川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

矢土錦山展の後期展始まる

2011-01-04 21:54:52 | 日記

 松阪市殿町の松阪公園内にある松阪市立歴史民俗資料館で矢土錦山展の後期展が今日1月4日から始まりました。矢土錦山は江戸時代末期から明治・大正にかけて活躍した漢詩人で伊藤博文の秘書としても活躍した人物です。この特別展では矢土錦山にまつわる書、絵画、遺品など、松阪市阿波曽町の「錦山文庫」が所有する品々が展示されています。昨年開かれた前期展に続き、新しい展示品を加えての後期展です。

 

 矢土錦山は嘉永2年(1849)三重県度会郡田丸新田(現在の玉城町)の矢土吉郎兵衛源助の三男として生まれた。父没後儒・書・詩・史を学び、明治5年上京して明治政府に出仕しながら史・文・詩を深め、明治9年ごろより漢詩人・漢文章家として文壇に登場した。明治14年飯南郡射和村阿波曽(現松阪市阿波曽長)の浦城将義の三女けいと結婚した。このけいの実家が今の錦山文庫(非公開)である。

 

 明治17年新華族令にともなう賞典事務で伊藤博文に認められ、帝国憲法編さんにも関わり、明治26年、第2次伊藤内閣では総理大臣秘書官となり、下関講和にも列席する。

 明治41年、病気のため阿波曽に戻り、明治42年伊藤博文がハルピン駅で暗殺をされると詩作に没頭、文人・墨客と交流を深め、詩文の作成、書、記文、碑文などの依頼をこなす。大正9年山田赤十字病院で他界する。72才であった。

 

 今回の後期展では、伊藤博文が書いた旅順港攻略の感慨を読んだ漢詩で、鉛筆書きで旅順港の図が添えられているものや、錦山が書いた「日清戦争宣戦布告勅使の草稿」など貴重な資料が展示してあります。この後期展は2月27日まで開催されます。

 

 問い合わせは 松阪市立歴史民俗資料館 ℡0598-23-2381まで

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