フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

楊枝

2017-06-21 23:58:55 | Weblog
「武士は食わねど高楊枝」という言葉があります。武士の志を表現したものです。一方お隣の朝鮮半島に「冷や水飲んで楊子使い」ということわざがあります。水を飲んだだけなのに楊子を使い美味しいものを食べたふりをする。転じて中身はないのにあるように見せることです。今の世の中はこうした風潮が目だっているように思えてなりません。世界的危機を煽る彼の国のミサイル騒ぎもこの楊子の類いではないでしょうか。
日本の高楊枝のほうは、我慢という男の生きざまを教えてくれます。このことわざも今必要なことです。口から出る言葉に我慢がないのです。思い付いた言葉をあっけなく放ち、相手を傷つけることが日常茶飯事になっています。つまり、我慢出来ない、いや、我慢する力がないのです。言葉が人を傷つけ匕首になることを理解していないので簡単に口から出て刺し傷を与えてしまうのです。
高楊枝を思いだし、口の中で発しようとしている言葉を反芻することが問われます。