tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

この節、日本には柔軟な思考が大切

2016年11月23日 11時46分00秒 | 政治
この節、日本には柔軟な思考が大切
 円高が続き、日経平均も連日上昇で喜んでいる人たちもおられる状況ですが、このまま、世界経済も日本経済も順調に上昇を続けると考えるのはどうでしょうか。世の中いろいろ罠があり、そううまく行かないと考えておいた方が・・、といった気もします。

 というのも、安倍政権が無理してでも採決を強行しようとしたTPPが、アメリカでは全く否定されるといったことが現実になりつつあります。
 それだけではありません、ロシアとの領土問題の解決前進を目指しても、先日まで多少交渉余地を感じさせたロシアは、首脳会談が始まる段階にきて国後、択捉の海軍基地化、ミサイル配備方針を打ち出しています。

 国内で、衆参両院で過半数を取り、何でもできる体制ができたといっても、日本にとっての大きな問題はほとんどが外国との、それも世界の超大国との関係で決まってくるものでしょう。国内での過半数の意味は限られてきます。

 安倍さんの得意な言葉、「この道しかない」は国際場面ではなかなか通用しないのではないでしょうか。
 ならば国内でも、過半数や絶対多数を振りかざすことなく、日本として何が最も望ましいかを与野党協力して真剣に模索するといった柔軟な思考回路が必要になってくるように思われます。

 日本国内の与野党の立場の違いなどは、同じ国内でほとんどの利害を共にする日本人同士の問題ですから、アメリカやロシア、中国などとの意見の相違などとは比較にならない程度の問題でしょう。よく話し合えば一致点は見つかるはずです。

 今アメリカは、コスト負担に耐えかねて国の在り方を変えようとしています。ロシアや中国は民主制が徹底していませんから、国民の我慢を前提に中央権力に資金を集中し、版図の拡大や資源の獲得に狂奔しているようです。
 しかしその構図はいつまでも続かいないでしょう。国内社会や国民意識が進化すれば、いつかは財政破綻が必至と思われます。

 それに対して日本は、限られた日本列島の中でも、技術開発と生産性向上さえあれば、いくらでも豊かな国にもなれるという実績と信念を持っている国です。
 日本の政権が目指すべき最低限の仕事は、そのための安定した国際環境を維持することでしょう。
 国際環境が多様に変化する昨今、現政権には益々の柔軟性が要請されているようです。