6月に公表された金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書で、老後の毎月約5万円の収入不足を補うために、約2000万円の貯蓄が必要という試算が発表されて大騒ぎになった。しかしこれは厚労省のある思惑に関係した一種の”煽り文句”に過ぎない。
どういうことか?
7月29日の日本経済新聞において、厚労省が全ての会社員を対象に、希望すれば個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)に加入できるよう基準を緩める、という趣旨の記事が掲載された。
イデコとは加入者自ら運用する商品を選んで、成績によって受け取る年金額が変わる確定拠出年金の一つである。確定拠出年金には企業型と個人が加入する個人型がある。その個人型をイデコと呼ぶ。
イデコは掛け金の全額が所得税の控除対象となって運用益は非課税となる。年金という性格上、原則として60歳まで引き出すことはできないが、老後の資金形成に有利な設計となっている。勤務先で企業型に加入していても今回の追加でイデコに加入し併用できるようになる。
少子高齢化で公的年金の先細りが避けられないと見られていて、自力で資産形成の機会を増やして老後の備えを後押しする・・・というのが厚労省の意図するところである。
最初に提示した例の「老後の2000万円云々」という煽り資料があるが、実はこのイデコ加入の促進をするために作ったものである。
実はイデコは加入人数があまり伸びていない。企業型の加入人数は700万人だが、個人型のイデコは200万人しか加入実績がない。「これじゃ少ないよね」となって、「それじゃ増やしましょう」と言って「老後の資金が足りないよ」と世間を脅して加入させようと思って2000万円資料を出してみたらあのような騒ぎになってしまった…どうしよう?・・・というのが真相である。
厚労省官僚の浅はかさに呆れるばかりである。
上記の日経新聞のニュースも厚労省の意図する流れで書かれていて、まんまと国民を煽って乗せる為のものである。
ちなみに企業型の場合は5万5千円くらい企業が出してくれるが、会社員が「イデコに入りたい」と言って加入すると3万5千円くらいに減額されるのである。現行制度ではそうなっているのだ。
これを「減額無しでそのまま個人型にも入っていいですよ」というのが今回の基準変更である。これは税金を負けてくれる投資と言える。
このイデコの実施運用にあたってはイデコ協会のようなものが存在し、そこに大量の役人が天下っているのである。証券会社にも天下っている。
つまりはそういうこと、なのである。
他にも中小企業向けの基金などがあったりして、税額控除を受けることができる。中小企業経営者には大変ありがたいのだが、なぜそこだけ税金を減らしてくれるかと言うと、その団体が天下り団体だからである。
税金を上げておいて、一方で税金を減らしてやるからイデコに入れ、と言っている訳で実に嫌らしい。このような事はやめていただきたいものである。
それならば、そもそも「税金上げるのをやめなさい」という話にもなってくるし「おかしいよね」ということだ。
こうした官僚発想の産業政策的なやり方は絶対にうまくいかないのである。止めた方がよろしいだろう。
ちなみに、企業型に加えて今回の”イデコ併用”にすると最大月2万まで追加で積み立てる事が可能になるようだ。
しかし、デフレが継続するとしたら投資は不利である。これが上手くいく為にはデフレが継続しないようにすることが前提になるのである。
どういうことか?
7月29日の日本経済新聞において、厚労省が全ての会社員を対象に、希望すれば個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)に加入できるよう基準を緩める、という趣旨の記事が掲載された。
イデコとは加入者自ら運用する商品を選んで、成績によって受け取る年金額が変わる確定拠出年金の一つである。確定拠出年金には企業型と個人が加入する個人型がある。その個人型をイデコと呼ぶ。
イデコは掛け金の全額が所得税の控除対象となって運用益は非課税となる。年金という性格上、原則として60歳まで引き出すことはできないが、老後の資金形成に有利な設計となっている。勤務先で企業型に加入していても今回の追加でイデコに加入し併用できるようになる。
少子高齢化で公的年金の先細りが避けられないと見られていて、自力で資産形成の機会を増やして老後の備えを後押しする・・・というのが厚労省の意図するところである。
最初に提示した例の「老後の2000万円云々」という煽り資料があるが、実はこのイデコ加入の促進をするために作ったものである。
実はイデコは加入人数があまり伸びていない。企業型の加入人数は700万人だが、個人型のイデコは200万人しか加入実績がない。「これじゃ少ないよね」となって、「それじゃ増やしましょう」と言って「老後の資金が足りないよ」と世間を脅して加入させようと思って2000万円資料を出してみたらあのような騒ぎになってしまった…どうしよう?・・・というのが真相である。
厚労省官僚の浅はかさに呆れるばかりである。
上記の日経新聞のニュースも厚労省の意図する流れで書かれていて、まんまと国民を煽って乗せる為のものである。
ちなみに企業型の場合は5万5千円くらい企業が出してくれるが、会社員が「イデコに入りたい」と言って加入すると3万5千円くらいに減額されるのである。現行制度ではそうなっているのだ。
これを「減額無しでそのまま個人型にも入っていいですよ」というのが今回の基準変更である。これは税金を負けてくれる投資と言える。
このイデコの実施運用にあたってはイデコ協会のようなものが存在し、そこに大量の役人が天下っているのである。証券会社にも天下っている。
つまりはそういうこと、なのである。
他にも中小企業向けの基金などがあったりして、税額控除を受けることができる。中小企業経営者には大変ありがたいのだが、なぜそこだけ税金を減らしてくれるかと言うと、その団体が天下り団体だからである。
税金を上げておいて、一方で税金を減らしてやるからイデコに入れ、と言っている訳で実に嫌らしい。このような事はやめていただきたいものである。
それならば、そもそも「税金上げるのをやめなさい」という話にもなってくるし「おかしいよね」ということだ。
こうした官僚発想の産業政策的なやり方は絶対にうまくいかないのである。止めた方がよろしいだろう。
ちなみに、企業型に加えて今回の”イデコ併用”にすると最大月2万まで追加で積み立てる事が可能になるようだ。
しかし、デフレが継続するとしたら投資は不利である。これが上手くいく為にはデフレが継続しないようにすることが前提になるのである。