goo blog サービス終了のお知らせ 

麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

だるまさんに、訊く人

2020年10月10日 | 俳優座


劇団俳優座No.343『火の殉難』
登場人物紹介シリーズも終盤である。

歴史上の人物(高橋是清や原敬など)から
是清の家族……が続いたのち
再び周辺人物へ、という流れで
今日は「帝都経済新聞」の神田源一記者。

1991年入団の渡辺聡が演じるのだが、
とある晩、紹介状を持って高橋邸を訪れ、
政財家・是清に取材を申し込む役である。

インタビューの中で「だるまさん」こと
是清の半生が次々に浮き彫りになる。

そんな渡辺は昨日、誕生日。



そういえば、読み稽古から
立ち稽古へと移る節目に、
高橋是清役の河野正明が誕生日で、
昨日はアクト飯倉での最終日だった。

そして今日から、ついに第一稽古場だ。
俳優座の、血と汗が一番濃く染み入った場所で、
ここにお客様にお越しいただき上演となる。





まっさらな状態が仮組の舞台に。
気持ちも高まります。

1964年の今日は日本中が高まったのは
東京五輪の開会式
この日が「晴れの特異日」と
多くの日本人が信じているけれど、
どうやら違うらしい。
確かに本日も一日中、雨。

けれども『火の殉難』は
初めての実寸で、新たな課題も見つけつつ、
「本番と同じ空間」での挑戦や実験を試す
濃厚な四時間となった。
という意味で晴天。



明日はお休み。
12日(月)は……おまたせしました
『火の殉難』一般前売発売日です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

セイムタイム・ネクストイヤー

2020年10月09日 | 身辺雑記


俳優座演劇研究所の今年の一年生の
中間発表を、やはり「身辺雑記」で
アップしたので(10/4付弊ブログ)
二三年の発表会も同じカテゴリーで
紹介します。



劇団俳優座演劇研究所 30・31期生
中間発表会
『SAME TIME NEXT YEAR』
作/バーナード・スレイド
訳/青井陽治、堤孝夫
指導・演出/堀越大史
時/2020年10月7日~9日
於/俳優座5階稽古場

あけて今日は千秋楽である。



本来なら先に終幕した32期生と
劇団員は四月に対面しているのだ。
が、今年はCOVID-19禍により
交流ならず、授業開始も遅れたので
まだ顔と名前の一致に至らない。

一方、上級生は劇団公演のサポートや
彼ら自身の発表会も見ているから
知らない者はない。

      

さて、それとは別に。
筆者個人の、この作品への思いが
少々あるので以下殴り書きする。

私の本格的な演劇体験は、浪人時代で。
新聞のチケットプレゼントに当選した
遊◎機械/全自動シアターである。

看板女優の高泉淳子が扮する
山田のぼるにノックアウトされ、
彼女の次の舞台を見つけて早々に
チケットをゲットした。

本多劇場での加藤健一事務所公演
『セイムタイム・ネクストイヤー』

ところが待てど暮らせど、
くるくるパーマに黒縁眼鏡、
ランドセルを背負った少年は
いっこうに出てこない。

蛇足ながら。
のちに「ポンキッキーズ」にも
出演する山田のぼるの特徴が
髪型や眼鏡やランドセルである。

……演劇通にはネタバレしているが、
高泉淳子と高畑淳子を間違えたのだ。

でも、よりによって一文字違いの役者が
マイナーな演劇界に、しかも同時期にいる
……なんて十代のハナタレは想像しないよ。
と。
開き直るしかない

と同時に、完全に結果論だが。
いわゆる当時の芝居のトレンドの
「小劇場演劇」において大注目された
「遊◎機械~」かつ、高泉淳子と、
所属の青年座を超え日本を代表する
今や大女優となった高畑淳子を
たまたま観た二作品で出会ったのは、
無名時代の長嶋と王の試合に
(例えば、とある秋の週末の土日に
千葉と東京で)偶然出くわすのと
同じインパクトだと思うのである。

『セイムタイム・ネクストイヤー』
には、そんな思い入れがある。



次回から再び『火の殉難』を
書いていくけれど、機会あらば
『セイムタイム~』続編を綴りたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

だるまさんを……狙う人々。

2020年10月07日 | 俳優座


そういえばチラシをアップしていなかった。

俳優座初登場! 山田マリエさんの
デザインになります

1936年、陸軍の青年将校たちの
大規模クーデター《2・26事件》
満州国樹立、第二次世界大戦へと
突き進む岐路となった事件から
見えてくるものとは……

時の蔵相・高橋是清のもとに
経済紙記者の神田が訪れる。
稀代の財政家から語られるのは、
原敬や犬養毅らとの政争や絆。
一方、資本家や政治家を
「君側の奸」と敵視した者たち。
ふたつが雪の夜に交わる・・・

劇団俳優座No.343『火の殉難』
2020年11月6日~22日
俳優座劇場5階稽古場

暫く高橋是清の家族について紹介
(9/27~10/6)してきて、
歴史に名を残す政治家にも触れて
(9/25~26)きたけれども、
本作には魅力的な登場人物がまだ多数。

で、ひとまず高橋家から離れて、
「昭和維新」に関わる陸軍の男二人を。



藤田一真(写真上)と馬場太史(同下)



中村中尉に扮する藤田と
中田少尉役の馬場。
写真はどちらも『マクベスの悲劇』
(俳優座No.341)の稽古場風景より。

どちらも2.26に関わった無名の将校だ。
ちなみに。
〈将・佐・尉〉の各位に大中小があり、
大将、中将、…(中略)…中尉、少尉まで
つまりは九つの役職を〈将校〉と呼ぶ。

細かくいえば「中尉」は中隊指揮を担い、
「少尉」は小隊長になることが多いが、
同時に将校の最下位でもある。
サラリーマン的にいえば役職の一番下
・・・会社により異なるのだろうが
係長に当たるのかしらん。

雪の降る東京で、蜂起した側は
「昭和維新」と大願を胸に行動した
1500余名のクーデター。
大半は無名の兵士達だったわけである。

そのあたりの悲哀を二人が演じきると
稽古を見ていて大いに期待する。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

だるまさんの……娘さん

2020年10月06日 | 俳優座
劇団俳優座No.343『火の殉難』に
関連するblogは「だるまさん」を
冠している・・・主人公の高橋是清が
そう呼ばれていたから・・・ので、
理想は「だるまさんがころんだ」の
語数とリズムに合わせたいわけである。
そういう意味で今回はハマっている。
(10月1日付の「おまごさん」も



さて、ここで言う「娘さん」は、
稀代の財政家の四女・美代子である。

すでに紹介した長男の是賢が1877年
(明治10年)生まれなのに対し、
美代子が生を受けたのは1915年
(大正4年)だから38歳違いの兄妹。
勿論あいだに何人もいて、
かつ母親が違ったり、養子だったり。
……ただこれも、時代の中にあって
特別なことではなかったのだろう。

・・・そんなこんなを出演する役者は
各自調べ、稽古場で意見交換しながら、
芝居に血肉がついている日々だ。



昨日からは立ち稽古になった。
役者たちは台詞をほぼ入れた状態で、
個々のイメージの衣裳もつけて、
また、今や必須のフェイスシールド、
もしくはマウスシールドを着用。
さらに他の感染予防対策も施して進行中。



公演初日まで、ちょうど一ヶ月。
午前に共同通信の取材も入り、
ギアがまた一つ上がった感じだ。

そうそう。
六本木の事務所と飯倉の稽古場を
一日に大概二往復はするのだが……
やけに制服警官や私服SPの姿が多かった。
某国の要人が通るらしい。

そんな空気感をも我々は芝居に生かす。
例えば2.26の頃の緊迫感を、
今日を数十倍高めて想像したり・・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆうゆう窓口とか終電とか。

2020年10月05日 | 身辺雑記
新しい生活様式という言葉の
「新しい」が、もう新しくはなく
当たり前になろうとしている秋

JRの終電を早くするという発表も
その一環だったりするのかな。



郵便局は今のところ「一時的」に
ゆうゆう窓口を24時間から
19時閉窓(土日祝日は18時)に。
多くのユーザーはこの短縮が
早く元に戻ることを望んでいる筈。

ただ例えば。
我々劇団においても365日中
お世話になるのは数回なのである。
(今年は366日か……)
それで言えば、終電を逃す逃さない
ってシーンも年に数回。
それがいつか判らないので開いて、
または動いていると助かるわけで……。

おっと、そんなことを書いたのは
正に土曜日、俳優座の次回公演のDMを
東京中央郵便局に出しに行ったから……。
(一枚目の写真は、その入口に鎮座する
巨大なぬいぐるみ君

なんてことを書いているのが、
時刻表記念日……ってのは少し鳥肌だ。

1894年の今日、日本で初めて
本格的な時刻表『汽車汽船旅行案内』が
庚寅新誌社から出版されたことに由来。



話はかわる。
上の写メは、とある麻布十番あたりの店。
なぜカレーなのにキリン???と。

このブログでは再三筆者がキリン好きと
書いてきたから重々承知とは思いつつ。
それは置いても不思議だったのでパシャ
その、カレー専門店のある商店街の
秋のフラッグが下の一葉である。



クマにキリンにネコ。
動物の写真が並んだけれど、
明日からは再び〈だるま〉に関する
ブログが連続する……予定です。

あ、結果論だが。
二日にわたり記念日がらみの駄文に。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天使の日

2020年10月04日 | 身辺雑記
10月4日は、天使の日だったり、
イワシの日、陶器の日、徒歩の日
などなど記念日が多い。

概ね語呂合わせで「1(い)0(わ)4(し)」は
多獲性魚有効利用検討会
(現大阪おさかな健康食品協議会)が、
陶器は、その古称「陶瓷(とうし)」から
日本陶磁器卸商業協同組合連合会が、
それぞれ制定しているそうだ。

記念日もさることながら
「団体」そのものにも興味が沸くのは
私だけだろうか
さておき。



俳優座の稽古場では演劇研究所の
32期生中間発表が、本日千秋楽。
お陰様で連日盛況。
座の「天使たち」の成長を
多くの方々が応援してくれています。

一方で。
座の公演ポスターを貼ってくれる等、
長年にやわたりお世話になった
蕎麦店「みのち庵」の解体工事が進む……。
既に8月末日に惜しまれつつ閉店。





こうしてシンク等が運び出されると
改めて寂しさが募る

諸行無常・・・

一時期、このブログで取り上げた
我が隣宅地の工事もクラッシュを終え、
ビルドに転じておりまして。
更地に再び重機がやって来て、
我がマンションを日々揺らしている。







草原に板が置かれて、クレーン車等が活躍。
基礎が打ち込まれた現在は、
遺跡発掘現場にも似ているのである。





10月4日はそれから。
私がフリーの制作として活動していた頃、
一緒に仕事させていただいた
演出家の篠本賢一氏、
演劇制作者の中村恭子氏の
誕生日だったりもする。
ふたりとも天使とは遠い存在だが、
それはまた別の話。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

だるまさんの誕生日。

2020年10月03日 | 俳優座
劇団俳優座No.343『火の殉難』
作/古川健、演出/川口啓史
時/11月6日(金)~22日(日)
於/俳優座5階稽古場



稽古11日目。
「だるまさん」と呼ばれた
高橋是清を主人公に置いた舞台。
彼は9月19日生まれである。

さてブログのタイトルだが、
その是清を演じる河野正明の
今日(10月3日)は誕生日。
座組でささやかにお祝い

いつもならケーキ。
でも。
昨今はCOVID-19拡大防止の観点から
シェアする飲食物は控える傾向。



そしてテーブル稽古も今日でおしまい。
週明け、月曜日からは立ち稽古になる。
その意味でも区切りの一日となった。

この、読みから立ちの変化について、
少々面倒な例を挙げて書かせていただく。

我が家の近くの煙草屋さん。
実はここ数日違和感を感じていた。
ただ、何かが分からなかった
……なんてことはない。
答えは自販機がタバコからドリンクに。



筆者が煙草呑みでないことも大だが、
日常の変化ゆえ気づかないパターン。
(或いは僕自身がボンクラという
根本的な事情もあるんだけれど…)

タバコとドリンクではまるで違う。
一方、自動販売機という点は一緒。
以上、面倒な例えでした。



中秋の名月も過ぎ、街はより秋めき、
ハロウィン推しの店も増えた。
中には早クリスマス、更にはお節の
商戦にも力が入っていたりする。

が、我々は浮かれることなく、
来月の開幕にまっすぐ向かうのみ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

だるまさんの……おまごさん。

2020年10月01日 | 俳優座
昨日紹介した母・高橋愛子と
一昨日に書いた父・高橋是賢。
二人の間に誕生した次男豊二は、
な、なんとオリンピアンである。

成城中学時代に始めたサッカーを
東京帝国大学農学部でも続け、
在学中の1936年に開催された
ベルリンオリンピックの
日本代表に選出されている。

しかもこのチームは今尚語り草の
「ベルリンの奇跡」、つまり
五輪でスウェーデン代表に勝利した
イレブンなのである。

その一回戦と、次戦対イタリアでも
豊二はピッチには立たなかったが、
世界一になった「なでしこ」21人が
皆素晴らしいように、彼もまた
良いプレーヤーだったのだろう

さて。
『火の殉難』には、豊二のみ登場するが、
是賢と愛子の間に子供は六人。

長女・照(1912生)、長男・賢一(1914生)、
豊二は第三子で1915年生まれ。
次女・艶(1916生)、三男・康三(1919生)、
三女・多恵(1921生)

・・・そうか、当時の六人きょうだいは
珍しいことではなかったのか。
話を戻します。

Aマッチ出場はなかったものの
親善試合では3試合に出場した
高橋豊二。
『火の殉難』は、五輪前。
代表への意欲を燃やす時節である。

逆にいえば、ベルリンは2.26事件後。
だるまさんこと高橋是清は、
孫の勇姿を見られなかったことになる。



豊二役の山田定世(やまださだとし)。
写真は『女と男とシェイクスピア』より。
※ラボ公演36 2018年12月8日~16日、
俳優座5階稽古場

祖父の人生も波瀾万丈なのだけど、
孫の豊二も壮烈である。
大学卒業後、海軍に入隊。
航空予備学生となる。
しかし。
1940年3月訓練中に殉職。享年26。
奇しくも、夏季東京オリンピックが
予定されていた年の春のこと。



稽古は順調に積み上がっている。
一人ひとりの役柄もくっきりしてきた。
ご期待ください。

追記。
本日は音楽誌『モーストリークラシック』
取材も入りました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする