伊豆高原シニア・ライフ日記

「老い」を受容しながら自然の恵みに感謝しつつ「残躯天所許不楽復如何」の心境で綴る80老の身辺雑記 

「海の日」に思う

2010年07月20日 | 雑文
7月19日(月)

今日は「海の日」。3連休の終日でもある。だが、年中休暇ばかりの80歳老にとって連休とは無縁の身であることは嬉しくもあり悲しくもある‥‥‥。

ところで、「海の日」とは「国民の祝日に関する法律」によると7月の第3月曜日で、「海の恩恵に感謝するとともに海洋国日本の繁栄を願う(2条)」祝日だとされている。

戦前、7/20が「海の記念日」とされていたが、平成8年に休日を増やすため引き継がれたものらしく、いま多くの人は休日であることを知ってはいるが、それが何の日なのか、あまり関心を持っていないように思える。

「海」にちなむ日といえば、私ども世代では戦前の5月27日「海軍記念日」(明治38年日露戦争でバルチック艦隊を撃滅した日本海海戦勝利の日)を思い出す。戦前、この日がどんな日なのかは幼い子供でも知っていた。

「海の日」についての認知度は低いようだが、ながく待ち望んでいた梅雨が明け真っ青な海が眼一杯に広がり、心が躍る高揚感をもたらすこの時期に「海」を称える日を作ったことは決して悪くことではない。

わが国において海に接する海岸線の全長は29751km(別に34850kmというのもある)、カナダ・ノールウエイ・インドネシア・ロシア・フイリッピンに次いで世界で第6位、このあとにはオーストリア・アメリカなどが続く。
面積当たりの海岸線に換算すれば78.7m/平方km、これは世界第3位であり、人口一人当たりの海岸線は23cm、仮に海岸線で海に向かって日本人全員を立ち並ばせるとぎりぎり埋まるというから文句なく「海の国」なのである。

海なくしてと日本という国は成り立たないといってもいい。

かつては、このような日本を「島国」として否定的に捉える歴史観もあったが、地政学的にいっても、その住みやすさからいっても、日本という国は海の恵みをふんだんに受け、それによって支えられていることは疑いようはない事実で、法文ながら「海の恩恵に感謝し‥‥‥」の文言には十分納得できるものがある。

今年2010年に発表された英経済平和研究所による「世界平和度指数(Global Peace Index)」をみると日本の「平和度」はニュージーランド・アイスランドに次いで世界3位だとある。(「平和度」とは外国との紛争、国内殺人事件、テロの危険性、人権保障の水準、軍事費など23項目を数値化したもの)

人間にとってもっとも重要な平和をもたらしている要因としてはいろいろなことが考えられるが、海に囲まれている地政学上の位置、温暖な自然的地理的条件、そこで生活する日本人の特性がこの数値に大きく寄与していることは間違いあるまい。

それに、日本は世界第1位の「長寿国」でもある。平成20年簡易生命表によると男の平均寿命は79.29年、女の平均寿命は86.05年 。単に平均寿命だけではない、「健康寿命」(WHOは「健康とは完全な肉体的・精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱な存在のないことではない」としている。)だって男女とも世界一なのである。

この「健康度」もまた海がもたらす恵み、「海の幸」を中心にした食生活や緑豊かで寒暖穏やかな気候・自然条件を抜きにしては考えられまい。

そうだとすれば、日本に「海」に感謝する日はあった方がいいし、あるべきであろう。

仄聞するところによると祝日として「海の日」を制定しているような国はほかにないという。

だからといって、80歳老がわざわざこの暑い日に混雑する海辺まで出かけ海の空気を吸い、改めて海に合掌することもあるまい。

海にちなむとすれば、せめて我が家の庭から海に向かい、いまはすっかり見慣れてしまい薄れてかけ、忘れかけている「海一望」の最初の感動を思い起こすことだろう。

広く相模湾を見渡すには二階書斎が絶好の場所だが、この時期、午後になるとエアコンがなければ書斎には暑くて居れない。
階下のリビングなら窓さえ開けておけば涼しい風が吹きぬけ、ここしばらくの間はエアコンは不要である。

パーソナルチェアに寝そびりながら真っ青な海をみていると本当に心が和む。海は人をひきつけるなにかがあり、海の景色には近頃流行の言葉でいえば「癒される」。

コメント
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