松阪市内には櫛田川、阪内川、三渡川、中村川、雲出川などが流れ、この川の近くには川の影響を受けた地名がたくさんみられます。今回は川に由来する地名の探訪です。
◆川の合流点につく地名
川の合流点につく地名には川合、落合、河内などがあります。大台町の川合は宮川と大内山川の合流点です。松阪市内では『大河内町』がこれにあたり、阪内川と矢津川の合流点です。
◆川の中州につく地名
川の中州につく地名としては、武田信玄と上杉謙信の戦のあった川中島が有名です。川中島は千曲川と犀川の中州です。
松阪市内では松名瀬町の『中村』が櫛田川の中州にあり、この名前がついたと思われます。また『川島町』や井口中町の『中川原』は地名から、かつてここが中州であったことが考えられます。
◆湧水地点につく地名
湧水地点につく地名としては『清水町』があり、近くに山がないことから、櫛田川の伏流水が湧水したと考えられます。また新屋庄町の『清水』も雲出川の影響を受けた湧水地点と思われます。
◆久保は荒廃地につく地名
久保は大洪水や地すべり跡の土地の荒廃した様子を表す地名です。もともとは窪地を示す「窪」という字であったのが、「久保」の字を用いられるようになったもので、高知県の窪川のように元の「窪」の字を用いている所もあります。
◆松阪市内の久保
松阪市内で久保のつく町名は、『久保町』、『久保田町』、『東久保町』があります。 この内、久保は金剛川、久保田は坂内川、また東久保は櫛田川の近くであるところから、これらの河川の影響によるものと考えます。
久保は小字名にも多くついていて松阪市内にも東ヶ久保、部田久保、久保出、小久保、大久保、上久保、向久保などがあり、久保だけの小字名もいたる所にあります。
◆その他の地名
川に関する地名で、河口を示す川尻(明和町)や川口があります。また矢の川(やのこ)峠(尾鷲市)の矢川は勢いよく流れる川を表したものと考えられます。。
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