Altered Notes

Something New.

「無知は罪」 坂本龍一氏・吉永小百合氏のお花畑

2022-03-30 13:22:31 | 人物
2022年3月26日に東京で開催された、東日本大震災復興支援の為に創立された「東北ユースオーケストラ」演奏会に於いて、創立者の坂本龍一氏とゲストの女優・吉永小百合氏はロシアのウクライナ侵攻について言及し、反戦の思いを訴えた。

坂本氏は「鎮魂の音楽ですけども、聴くと3.11とともに、どうしてもウクライナのことを思い浮かべちゃう。もちろん、自然災害と戦争とは違うものだけれど、鎮魂という意味では共通しているところがある」と述べた。続けて「失ったものに対する懐かしさ、残念な気持ち、郷愁、鎮魂は音楽を作る人間の心の根っこにある気が、ずっとしている」とも語った。この辺は芸術家・音楽家としての感性をベースにした意見であり普遍妥当性のある言葉と言えよう。

吉永小百合氏は詩の朗読をした後の舞台上で「本当に争い、なくなると良いですね」と語っている。さらに公演後の取材では「亡くなった方が、たくさんいる。何としてでも、やめさせなければいけない。黙っていられない。あまりに悲しいし、つらすぎます。ウクライナの人に日本に来て心を休めてと言いたい」と述べた。続けて「日本は11年に大変なことがあって世界中の人が頑張ってと言ってくれた。きちんと思いを込めて出来ることをやっていくことが大事」と語っている。これもまた人間としてもっともな感情・気持ちを吐露した言葉として受け止められよう。

だが、最後に坂本氏と吉永氏は

「ロシアの1人の人の圧力による侵略に、みんなで絶対にダメだと言って、あらがえば良い状況になる」

と語って、これを世界へのメッセージとしている。


筆者も昔は彼らと同じ左派系の考えを持っていたので、当時の自分なら何らの疑念もなく同意し納得していたであろう。だが、これは違うのだ。実は彼らが訴求したメッセージは完全に的外れなのである。

どういうことか?

坂本氏などいわゆる左派系の人に共通しているのは「無知」である。真実を知らない。実態を知らない。知識も情報も持っていない。そうした無知の平野に根拠も無く自らの思い入れだけで綺麗なお花畑を作って陶酔しているだけ・・・なのだ。申し訳ないがこれが実態である。(*1)

共産主義・社会主義系の独裁国家はおしなべて残虐であり、トップたる独裁者の欲望を満たす為なら侵略先の国民などどうなっても構わない、という姿勢である。だからいわゆるジェノサイド(民族虐殺)が普通に起きるのである。そのような強大な権力者に対してみんなが「駄目」と言って状況が改善されるくらいならチベットもウィグルも侵略されなかっただろうし、北方領土はとっくの昔に返還されていただろうし世界は平和になっていただろう。

そもそもロシアという国は極めて凶悪な国家の一つであり、日本に対して数々の約束を反故にして千島列島や樺太などを奪い取っている。完全にルール違反の凶行である。しかも放っておいたら北海道の半分も取られていたかもしれないのだ。これは知らない人が多いだろうが、当時、既に終戦宣言が出た後でソ連(ロシア)軍が攻撃してきたのを日本軍が必死に戦って食い止めたのである。それで今の北海道があるのだ。教科書には載っていないが厳然たる事実である。また、終戦後に多くの日本人がシベリアへ送られて零下30度の環境で強制労働させられて数万人の日本人を死に追いやったのもロシアであり、ロシアの戦争犯罪に該当する蛮行である。しかもこれは現在に至るまで全く裁かれていない。それほど己の欲望の為ならいくらでも残虐になれる国なのだ。そして現在、独立国家たるウクライナを武力で侵略している。この侵略のおかげでロシアは国際社会から経済制裁を喰らっているのだが、後先を全く考えないプーチンの暴走はあたかも彼の頭と心にとんでもない障害が発生しているかのような様相を呈している。みんなが「駄目」と言ったところで権力者の飽くなき欲望には微塵の変化も与えられないのだ。(*2)

話を戻す。

世界・国際社会というものの実態をきちんと知れば知るほど坂本氏らの訴求内容にあまり意味がなく無価値であることが自ずと理解できてくるのだ。ウクライナ侵略について、坂本氏はプーチン大統領個人の欲望に根ざした蛮行に対して世界中の皆が声を合わせて「駄目」を突きつければ事態は変わるだろうと思いこんでいる。しかし現在、国際社会の多くの国がロシアに対して「駄目」を突きつけているのにも関わらず、自体は悪化の一途をたどっている。「駄目」の声はそもそもプーチン大統領には全く伝わっていない。(*3) ロシア国内でも反戦姿勢を明らかにするグループもあるが、全て武力で抑え込まれている。また、「戦争は駄目」という言葉がプーチンに伝わったところで、大きすぎる権力を持ってしまうとそのような声は聞こえなくなり気にもとめなくなるのが権力者の性(さが)というものである。中国にしろロシアにしろ大きな国土を持つ独裁国家のトップというのはその権力の巨大さ故に己が全能の神のように思えてしまうのだろうか。浮世離れという言葉では括れないほどあっちの世界に行ってしまっているのである。(*4)

現代の国際社会は経済を中心に様々な分野で国家間の横の繋がりが構築されている。経済・貿易分野などは相互に依存する部分が大きい。もしもその中の一国が(今回のロシアのように)身勝手な行動を起こせばバランスが壊されて関係する各国に芳しくない影響が及ぶことになる。ロシアだってそのシステムを構成する国家の一つである。しかしプーチン大統領はそうした国際社会への影響などは一切考えずに最高権力者(独裁者)たる己の欲望を満たす事だけを優先した。ウクライナに対して「ネオナチがどうのこうの」「生物兵器がどうのこうの」と言いがかりをつけてはいたが、現在の交渉内容から見るに「非ナチ化」の要求だとか「バイオラボの生物兵器」といった話も完全に消えているのだ。すなわちそれらはロシアにとって「侵略の口実に過ぎなかった」ことを如実に表している。要するにウクライナを侵略する為に捏造した言いがかり、ということだ。こうしたやり口がヤクザ・チンピラと同じ次元のものであることは明らかであり、そのままプーチン大統領という人格とロシアという国の正体と程度を知る上で重要なファクトと言えよう。

また、こうした他国への侵略行為で国土を略奪しようとする動きを見せるのはいつも社会主義・共産主義の国家である。
(*5) 民主主義国同士で今回のような侵略戦争が勃発することはほぼ無い。ロシアは1991年のソ連(ソビエト連邦)崩壊の後で民主化した筈だが、プーチン大統領という独裁者(*6) がソ連時代に引き戻してしまった、というのが多くのロシア・ウォッチャーの見方である。

誰だって戦争は嫌である。だがしかし、坂本氏のように「みんなでダメと言う」のもあまりに幼い発想であり、ジョン・レノンが「イマジン」で訴求したような理想郷を夢見るのも原点としては必要だが、では実際にどうしたらよいか、という方法を考えるにあたっては方法も手段も一切提示していないところが「お花畑」「ドリーマー(夢見る人)」と言われる所以なのである。(*7)

それではどうしたら良いのか?

戦争学という学問がある。古今東西、歴史上全ての戦争を調査・分析した結果として5つのアクションを行えば戦争発生の可能性を最も減らすことが出来る事を数量的に証明したものだ。詳しくは下記の記事を参照されたい。

「戦争を起こさせない為の確度の高い5つの方法」

現在、話題に上っている「核シェアリング」の概念も上記の「5つの方法」に含有されるものである。「核」を使いたいからではなく、「核」を絶対に使わせないようにする為の方策である。よく考えてみてほしい。日本の隣には「核」を持つ3つの国(中国・北朝鮮・ロシア)が存在する。そしてその全部が反日であり、隙あらば日本を侵略する意思を持っている国なのである。『ウクライナはソ連時代に蓄積していた多くの「核」を放棄して無防備になったことでロシアに侵略された』…この厳然たる事実を我々は重く認識すべきであり、具体的な対策を考えるなら正に「今でしょ!」な状況に置かれているのである。


改めて記すが、坂本龍一氏や吉永小百合氏が訴求したメッセージはまるで筋違いの的外れである。理想を夢見るのは勝手だが、間違った理想を広めるのはかえって日本を危険な状態に晒すことになり逆効果であることを知っていただきたい。そのことに一日も早く気づかれるよう切に願うものである。無知は罪なのだ、本当に。





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(*1)
この手の勘違いでは定評のある爆笑問題・太田光氏だが、今回のウクライナ侵略戦争においても太田氏はロシア側に肩入れする姿勢を見せている。彼曰く「プーチンにもプーチンの正義がある」のだそうだ。彼は日本が侵略されて家族・肉親が惨殺されても同じ台詞が言えるのだろうか? 太田氏が愚かだと断定できるのは、まずロシアの蛮行を否定しないからである。プーチンの正義が何であろうと武力で独立国家を侵略していい理由にはならない。無力な一般市民を虐殺していい理由にはならない。そもそも理由の如何を問わずロシアのウクライナ侵略は国際法違反なのである。国際紛争解決の為の武力行使を禁ずる国連憲章2条違反であることは厳然たる事実なのだ。太田氏は無知故にこうしたそもそもの基本を知らない。基本が間違っているからその上に構築する言論も全てが間違いないのだ。太田氏も愚かだが、彼を積極的に出演させるTBS(*1a)という極左の情報工作機関にとっては最も都合の良いタレントということになるのだろう。

(*1a)
TBS(東京放送)は報道機関ではない。明らかに左派・左翼勢力に加担する姿勢を顕にしている放送局だ。だから親中であり親露なのだ。その有様はもはや極左勢力の情報工作機関と呼ぶ方がぴったりくるほどである。

(*2)
柔道家でもあるプーチン大統領だが、彼の振る舞いは柔道の精神とは正反対と言えよう。柔道とは「柔の道」であり非常に深い精神性が伴うものだが、プーチンにとっては単なる(相手を倒す事が目的の)格闘技でしかなかった事がこれでよく分かる。柔道を修める資格が全く無い人物だった、ということだ。

(*3)
プーチン大統領が強烈な独裁者であるが故に彼のもとには「プーチンにとって都合の良い(心地良い)情報」しか上がってこないのが実情と考えられる。もしもプーチン大統領が機嫌を悪くしてしまうような情報を上げてしまったら、その部下はどんな仕打ちを受けるか判らない(命の保証すらない)からである。独裁国家というのはこういうものなのだ。

(*4)
この手の狂人を相手に「憲法9条」を振りかざしたところで何の意味があるのか、左派系の皆さんは真摯に考えた方がよろしい、本当に。

(*5)
民族の大量虐殺が起きるのもほとんど共産主義政権下である。

(*6)
プーチン大統領は旧ソ連のKGB(国家保安委員会)出身である。KGBが裏の世界で暗躍した組織であり、当然殺人も普通に行われていた。KGB出身ということはほぼ間違いなく殺人も経験している、ということだ。恐ろしいことに世界各国のトップリーダーの中でも人を殺した経験のある唯一の人物・・・それがプーチン大統領ということだ。

(*7)
実際に「イマジン」では「You may say I'm a dreamer(僕のことを夢想家だと言うかもしれないね)」という歌詞が出てくる。理想をイマジン(想像)するのは確かに大事なことだ。だが、今必要なのは「その理想の尊さをいかに大国の権力者に認識・理解させるか」だろう。プーチン大統領や習近平主席など共産圏の独裁者にはそもそも聞く耳などない。みんなが「駄目」と言ったところで馬耳東風である。そこをどうするの?…という話をしているのでありここが肝なのである。







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