債権譲渡登記の申請に際し,譲受人が組合である場合の登記実務の取扱いについて,法務省HPで,次のとおり解説されている。テクニカルな手法であるが,法人格がない「組合」は,登記名義人となることはできないので,致し方なしか。
LLP(有限責任事業組合)と不動産登記の取扱いの手法が想起される。
cf.
平成17年7月28日付「LLPと不動産登記(通達)」
Q5 投資事業有限責任組合の組合財産として債権を譲り受けたので,その債権譲渡について債権譲渡登記を申請しようと考えていますが,その場合の申請書への記載及び申請磁気ディスクに記録すべき申請人たる譲受人の表示は,どのようにすればよいのですか。
投資事業有限責任組合契約に関する法律第2条第2項に規定する投資事業有限責任組合は,法人格を有せず,私法上の権利義務の主体となることはありませんので,当該組合が登記名義人となることはできません。したがって,譲受人としての表示については,当該債権の共有者たる組合員全員を表示するか,組合員からの受託者としての地位において一部の業務執行者の名義によって,債権譲渡登記を申請することになります。
ただし,債権譲渡登記においては,債権譲渡登記申請に当たって提出する申請データとして作成する「登記共通事項ファイル(COMMON.xml)」中の「備考」欄(「債権個別事項ファイル(CREDIT.xml)」中の「備考」欄ではないので,注意してください。)に,譲渡に係る債権を特定するために有益な事項を記録することができ,当該事項は債権譲渡登記ファイルに記録され,登記事項証明書及び登記事項概要証明書にも記載されます。そこで,この有益事項として,例えば,「本件債権は,譲受人△△及び□□が組合員である○○投資事業有限責任組合(事務所:東京都千代田区丸の内○丁目○番○号)の組合財産として譲り受けた共有債権である。」,あるいは,「譲受人△△は○○投資事業有限責任組合(事務所:東京都千代田区丸の内○丁目○番○号)の無限責任組合員であり,同組合が組合財産として譲り受けた債権につき,組合員からの受託により同譲受人の名義で登記するものである。」等と記録して,債権譲渡登記を申請することが可能です。
cf. 債権譲渡登記制度について「Q&A」
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00047.html#05
債権譲渡登記の申請に際し,譲受人が組合である場合の登記実務の取扱いについても,同様である。
cf. 動産譲渡登記制度について「Q&A」Q8
http://www.moj.go.jp/MINJI/DOUSANTOUKI/dousan_qa.html#08