司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

法務大臣閣議後記者会見の概要「児童虐待防止に向けた取組に関する質疑について」

2019-03-11 21:04:33 | 民法改正
法務大臣閣議後記者会見の概要(平成31年3月5日(火))
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_01105.html

○ 児童虐待防止に向けた取組に関する質疑について
【記者】
 昨日,自民党の「虐待等に関する特命委員会」が大臣に提言書を提出したところですが,改めて検討状況をお聞かせください。

【大臣】
 特命委員会でも網羅的に検討されて,省庁の垣根を越えて検討すべき課題についてしっかりと提言を頂いたものと考えています。もとより昨年7月に取りまとめられた「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」を踏まえつつ,しっかりと取り組むことを2月の閣僚会議でも確認したところですが,頂いた提言をしっかりと受け止めて,検討すべきは検討していきたいと思いますし,関係省庁との連携もしっかりと行っていくべき課題だと思います。いずれにしても,しつけや懲戒権の名の下に虐待が許されるということはあってはならないということをしっかりと国会の質疑でも発信していきたいと思っています。

【記者】
 児童虐待防止法の改正法の施行後,懲戒権について一定の期間を設けて検討するとの報道がありますが,スケジュール感についてお聞かせください。

【大臣】
 児童虐待防止法がどのような改正内容になるのかということについては,今後の与党,あるいは国会の御議論を待ちたいと思っています。懲戒権に関しては,平成23年の民法改正の経緯で「子どものために行う」という趣旨を明確にする改正があったということで,懲戒権を理由に児童虐待を行っていいということは絶対にあり得ないということは規定上も明らかであると考えていますが,それを児童虐待の口実にするという現在の状況があることに対してどういうことが可能なのかということは,しっかりと検討していかなければならないと考えています。民法の改正ということになると法制審議会にお諮りする必要があると考えており,どのような手続で進めるのかや,あるいは民法の規定を変えるべきなのかということも含めて,しっかりと検討していきたいと思っています。
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「負動産時代」

2019-03-11 20:32:18 | 不動産登記法その他
朝日新聞編集部編「負動産時代」(朝日新書)
https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20745

 朝日新聞の連載記事「負動産時代」の書籍化。お薦め。

cf. シリーズ「負動産時代」
https://www.asahi.com/topics/word/%E8%B2%A0%E5%8B%95%E7%94%A3%E6%99%82%E4%BB%A3.html
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商業登記法の改正(印鑑届の義務付け廃止)は,秋の臨時国会に?

2019-03-11 14:44:34 | 会社法(改正商法等)
HUFFPOST
https://www.huffingtonpost.jp/entry/inkan-houan_jp_5c820420e4b0ed0a0011d900

「2019年中の国会審議を目標にしていた会社登記の「印鑑レス化」が、6月26日まで開かれている通常国会に提出されない見通しであることが分かった・・・法務省によると、商業登記法の改正については継続して検討中ではあるため、夏の参院選以降の臨時国会で審議できるよう調整を進めるという。」(上掲記事)

 全日本印章業協会の要望(反対意見)は,下記に。

cf. 平成30年2月21日付け「日本人は,サインの代わりに契約書にハンコを押すのだ。メールでは困る。」


 ところで,「デジタル手続法案」の正式名称は,

「情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案(仮称)」

であるらしい(長いな~。)。近々(3月中旬),閣議決定され,国会に上程される方向である。

【概要】
 情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るため、情報通信技術を活用した行政の推進に関する基本原則及び行政手続等を原則として情報通信技術を利用する方法により行うこととするための共通する事項等を定めるとともに、住民票及び戸籍の附票の記載等に係る本人確認情報の保存及び提供の範囲の拡大、電子証明書及び個人番号カードの利用者への国外転出者の追加、個人番号利用事務への罹災証明書の交付に関する事務等の追加等の措置を講ずる。

cf. デジタル手続法案の概要
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/bukai/20190305/agenda.html

南部義典氏のブログ
http://nambu2116.officialblog.jp/archives/52063423.html
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「相続預金に対する滞納処分上の諸問題 ―最高裁の判例変更等を踏まえて―」

2019-03-11 12:20:29 | 民法改正
税務大学校論叢
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/94/04/index.htm

 長谷川長「相続預金に対する滞納処分上の諸問題―最高裁の判例変更等を踏まえて―」が掲載されている。

「相続預金の準共有持分の差押えは可能であるが、共同相続人のうちの一部の準共有持分を取立てしようとする場合には他の共同相続人の同意を求めなければならない。同意を得られない場合は、租税債権の早期徴収を図る観点から、取立権に基づき共有物分割訴訟を提起することが最も適切な手段であると考えられる。」(「まとめ」から)

 相続法改正前の論文であるが,非常に参考になると思われる。
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「民法改正が法人税の取扱いに与える影響について」

2019-03-11 12:10:41 | 民法改正
税務大学校論叢
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/93/02/index.htm

 三上純平「民法改正が法人税の取扱いに与える影響について」が掲載されている。

 債権法の改正のうち,消滅時効に関する改正が法人税の取扱いに与える影響について検討されている。

「時効の援用は、債務者の意思表示によりその効果が生じ、債権者の自由な意思が介在するものではないため、時効の援用による債権の消滅については、基本的には債権者から債務者への「贈与」又は「無償の供与」があったとは認められず、寄附金に該当しないと考えられる。しかし、時効の援用の前提である時効の完成については、債権者が意図的に成立させることができる点に留意する必要がある。また、債権者が贈与する意思を有していない場合であっても、経済的な効果から贈与があったと認められる場合もある。」(上掲「時効により消滅した債権に係る寄附金該当性の検討」)
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「株式を利用したインセンティブ報酬の収入計上時期に関する一考察」

2019-03-11 12:04:05 | 会社法(改正商法等)
税務大学校論叢
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/92/01/index.htm

 畑山茂樹「株式を利用したインセンティブ報酬の収入計上時期に関する一考察」が掲載されている。

「インセンティブ報酬においては、事前に交付される権利や株式にも経済的価値があると認められるため、(1)権利等の交付時、(2)目標の達成時、(3)権利の行使時又は(4)譲渡制限の解除時などのいずれの時点で課税すべきかが問題となる。

 我が国では、一定の要件の下で、いわゆる税制適格ストック・オプションの権利行使益の課税を繰り延べる特例(措法29条の2)のほか、新株予約権等を利用したストック・オプションの権利行使時課税(所令84条2項)及び譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)の譲渡制限解除時課税(同条1項)について規定しているが、これら以外のインセンティブ報酬について個別の規定は設けられていない。

 個別規定のないインセンティブ報酬の収入計上時期については、いわゆる権利確定主義を採用したと解されている所法36条の解釈に基づいて判断することとなるが、過去の裁判例においては、インセンティブ報酬の収入計上時期の判断において権利確定主義がどのように適用されているのか、又は適用されていないのかが必ずしも明らかではない。

 そこで、株式を利用したインセンティブ報酬の課税に関する裁判例を分析することにより、個別規定が置かれていないインセンティブ報酬を含む収入計上時期の一般的な考え方について考察する。」(「問題の所在」から)
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『「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-』の改訂

2019-03-11 11:52:56 | 会社法(改正商法等)
『「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-』を改訂しました by 経済産業省
http://www.meti.go.jp/press/2018/03/20190308001/20190308001.html


「株式報酬、業績連動報酬に関するQ&Aについて、お問合せが多かった項目を中心にQ&Aを改訂しました。改訂点は主に以下の3点です。

・役員報酬向けの株式交付信託に関する税務上の取扱いについて(Q16等)

・事前確定届出給与である株式報酬に相当する金銭報酬(ファントムストック)を非居住者役員に交付する場合の取扱いについて(Q18)

・役員の病気や不祥事により業績連動給与の一部を支給しない場合の損金算入の取扱いについて(Q73)」
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遺言で争いを生まないための方法は

2019-03-11 11:29:55 | 民法改正
週刊朝日記事
https://dot.asahi.com/wa/2019030800013.html?page=1

 改正相続法では,いわゆる相続させる遺言があっても対抗要件主義(民法第899条の2第1項)となる。

 偏頗的な内容は,とかく争いの元。公正証書にせよ,自筆証書にせよ,遺留分に配慮した内容を検討すべきであろう。

 専門家が関与する場合も,遺言者に対して,十分な説明が必要である。
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