6月8、9、10日 / ─ / ─
熱海のホテルでむかしの職場の後輩たちが集まってくれるというので午後になって出掛ける。
生憎天気予報は曇ときどき雨だという。朝から小雨が降ったり、薄日が射したりの不安定な天気で、こんな時にわざわざ各地から伊豆まで来てくれ申し訳ないなと思いつつ、駅からホテルまで徒歩7分の坂道を下る。途中で濡れるほどではなかったが薄日の差す中を霧雨のような細かい雨が周囲を覆ってきた。
ホテルに着き迎えられて一休み。それから皆と顔を合わせた途端、空というより海面近くに完全な弧を描く見事な虹が出現した。
私が伊豆に住み着いた頃、虹をみることがよくあり、「伊豆は虹が多いところ」と喜んでいた。しかし、それは最初の数年だけで、それが過ぎた後はぱったり虹が出現しなくなった。いらい10数年、虹をみかけることはなくなった。
それが熱海のホテルの窓一杯に広がったのである。
はやり虹は美しい見ものだ。後輩たちとの会食も楽しかったが、思いがけない虹の贈り物に大満足。
せっかく伊豆にきたのだからと伊豆高原を車で案内できる三人を誘う。エクシブホテル伊豆高原で一泊してもらってあちらこちらを案内する。
その案内の途中で私が新たに知ったこと。
大室山頂上がすっかり整備されていたこと。綺麗にはなったが、なんだかかつての自然の風趣が失われたような気がしないでもない……。
そして、一碧湖の沼池にはいつもの鯉と一緒にやや大型の亀が何匹も橋桁に寄ってきたこと。急に増えてきた亀に驚く。
この情景、なかかな風情はあるが、この亀は普段はあまり見かけないやや大型の亀なので外来種ではないだろうか。もしそうなら大繁殖し魚を食い尽くしたりして日本の生態系を乱す類でないことを願う。
伊豆高原一帯を案内し終わって思う。今回はとても疲れた。流石に昔のように元気一杯というわけにはいかなかった。
前夜の飲みすぎ、電車の行き帰り、車の運転、客への気遣い……。この年齢になるとあとで応えるようになることを思い知らされた。