tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2:政治は荒れ模様、経済は片肺飛行、さて来年は?

2018年12月31日 22時11分03秒 | 政治経済
2:政治は荒れ模様、経済は片肺飛行、さて来年は?
 選挙公約に義理堅いトランプさんの行動は世界中に波乱を巻き起こしています。お蔭様で国際関係は先が読みにくくなり、ますます不安定化しそうで心配ですし、それがアメリカ経済にも世界経済にも影を落とす可能性が大きくなっています。

 さて、戦後最長の好況持続を目前にした日本経済ですが、12月に発表した政府経済見通しのようにいくのでしょうか。年末の株価暴落は何かの前兆でしょうか?

 政治の面では、今年に入って特徴的なのは安倍政権の強引さが目立ってきたことです。モリ・カケの強引な幕引き、行き過ぎた春闘介入、働き方改革は強行採決、さらにカジノ、外国人労働力受け入れと数を頼んだ強行採決が日常となってきています。

 一方に日米間の交渉事では、FTAをTGAと言い張って見たり、総理からは聞けないことがアメリカ側から次々と(戦闘機購入など)入ってきたり、女性閣僚が一人でも、3人分働いてもらえばいい(3人いるのと同じ?)と言ったり、最近では、バブル絶頂期の賃上げ率5%を経団連の会合で引き合いに出したり・・・、といった状態です。

 消費税増税では、本来、社会保障の充実、財政再建を目標とすべきところ、軽減税率で選挙の得票に重点を置き換え(?)たり、北方4島が還って来るとは国民も思っていないだろうと発言したり、突如としてIWCから脱退したり、国民に何も知らせないままに政治が動いていくのが当たり前になりつつあります。(これらは総てその都度、取り上げています)

 まさか、最後の3年だから勝手にやらせてくれというのではないでしょうが、真摯に丁寧に説明するという常套句は何処へ行ったのでしょう。

 こうした政治の多様な問題を孕みつつも、勤勉な国民の性格、企業労使の努力によって、日本経済は何とか低空飛行ながら安定した状態を保ってきました。
 国家財政は世界での最悪の部類ですが、アメリカ(リーマンショック)のように破綻しても、外国に迷惑をかけるようなことはありません。

 そして実体経済は弱いながらもなんとか自力の成長を続けています。ただ、問題は経済成長の中身が、投資中心で消費が委縮し、いわば投資中心の片肺飛行になっていることでしょう。

 バランスの取れた健全な成長路線に乗せるためには、消費の活発化が必要ですが、これは政府の勝手な思い込みから、なかなか実現に至りません。
 具体的に言えば、「将来不安が家計の財布のひもを固くしている」という事でしょう。

 政府の役割は、国民の将来不安の解消ですが、政府のやっているのは企業に賃上げをしろという毎年の春闘介入ばかりです。
 消費税増税による消費の落ち込みには異常に気を使う政府ですが、国民の将来不安に対しては、逆に、財政再建の約束を反故にする、年金支給を遅らせるなど、将来不安を煽るようなことばかりです。

 政府の巨大な借金に、金利の面でお役に立とうというのでしょうか、日本銀行はゼロ金利をいつまでも続け、金融機関は消耗し、国民は貯蓄が金利を生まない不胎化政策に泣いています。
 
 それでも国民の勤勉さに支えられて、何とか前進してきている日本経済ですが、アメリカ発の世界経済、日本経済へのマイナスの影響などが心配され、今回もまたアメリカ発か!といった事になる可能性も無きにしも非ずです。

 投資片肺飛行経済ではどうしても外国の需要頼み、輸出頼みになり、アメリカからの風当たりは強くなるでしょう。
 新年からでも、是非、国民の将来不安の払拭するような、国民が本気で頑張る目標を持てるような政策を、「国民の意見をよく聞いた上で」強行採決してください。多分その時は強行採決は必要なく全会一致になるでしょう。
 来年も主要な問題は、安倍政権の政治姿勢にあるようです。