Altered Notes

Something New.

エスカレーターの「片側空け問題」を解決する方法

2019-07-26 11:17:55 | 社会・政治
2列乗り式エスカレーターを左右どちらか一列だけ立って「他方を歩く人用に空けておく」といういわゆる「エスカレーターの片側空け慣習」の問題が社会に於いて顕在化してからもう長い年月が経過している。関東なら右列を空け、関西なら左列を空けるのが現地に深く根付いた慣習となっている。

この問題を理論的(社会学的見地・ハードウェア的見地、等々)に説明して片側空けがよろしくない旨を世間に訴求する動きもあるが、しかし現実にはエスカレーターの片側空けは全く無くならず社会に於ける変化は見られない。

どうしてだろうか。

それはその時にエスカレーターを利用する人全員がその理論を知っていて理解している訳ではないからであり、理論を知らない人は相変わらず「片側を空ける事を当然の事とする欲求を持つ」からである。その時にエスカレーターを利用する人全員が同じ意識を持ち左右両側の列を等しく使う事を当たり前と考えるコンセンサスができていないから混乱が生じる可能性があるのだ。

人間、混乱から生じる面倒な事態は避けたい。面倒は嫌いである。だから相変わらず片側だけに立ちの列を作り、他方の列を空けておくことになる。事程左様に社会に根付いた慣習を変えることは困難なのである。

ならば、どうしたら良いのか?

自分一人の判断で慣習を打破できないのなら、他者からそれを指示してもらおう。

どういうことか?

日本中の左右2列式エスカレーターの全部に専門の係員を貼り付けてエスカレーターに乗り込む人を2列で乗るよう指示・強制するのである。人間、知らない人からそんな強制をされたらイラッとくるかもしれないが、しかし現地の職員たる係員から「こうして下さい」と言われたらほとんどの人はそれに従うものであるし、そうせざるを得ない筈だ。これをある程度の期間繰り返すことで慣習を変化させることが可能になると推察される。

理論は理論でしかない。その理論がいくら正しくても実践してもらえなければ社会は変わらない。エスカレーター横に配置される係員はその実践を全うする為の人員なのである。

もちろんこれはこれで人のやりくりや人件費の問題等は出てくるだろうが、しかしそれは「社会の慣習が変化するまでの一時的な措置」であることは理解されるべきであろう。エスカレーターは左右両側の列に立つ・・・そうしたコンセンサスができて慣習が変わってしまえば係員は必要なくなる。

こうすることでエスカレーターの理想的な利用実態が生まれれば利用者にもメーカーや運用者にもメリットが齎されることだろう。