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高めの血糖値を気にしながらそれなりに食事制限と運動励行に努力してきていたのだが、いつしか気が緩み常態的に間食するようになっていた。
本年3月6日朝、すっかりおろそかになっていた血糖値自己測定器(二プロフリースタイル)による測定を朝空腹時に久し振りに行ったところ、なんとこれまで経験したことのない200㎎/dlに近い数値を示している。まさしく晴天の霹靂であった。
測定器の誤作動ではないかとその後数日測定を続けてみたが、値に大きな変化はなく、どうやらこれが朝空腹時における私の平均的な血糖値であることを思い知らされた。
これは最早、単なる「高血糖症」ではなく本格的な「糖尿病」になったと言わざるを得ない。恐るべき糖尿病の合併症である網膜症による失明、壊疽による足指の切断、尿毒症による人工透析なども、やがては現実的な視野にはいいてくるかもしれない。
愕然たる思いで、これまで食事と運動で血糖値の上昇を抑えるからと医者に言い、糖尿病薬服用を拒んできていたが、その態度を改め、正規の「糖尿病患者」として医者に頼るしかないのかもしれないと思った。
だが、待てよ。渡辺昌「食事と運動で糖尿病を治す」では空腹時の血糖値260㎎で発見された筆者が、食事と運動で糖尿病を克服した体験とそのノウハウを語っていたではないか。
私の場合は、それよりはるかに低い血糖値であるから、真剣に努力すればなんとかなるかもしれない……。
改めて、この本を徹底的に読み返してみた。そして、これまでのいい加減なやりかたではなく、そこで語られているノウハウのすべてを忠実に実行してみようと思い立つたのである。
ただ、この本では「慢性の高血糖症になるには、それなりの時間がかかっています。生活習慣の改善には1年ほどかけてじっくり取り組むべき(p.48)」とあり、これでは長すぎる、そこまで果たして続けることができるか甚だ疑問ではあったが、なにはともあれ、少なくとも効果がある程度現認できるまで、おおむね3ヶ月くらいの間は、自分が「糖尿病患者」として入院生活を送っているのだと考えて、治療専一、生活のすべてを高血糖値低下に向け頑張ってみようと決意した。
食品交換表を頼りに毎食のカロリーを計算し、主食は玄米食、よく噛みゆっくりと食べる。好物だった「あぶらもの」は当分禁止、間食はダメ、アルコール抜き(ころあいをみて緩和)、できるだけ歩く。夕食後は30-60分はテレビを見ながら室内バイクを漕ぐ、などなど。
はじめのころはなかなか血糖値が低下せず不安な思いに捉われたこともあったが、ある段階でがくんと下がり、その状態がしばらく続いた後、更にまた一段と下がって、ついに念願の130㎎/dlを下回りそれが続くようになった。
一方、体重の方も食生活の改善で確実に下がっていき、現在は61kg前後で安定。
こうして3月からはじめて6月一杯、4ヶ月で「高血糖低下」は見事な成果を上げたのである。(この間、4月に病院で測定したヘモグロビンA1cは6.8%、5月は6.3%に低下している。近く病院で測定することになるが、おそらく5%台に下がっていると確信している。)
これまでは毎朝空腹時に血糖値を測定していたが、これで大事業は成功裡に終了したと判断し、7月からは日常の生活態様に特別の変化がない限り、週1回程度の測定とすることにした。