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講演会「海外から見た日本」 恵庭市民憲章と歩む市民の集い2019

2019-09-03 18:34:01 | 講演会、学成り難し・・・

令和元年8月31日、恵庭市民憲章推進協議会(会長笹松京次郎)主催の「市民憲章と歩む市民の集い」が恵庭市民会館で開催された。式次第は、開会の言葉(副会長島田一美)、恵庭市民憲章朗唱(副部長弘中司嘉子)、主催者挨拶(会長笹松京次郎)、来賓挨拶(恵庭市長原田裕、市議会議長伊藤雅暢)、来賓紹介、講演(元国際協力機構専門家土屋武彦)、閉会の言葉(副会長下原干城)の流れ。同時開催として「北方領土返還写真パネル展」が開催された。

当協議会では、令和元年事業計画として

啓発普及部では、①広報活動の推進、②市民憲章と人づくりまちづくり集いの実施。③市民憲章の普及と定着のためにPR用品の作成配布と憲章板の設置。実践活動部では、①市民憲章普及推進作文の募集、②市民憲章作文発表会を開催、③文集「きらりと光る恵庭の子」の編集・発行、④グリーンベルトの花壇造成と管理、を掲げている。

主催者は、「・・・今年度の市民の集いでは、内容を「海外から見た日本」と題し、国際協力機構で活躍された土屋氏から開発途上国の現場での実体験に基づいたお話などを伺い、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに伴う国際化の到来が予想されるため、海外から見た日本という少し大きなテーマを掲げ、少しでも関心を高めることを目的として開催いたします」と、開催趣旨を述べた。

報道機関(北海道新聞2019.9.4および「ちゃんと」2019.9.6)は次の記事を掲載した。引用させて頂く。なお、恵庭市民憲章推進協議会会長笹松京次郎氏は主催者挨拶をされた後に講演会途中で退席、翌日ご逝去された(享年70歳)。謹んでお悔やみ申し上げます。

 

以下、講演会の概要を紹介する。

 

講演要旨

第1部 南米を知る(地理と歴史)

〇南米の国々:移民の国、多民族国家の良いところ。

〇南米の地勢:肥沃な大地パンパ、半乾燥高原セラード、地球の肺アマゾンに代表される熱帯・亜熱帯雨林、豊かな生物相の湿原パンタナール、乾燥のアンデス、パタゴニア地方、南部パタゴニアの氷河と多様。

〇中南米の歴史:人類はベーリング海峡を渡りアンデス文明を築いた(暦の民・マヤ文明、アステカ文明、プレインカ時代とインカ帝国、失われた空中都市マチュピチュ)。忽然と消えた文明、インデイオの悲劇。

〇中南米の歴史:三つの時代(コロンブス以降、大航海時代、植民地時代、移民の世紀)を経てヨーロッパ風の都市が築かれた。牧畜と農業が栄える、世界の食糧基地。

〇日本からの移住:開墾の辛苦を越えて日系人は信頼(勤勉・正直・高学歴)を得た。

第2部 南米大豆生産に寄与した日本

〇日系人が始め、先導した大豆生産。

〇技術協力は大豆禁輸(昭和48)から始まり、南米の地で大きな成果を上げた。

〇米国を追い越した南米の大豆生産(日系農家裏庭の作物が奇跡を生んで、国家経済を支える)。悲しき熱帯から蘇る大地。

第3部 南米の暮らし

〇一度会えば友達(アミーゴ):挨拶、声掛け、感謝、奉仕の社会。ラテンアメリカ気質。

〇言葉は民族のアイデンテイテイ:移住者に学ぶ、民族の誇り。

〇食生活:主食は牛肉? アサードにはマンジョカが合う(世界の飢餓を救う貧者のパン)。自然の恵み。飲むサラダ「マテ茶」。和食が注目されている。

〇買い物:釣銭は飴玉ですか、アスピリンですか? スーパーインフレ。

〇交通規則:車検制度のない車社会、取り締まり。

〇国境:日本と異なる国境意識

〇ゴミ問題:最初は驚くゴミの話(掃除人がいるのだから)。

〇環境問題:温暖化で後退する氷河(一年で200m)。開発と環境の矛盾(アマゾン熱帯雨林)。歴史の証人・イースター島のモアイが語ること。

〇貧困:観光客に土産物を売るインデイオ。格差が拡大(済み分けられる市街地)。所得が低く格差が大きい。しかし、人びとは寛ぎ、暮らしを楽しむ。

〇アスタマニヤーナ(明日があるさ):全力疾走してきた私たちに何かを訴える・・・ラテン雨リマの暮らし。少子高齢化、地球温暖化、食料・環境問題が顕在する今を、どう生きるか? 排他的にならず(宗教も人種も)、多様性を求め、個に走らず、故郷や文化を愛し、ゆったり暮らす。成熟社会の生き方ではあるまいか。

 

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