物価超安定の時代: 物価上昇の原因は?
なぜ物価が上がらないかを考えるために、まず、物価がなぜ上がるのかを考えてみましょう。色々な物価上昇の原因を並べて、そうした原因が無ければ、物価上昇が起こらないということになるでしょう。
さらに物価が下がる原因を考えてみて、その原因があるかどうかを見ることで、多分そこにもヒントもあるでしょう。
先ず物価上昇の原因を、従来の経験から列挙してみましょう。
① 物の供給より貨幣(おカネ)の供給が多ければインフレになる。つまり伝統的な貨幣数量説です。今、世界中でお金がジャブジャブです。しかし物価が上がりません。
② 資源などの輸入価格が上がるから物価が上がる。これはいわゆる「輸入インフレ」です。典型的には原油相場でしょう。これは確かに物価上昇の原因でした。そして今は下がって安定のようですから、今は低インフレの原因の1つになり得ます。
③ 自国の通貨価値が下がる。日本でいえば円安。今、インドネシアやブラジルで起きています。原油価格の上昇などは世界共通ですが、これはその国だけの問題です。
④ 賃金が経済成長率(正確には生産性)より早く上がる。賃金コストプッシュインフレ(ホームメイドインフレ)。かつて多くの先進国が悩み、今、急成長する途上国に多く見られます。
どうでしょうか、主なインフレの原因はこんな所ではないでしょうか。
① 異次元金融緩和でも物価は上がらず、上がるのは株などの投機商品、日本のバブルの時もそうでした。貨幣数量説は今の先進国には当てはまらないようです。
② 原油(資源)価格の高騰・下落は確かに各国の物価に影響します。しかし高騰もあれば下落もあるので、中長期に均せばどうでしょう。長期的な物価の安定(低インフレ)の原因とは言いにくいようです。
③ 日本でも円安で一部の物価が上がっています。しかし、円安がいつまでも続くわけではありません。また、通貨が下落する国があれば、必ず相対的に上昇する国もあるわけです。世界中物価が同じように低迷するわけではありません。
④ かつて世界中で見られた「賃金・物価のスパイラル」です。今、日本も含めて、世界中で(特に先進国では)、かつてのように賃上げ要求は強くありません。労働組合活動は低迷期でしょうか。これは持続的な低インフレの原因になり得ます。
さてここまで見て来ましたが、中・長期の低インフレにマッチするのは ④ くらいです。ではなぜ労働組合は大幅賃上げを要求しないのでしょうか。そして。これだけで今の低インフレを説明できるのでしょうか。次回もう少し考えてみましょう。
なぜ物価が上がらないかを考えるために、まず、物価がなぜ上がるのかを考えてみましょう。色々な物価上昇の原因を並べて、そうした原因が無ければ、物価上昇が起こらないということになるでしょう。
さらに物価が下がる原因を考えてみて、その原因があるかどうかを見ることで、多分そこにもヒントもあるでしょう。
先ず物価上昇の原因を、従来の経験から列挙してみましょう。
① 物の供給より貨幣(おカネ)の供給が多ければインフレになる。つまり伝統的な貨幣数量説です。今、世界中でお金がジャブジャブです。しかし物価が上がりません。
② 資源などの輸入価格が上がるから物価が上がる。これはいわゆる「輸入インフレ」です。典型的には原油相場でしょう。これは確かに物価上昇の原因でした。そして今は下がって安定のようですから、今は低インフレの原因の1つになり得ます。
③ 自国の通貨価値が下がる。日本でいえば円安。今、インドネシアやブラジルで起きています。原油価格の上昇などは世界共通ですが、これはその国だけの問題です。
④ 賃金が経済成長率(正確には生産性)より早く上がる。賃金コストプッシュインフレ(ホームメイドインフレ)。かつて多くの先進国が悩み、今、急成長する途上国に多く見られます。
どうでしょうか、主なインフレの原因はこんな所ではないでしょうか。
① 異次元金融緩和でも物価は上がらず、上がるのは株などの投機商品、日本のバブルの時もそうでした。貨幣数量説は今の先進国には当てはまらないようです。
② 原油(資源)価格の高騰・下落は確かに各国の物価に影響します。しかし高騰もあれば下落もあるので、中長期に均せばどうでしょう。長期的な物価の安定(低インフレ)の原因とは言いにくいようです。
③ 日本でも円安で一部の物価が上がっています。しかし、円安がいつまでも続くわけではありません。また、通貨が下落する国があれば、必ず相対的に上昇する国もあるわけです。世界中物価が同じように低迷するわけではありません。
④ かつて世界中で見られた「賃金・物価のスパイラル」です。今、日本も含めて、世界中で(特に先進国では)、かつてのように賃上げ要求は強くありません。労働組合活動は低迷期でしょうか。これは持続的な低インフレの原因になり得ます。
さてここまで見て来ましたが、中・長期の低インフレにマッチするのは ④ くらいです。ではなぜ労働組合は大幅賃上げを要求しないのでしょうか。そして。これだけで今の低インフレを説明できるのでしょうか。次回もう少し考えてみましょう。