麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

М−syndrome/1.白金台の朝

2024年06月05日 | 身辺雑記

歳をとり、つまらぬことでカチンと。

つい強い口調で「降りる、止めろ!」

 

ハンドルを握る武藤は武藤で、

売り言葉に買い言葉

無言でハイラックスを路肩に止めた。

 

目黒駅を背に自然教育園を過ぎた辺り。

白金台どんぐり児童遊園の脇だった。

アティチュードブラックの車体は

東京タワー方面に走り去り、

さて、踵を返してJRに乗ろうか、

進行方向の南北線白金台駅か。

距離的には地下鉄が近い。

信号ふたつほどだ。

 

けれども、気分としては歩きたい、

少し。

鎮める時間が必要だから左に折れて、

台湾大使館。正式名称は、

台北駐日経済文化代表処。

そこを左に見ながら緩く上る。

紫陽花が其処此処に咲く坂を。

 

 

そうだ、絵でも愛でよう

……と記憶を頼りに進めば、

松岡美術館。

しかし残念ながら、開館時間前。

モネ 『ノルマンディの田舎道』や

マルケ 『アルジェの港』など

所属するミュージアムを諦めて、

外苑西通りを今度は下っていく。

 

プチマルエツで小休止。

缶コーヒーを買い、恵比寿へ舵を切る。

まだシャッターの降りている

まるきんラーメン。

都内に8店舗あるとんこつの名店。

創業から30年、積み上げた味の、

白金が一号店である。

 

恵比寿三丁目バス停には長い列。

乗る気はさらさらない。

三から二、四、一と、

丁目の順がバラバラの停留所を

過ぎればまもなく駅。

 

もう気持ちは和らいだ。どころか、

何故カッとしたかも定かではない。

それより

ムトー、マツオカ、ミュージアム、

モネ、マルケ、マルエツ、マルキンと

やたらМづいている不思議。

手元のキリンは「目覚めの深煎り」。

メザメもマ行ではないか……。

 

二丁目の社会教育会館の裏手に、

そういえば魔王という渾名の男が

務めていた会社があった。

 

されば、JRの高架ををくぐって

Мマークの東京メトロに乗ろう。

 

コメント
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