フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

演出

2017-06-23 23:44:03 | Weblog
演出家について、名演出家の蜷川幸雄さんは定義しています。「観客の千の目を代表している立場」だと。しかし最近は演出や監督を俳優がする場合が多くあります。つまり演じる側の目を代表する立場に立つわけです。芝居そのものに変化は出てくるでしょうか。そのことは稽古の際に顕著に表れるかもしれませんね。舞台上と客席の違いがあるからです。とは言っても蜷川さんも俳優の経験があるのですが。
アナウンサーである私の場合は、リスナー気分とパーソナリティー気分がないまぜになります。アナウンサーの時は、リスナーと時間を共有する時にどれだけ感動を与えることを考えます。一方リスナー気分の時は、日常の話題を仲間との時間に取り入れるネタを仕入れる気持ちが強くなります。どちらにしてもアナウンサーは自分を演出するわけですから、ちょっと甘くなってしまいがちです。だからこそ、まわりに良きリスナーを持っているかが勝負です。