tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

トランプ効果、円安、株高、さて賃金問題は?

2016年11月16日 16時50分52秒 | 経済
トランプ効果、円安、株高、さて賃金問題は?
 先週から今週にかけてマネーマーケットは大賑わいです。 アメリカ国内の反トランプデモも次第に収まるのでしょうが、市場は「偉大なるアメリカ」を先取りして、ドルは独歩高の気配、NYダウは連日史上最高値更新の様相です。

 お蔭様で日本企業にも、日本経済にも好影響があるという事でしょう。さしあたって何はともあれ、円安とNYダウの上昇とあれば日経平均も連日の上げ、明日のトランプ・ 安倍会談の結果ではどうなるのでしょうか。

 安倍さんも、会談が上手く行かなかったとは言えないでしょうし、初対面ではお互い尊重しあうでしょうから、その後の展開がどうなるか、歓迎と不安の交錯するところです。

 現実に決まっているのは、来年1月トランプさんがアメリカの大統領になるという事だけで、どんな政策が展開され、アメリカ経済が如何なる方向に進み、日本経済がいかなる影響を受けるか、未だ中身は何にもわからないというのが本当の所でしょう。

 すべては想像ベースの予測、それに発する思惑というのが、現在の状態です。常識的に考えればあまりはしゃぎ過ぎない方がいいという事のように感じてしまします。

 確かに円安は日本経済にとって大きなメリットですが、それもマネーマーケットの思惑の中での話で、トランプさんの今迄の発言の中には、日本にとって厳しいものも沢山ありました。

 安倍さんが会談から帰ってきて何を言われるかわかりませんが、一番気になるのは、すでに言い出しているように、来年も積極的な賃上げが望ましいといった、従来路線の一層の強調です。

 消費支出の不足が、日本経済の成長力のブレーキになっているのはその通りですが、今迄のアベノミクス路線のように、「消費喚起には賃上げしかない」といった思い込みがさらに強くなって行くようなことになると、結果は望むところと反対になる可能性も出て来そうです。

 マネーマーケットは別として、実体経済を見る目は、是非冷静であって欲しいと、余計なことかもしれませんが、今のうちに要望しておきたいと思ったりしています。