出されると思いますが、大枠は閣議了解の段階で決まりですから、来年度の日本経済について、政府がどんな見方をしているか見てみたいと思います。

先ずは来年度の経済成長率ですが、名目で2.4%、実質で1.3%とどちらかというと控えめかなと思われるような数字です。
 名目と実質の差が1.1%ポイントありますから、これは経済全体の物価上昇つまりGDPデフレータが1.1%上昇という事で、説明によりますとその内0.4%ポイントが消費税増税の影響だという事です。

 1.3%のGDP成長を支えるのは民需が1.1%ポイント官公需が0.2%という事で海外需要は、輸出、輸入等がトントンですから、(海外向けに)輸出主導の成長ではないと言っていることになります。

 ただGDPには入らない海外からの配当・利子などの収入(第1次所得収支)が多いため、それを含む「国民総所得」は名目2.5%、実質1.6%の成長になっていますから、これは相変わらず、経常収支の大幅黒字という事で、経常収支万年赤字のアメリカなどからは問題にされそうです。

 内需の中心は、何と言っても「民間最終消費支出」ですが、これは名目2.2%、実質1.2%の伸びとなっていまして、今年度の実績見込みの名目1.1%、実質0.7%をかなり上回ることになっています。
 軽減税率で駆け込み需要と増税後の一込みを徹底的に防いだとすれば、来年度は消費者の態度が積極的にならなければならないわけで、そうなれば結構ですがという所です。

 また、今年落ち込んだ住宅投資も回復、設備投資も今年度より伸びは落ちても堅調を維持といった見通しです。

就業者や雇用者の伸びは今年度の半分程度の0.7%、0.9%の伸びですが、堅調予測で、外国人労働力を入れなければという見方につながる所でしょう。

 消費者物価上昇率は今年度は1.0%の上昇で、来年度は1.1%とあまり変わりません。消費税増税の影響は、ごく軽微という見方です。最近の加工食品などの値上げの頻発を見ていいますと、ちょっと信じられないという思いもありそうです。
 企業物価は2%上がる見込みですから、企業物価の値上がりが消費者物価に波及してこないという見通しで、流通段階で利益を減らして吸収するという見通しでしょうか。

 色々と検討し、積み上げた結果でしょうが、総じて、消費税増税の影響はあまりない、経済構造には、消費が些か活況になりそう、しかし大きな変化はないといった見通しのように思われます。
 為替レートは$1=¥113.4と見通されていますが、トランプ・ショックなどが無いように願いたいものです。