Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

追悼 小松左京様

2011-07-31 | その他のつぶやき
SF作家小松左京が亡くなった。80歳。

日本のSF作家代表的存在で、そのスケールの大きな作品は小説も読んだし、映画やドラマも見たものだ。日本人って何だ?今の世の中これでいいのか?科学技術はほんとうに我々を幸せにしてくれるのか?。世相や社会問題をSFという切り口で鋭くえぐった作家でした。

小学生だった僕は、ドラマ「日本沈没」は衝撃だった。回を重ねる事に悲壮感が増していって、五木ひろしの主題歌は心に残った。山村の小学校が地震で水没するエピソードにテレビの前で号泣した記憶がある。

日本沈没 テレビ版 OP主題歌

今見るとオープニングに若戸大橋が出てくる・・・。東洋一の吊り橋だったもんね、当時。

角川書店のメディアミックス戦略で、当時夢中になって読んで、映画も観たのは「復活の日」。ウィルスと人類の戦いの話だけれど、未知のウィルスとの戦いだった「アウトブレイク」とは違って、人類のエゴが引き起こした悲劇を類を見ないスケールで描いている。
映画 「復活の日」 予告編

小松左京の原作にほぼ忠実に映画化した角川はやっぱりすごいし、今のニッポンじゃもう二度とこんな映画は製作できないだろう。あの時代に観ることができたことを感謝。でもこの物語を世に問うた小松左京こそが本当に偉大だと思う。

映画監督に挑んだ「さよならジュピター」という失敗作?もあったけど・・・。でもSFに真っ向から挑んだスピリットは僕らを勇気づけてくれたものだ。
BYE BYE JUPITER TRAILER

星新一とあの世で語り合ってるんだろうな。
世の中どうなるんだろうって。

ご冥福をお祈りします。

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7月のBGM

2011-07-30 | 音楽
2011年7月に聴いていた愛すべき音楽たち。

iPodはシャッフルにすることが多いので、いろんなジャンルを聴いている。
放課後ティータイムのあとでジョン・コルトレーン、デュランデュラン、中島美嘉が流れてもまったく平気。

え、変?

■Summer Days (And Summer Nights!)/The Beach Boys
夏である。良くも悪くも夏である。やっぱり夏はビーチボーイズである。California GirlsやHelp Me, Rhondaを収めた代表作のひとつ。ジャケットもいいんだよねー。
サマー・デイズ

■愛・おぼえていますか/飯島真理
マクロスFの星間飛行が頭の中でヘビロテしていた日の翌日。飯島真理が無性に聴きたくなった。最初のマクロスはリアルタイム世代なのだが、それ程真剣に見ていなかった。僕はミンメイから真理たんに入った組ではなくて、あくまでもシンガーソングライターの真理たんからファンになった。大学時代には、飯島真理のコピーバンドに参加していたこともあるのだ。・・・でも今月聴いたのは、ミンメイ楽曲のセルフカヴァーアルバム。
MARI IIJIMA sings LYNN MINMAY

■11のとても悲しい歌/小西康晴
Pizzicato Oneとクレジットされた小西康晴の新譜は、様々なシンガーを起用して一人でいること、一つになることを歌い上げる。1は孤独な数字でもあるけれど、みんなが集まることの象徴でもある。Bang Bangはナンシー・シナトラとはまた違った趣だし、マリリン・モンローが映画「お熱いのがお好き」(原題はこのブログのタイトルですよ!)で歌ったI wanna be loved by you(愛されたいの)を男性歌手が歌うのも素敵。往年の映画「黒いオルフェ」の主題歌まで登場する見事な選曲。
11のとても悲しい歌

■華麗なる賭け(original soundtrack)/Michel Legrand
今どきの中学1年の音楽の教科書って何が載っているのだろう・・・とうちのルーク・スカイウォーカー(12歳)のを見せてもらった。おおぉー、ミシェル・ルグラン!しかも大好きな「華麗なる賭け」の主題歌The Windmills Of Your Mind(風のささやき)。でもこの映画はルークにはまだ早いよなぁ(お前は何歳で観たかって?・・・16歳くらい!)。フェイ・ダナウェイとスティーブ・マックイーンの糸ひくキスシーン、マックイーンのかっこよさ!。鑑賞のページには「E.T.」が。いい曲は時代を超える。
華麗なる賭け オリジナル・サウンドトラック

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7月26日(火)のつぶやき

2011-07-27 | うちの子に御用?
ツイートに加筆。

この年齢になって思うことは、家族の中で一人くらいバカになれる存在が必要なんだということ。
少々笑いのネタにされたり、小馬鹿にされるようなことがあっても、それで家族が明るく笑えるんならバカになるのもアリ。

中高生の頃は毎晩のように飲み歩いて真夜中に帰宅する父親をよくは思わなかった。
思えば父親にもけっこう辛辣なこと言っていた気がする。
「うちは女系一家だから。」「父親を尊敬してません。」
「酒は飲んでも呑まれるなじゃねぇのか。」「どちらのおじさんですか。」
確かに酒でしくじることもある父親だった。ロック好きな僕だがギターに手を出さなかったのは、父親が弾く楽器なんて!と毛嫌いしたからだ。

でも、父親は家にいるときは変なミックスジュース作って僕らに飲ませたり、週末は家族でトランプして遊んだり、それなりに一緒にいた思い出はある。変に人をからかったり、若ぶって子供のことに介入しようとするので、僕はそれをまた不快に思っていたけど、あれはあれで精一杯子供と関わろうと思っていたんだろう。酒飲んで帰ってきても、朝早く仕事に出かける日だってあったし。

昨年、帰省したとき、母親に言った。
「今の年齢になって家族の中でバカやれる存在になりたいんよ。親父みたいにさ。」
そんな僕を母がどう思ったか知らないけれど。当の親父は、今も好きなことしか考えないお気楽な人に見える。たまにかかってくる電話も最初はめんどくさかったけど、今は素直に話せている気がするんだ。

そんなことを考える、僕、アナキン・tak・スカイウォーカーは、こんな感じ。

08:24 from Twitter for iPhone
うちのレイア姫(10歳)。学校で初潮について指導があったらしく、配られた冊子を家で読んでいる。「お父さん、レイア胸大きいかねぇ?」どう見てもぺったんこだ…「まだレイアは子供なんだね」「そのうち藤原紀香さんみたいになるさ」「お父さん、なんでいつも紀香さんって言うの?」何でだろう…。
12:38 from Twitter for iPhone
お風呂で子供から質問攻め。レイア(10歳)編/「ちち、BWのポケモンいくつ言える?」「××の進化形は?」「だめやねぇ、来週テストだね」 ルーク(12歳)編/「ガンダム00で刹那が乗ったMSをすべて答えなさい」「わからんの?ファーストだけやん、ダサっ」…俺はどういう存在なのだろ。
by t_somelikeithot on Twitter

それ程頭髪が薄い訳ではないのに、何かとルークと配偶者アミダラMはからかってきやがる。
レイアはビールを飲む僕のことを、義父義母に告げ口して陰で悪く言われたり。
自分の学生時代のことをちょっと誇らしげにルークに話したら、義父義母に自慢ばかりするな、と注意されたり。

けっ!てめぇら。今にみてろよ!

と思いながらも、これくらいバカになれる存在が家族にいないとね・・・とも思うのだ。

あ、それなりにいいところは見せてるんでご安心を。

【初音ミク】 サラリーマンのうた 【オリジナル曲】


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歴史的瞬間

2011-07-24 | テレビ・アニメ
アナログ放送終了の日。

僕が住んでいる家は既に地デジ化は終了しているが、
そこ以外で取り急ぎアンテナを調達せねばならないところがあり、
午前中、ベスト電器へ走る。

アナキンtak「地デジ対応のアンテナくださーい。取り付けはこっちでやります。」
・・・あ、僕がするんじゃないですけどね。
店員「ありがとうございます。あと1時間で正午ですもんね。」

終了が迫ってきた。
うちのルーク・スカイウォーカー(12歳)と配偶者アミダラMが
この瞬間を写真に撮るべきだと言う。

アナログ最後の天気予報。


11字59分に鈴木奈穂子アナがまもなくアナログ放送が終了する旨告げる。
アナキンtak「ここも撮る?」
ルーク「父(注・takは"ちち"と呼ばれている)はこのアナウンサー好きなん?」
アナキンtak「・・・。」

ドーモくんが手を振ってくれる。

ルーク「この画面は二度とみられないよな。」
アミダラM「レアものよね。」

そして正午。


・・・みなさま、地デジ対応はお済みですか?
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デザート・フラワー

2011-07-23 | 映画(た行)

■「デザート・フラワー/Desert Flower」(2009年・ドイツ=オーストリア=フランス)

監督=シェリー・ホーマン
主演=リヤ・ケベデ サリー・ホーキンス ティモシー・スポール ジュリエット・スティーブンソン

 スーパーモデルとして活躍するソマリア出身の美女ワリス・ディリー。幾多の困難を乗り越えて成功を収めた彼女。しかし、彼女は部族の風習で幼い頃に施された女性性器切除(FGM)で人知れず苦しんできた。僕はこの映画が訴えているFGMという人権問題に関して詳しくは知らなかった。この慣習で苦しむ女性がまだまだ世界にはたくさんいる。この映画で厳しい現実を知り衝撃を受けた。ワリス・ディリー自身もこの映画を監修しており、彼女が発したメッセージ、問題に対する憤りが銀幕を通じて強く訴えかけてくる。

 テーマが重いだけに「面白かった」という表現で感想を述べにくい映画。クライマックスに出てくる切除場面は観ていて辛い。しかし、この映画はそういうことばかりの辛い映画ではない。劇中語られる、ホームレス同然の状況からの成功物語、ルームメイトとなるマリリンとの友情、周囲の人々の温かさ、ショウビズの世界・・・それらは実にドラマティックで興味深く、見せ方もなかなか上手い。面白いのだ。だからこそ、訴えたかった重いテーマについて観客も抵抗なく受け入れられるのだ。ワリスをモデルとして見いだす写真家を演じたティモシー・スポールがいい演技をみせてくれるし、ダンサー志望の友人マリリンを演じたサリー・ホーキンスもうまい。ワリスを演じたモデル、リヤ・ケベデも演技経験はないながらも健闘。だんだんと輝きを増していくその姿と美しい肢体はこの映画の大きな魅力。主人公の姿に僕らは勇気づけられる。

 民族それぞれがもつ価値観や慣習は、尊重すべきものだろう。しかし、親からもらった身体を傷つけることや女性が苦しめられる現実がそこにあるならば、それは決して正しいものだとは僕には思えない。確かに重いテーマだけに、この映画をエンターテイメントとして気軽に観ることは難しいことだろう。観る機会を与えてもらわないと積極的に観る映画ではないかもしれない。しかし、この映画と訴えかけるテーマはあなたの心にきっとよいものを残してくれる。まずは、この映画に向かって欲しい。そして問題について知ること。そうすればこの映画はきっとあなたに勇気を与えてくれて、世界に対する視野を少しだけ広げてくれることだろう。

↓こちらはワリス・ディリーの著作。






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脱出

2011-07-22 | 映画(た行)
■「脱出/To Have And Have Not」(1944年・アメリカ)

監督=ハワード・ホークス
主演=ハンフリー・ボガート ローレン・バコール マルセル・ダリオ ウォルター・ブレナン

 聞くところによると、アーネスト・ヘミングウェイの原作はこんな英雄物語ではなく、けっこう情けない主人公なんだとか。それをヴィシー政権下のフランスが統治する島を舞台に、自由フランスの闘志を手助けする気骨ある船乗りに改変、ハンフリー・ボガートに演じさせるなんて戦時下のアメリカらしい作品とも言える。ピアノ弾きや粋な台詞の数々は、どうしても「カサブランカ」に共通する要素。でも、その後のハワード・ホークス監督作を考えると、登場人物の気持ちを代弁するような歌が挿入されたり、アル中の友人がいるところなんざぁジョン・ウェインとディーン・マーチンが素敵だった晩年の作品「リオ・ブラボー」だし。「カサブランカ」の二番煎じとけなすよりも、ホークス節の初期型として楽しむのが吉ではないか。

 おマセだと思うだろうが、僕は高校生の頃からハンフリー・ボガートが好きだった。「カサブランカ」で粋な台詞を口にして、別れた女を一人思い続け、クールなようで情があり、理解者はピアノ弾き。沢田研二が「あんたの時代はよかった」と歌ったことも影響の一つだし、トレンチコートの似合う大人になりたいと真剣に思っていた。「脱出」のボギーで、改めてかっこいいと思えた。ちょっと気障に聞こえる台詞の数々も、今ドキわかりやすい映画に慣れた人の感覚からいうと、ちょっと遠回しな表現なんだろう。でもそれがピンとくるのが大人だよな。何よりもこの映画で当時19か20歳だったローレン・バコールを夢中にさせちゃった訳だから!(後に結婚)。この銀幕の外側の歴史的なエピソードが、ますます「脱出」のボギーをかっこよく見せてくれる。

 ローレン・バコールもかっこよすぎ!低くてちょっとハスキーな歌声、人に頼らないような強さを見せたり、ボギーの世話を焼きたがる押しかけ女房みたいな一面も。ラストシーンの体を揺らしながらニッタリとした笑顔。名台詞「私に用があったら口笛を吹いてね。」こんなふうに言い寄られてみたい!と1940年代クラシック映画を観ながら考える40代男子もいかがなものか(汗)。



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7月18日(月)のつぶやき

2011-07-19 | Weblog
ツイートに加筆。

この週末は映画三昧。WOWOW録画で途中まで観ていた、ハンフリー・ボガートの「脱出」を片付ける。ローレン・バコールこれで19歳⁈。かっこよすぎる。同じく録画しておいたロジェ・バディム監督の「獲物の分け前」。セクシーなジェーン・フォンダに見とれる2時間。しかし、途中で北九州は突然の大停電。いいとこなのにー!

北九州映画サークル協議会の例会「デザートフラワー」は、扱ってるテーマが重いだけに、「面白かった」という感想が言いにくいけど、作り手の意気込みを感じた。ティモシー・スポールがいいキャラですな。

そして、なでしこジャパンの大勝利に歓喜した後は…

16:46 from Twitter for iPhone
配偶者アミダラMと「コクリコ坂から」をWMC戸畑にて鑑賞。描かれた昭和30年代に温かみを感じるには、やさしい絵柄のアニメだからこそ。部室棟カルチェラタンがワンダーランドみたい。文化部万歳!(笑)それに電停での告白場面にはキュンときたね!「借りぐらしのアリエッティ」よりも好きかも。
by t_somelikeithot on Twitter

さーて。感想書くのがたまってしまった。ぼちぼちやります。まずは締め切りがある「デザートフラワー」からかな。ブログ記事、しばしお待ちを。

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天使の肌

2011-07-15 | 映画(た行)

■「天使の肌/Peau D'Ange」(2002年・フランス)

監督=ヴァンサン・ペレーズ
主演=モルガーヌ・モレ ギョーム・ドパルデュー マガリ・ヴォック

●2003年カブール・ロマンティック映画祭 新人賞 

 あなたには、その後の人生を大きく左右されたような出会いがありますか。大なり小なりあるとは思うのだが、それがたった一度きりの出会いで、生涯忘れられなくなるほどの経験はなかなかないと思うのだ。フランスのイケメン男優であるヴァンサン・ペレーズの監督作品である「天使の肌」は、そんな出会いに翻弄された純粋な心をもった少女の物語。彼の主演作で思いつくのは、カトリーヌ・ドヌーブに誘惑されちゃう若い軍人を演じた「インドシナ」、ソフィー・マルソーにストーカー的片思いをする「恋人たちのアパルトマン」。他にもいろいろあるのだが、彼がその2本で演じた役は、どちらもその女性との出会いが彼の運命を大きくしかも劇的に変えることになるものだ。運命の女(ファム・ファタル)に翻弄されるお話は、人間模様を描ききるフランス映画なら当たり前の題材だろう。でもそれ以上に、一途に真剣に人を思い続けることをこの「天使の肌」は教えてくれる。それはペレーズ監督が役者として培ってきたことかもしれない。

 貧しい家庭に育った主人公アンジェルは住み込みの家政婦として働いていた。ある日、母親の葬儀で帰郷していた男性グレゴワールと出会う。母を失った悲しみと自己嫌悪。グレゴワールは音楽プロデューサーだと戯れに嘘をつく。家政婦の友人が音楽好きのアンジェルを彼に紹介したことが二人の出会いとなった。嘘を告白したグレゴワールは悲しみを癒したい気持ちから、アンジェルと一夜を過ごす。アンジェルにとっては初めての経験だし、グレゴワールに対する気持ちも初めて味わうもの。しかし、グレゴワールは姿を消してしまう。彼にとっては一夜の癒しに過ぎなかったのだから。彼は製薬会社に就職し、社長の娘に気に入られるが、心のどこかではアンジェルを忘れられずにいた。一方、アンジェルはグレゴワールへの思いから同じ製薬会社社員の家で働くが、ここで事件に巻きこまれ、無実の罪で投獄されることに。それでも自分を主張せず淡々と日々を受け入れていくアンジェル。しかしアンジェルがグレゴワールの知人であることが、グレゴワールの結婚や生活に障害になり始める・・・。

 何とも勝手な男。ギョーム・ドパルデューその人を悪く思ってはいないけど、「ベルサイユの子」といい本作といい・・・あまりよイメージは残らない。この映画はアンジェルを演ずるモルガーヌ・モレが最大の魅力。純粋な心で彼を思い続けるのだが、かといって耐える女でもなく、愛に疑問を抱き続ける迷える存在でもない。ただ神を信じない。それだけ。この映画がアンジェルの姿を通じて訴えたいのは「許し」なのではないだろうか。自分を捨てたグレゴワールを(彼にはそういう意識すらないだろうが)、自分を働きに出した両親を、こういう運命を歩むことにした神をもアンジェルは「許し」続ける。だから神を信じない彼女が修道院に身を置き生活することができたのではなかろうか。アンジェルの死を知ったグレゴワールが再び帰郷し、母の墓を訪れるラストシーン。それは母に素直に向かい合い「許し」てもらいたかったから。そんな彼の姿をも、アンジェルは天からものを言わず見守っているのだろう。不思議な余韻を残すフランス映画。

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7月11日(月)のつぶやき

2011-07-12 | Weblog
ツイートに加筆。

12:25 from Twitter for iPhone
夜中に「暑い」とやたら寝相の悪い配偶者。そりゃそうだよ。熱っぽかったとはいえ、エアコン使わず、ジャージみたいな寝巻き着て寝てれば当然さ。どんどん領海侵犯してきて、明け方に僕はベッドの外に寄り切られました。早起きして部屋を出た方が快適!しかし、お陰でモーレツに眠い。昼休みに寝ます。
by t_somelikeithot on Twitter

2日連続、昼休みに爆睡。それもこれも夜が眠れていないのだ。
配偶者アミダラMは熱っぽいからジャージぽい寝間着を着てた訳じゃなくて、この暑いのにいつもなのさ。日中もエアコンを入れたがらない人。まぁ、いろんな理由はあるのだろうけど。

このツイートに対しては、友達から「夫の鑑」だの「夫婦愛」だのコメントをもらったが、当の自分は安眠のために家庭内別居はできないのか・・・とマジで考えていた。

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ウルトラマンと「正義」の話をしよう

2011-07-10 | 読書
著者の神谷和宏氏は中学校の教師。10数年間にわたって、「ウルトラマン」のエピソードを見せて「正義」について考えさせる授業をしてきた方だ。そういう人がいる、ということは以前から存じていたのだが、今回その内容が出版された。立ち寄った本屋で1冊だけ棚に残っていたものを購入し、一気に読み上げた。

ウルトラマンと「正義」の話をしようウルトラマンと「正義」の話をしよう
神谷和宏

朝日新聞出版 2011-07-07
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「ウルトラマン」シリーズは単なる勧善懲悪ではない。ジャミラが登場する「故郷は地球」に代表される実相寺昭雄監督の作品では、ヒーローものを見ているのに心に長く残る哀しみや世の中への疑問が刻まれたものだ。神谷先生は「ウルトラ」シリーズを分析し、放送された当時の時代性や民族性、ナショナリズムなど多様な視点から名エピソードを解説している。今どきの中高生にこれらを題材にものを考えさせる試みはたいへん素晴らしい。きっといいことを教えてくれると思うのだ。

僕は1966年生まれなので、初代「ウルトラマン」は再放送組。真剣に見始めたのは「ウルトラセブン」から・・・そして子供が生まれてから平成ウルトラシリーズを真剣に見た。中でも非戦を貫く「ウルトラマンコスモス」には夢中になったし、人類の存在を見つめ直す「ウルトラマンガイア」には衝撃を受けた(劇場版は屈指の傑作だと信じている)。「メビウス」には懐かしさとともにスピリットが引き継がれていることにいたく感動したものだ。

かくいう僕も専門学校生を相手に、"ヴァーチャル社会見学"の目論見で映画を観てレポートを書かせる「映画授業」を数年間させていただいた。いろんな国々の映画を観て視野を広げることや社会問題、平和について考えさせることが目的だった。最後にやった2009年にはさらに一歩進んで、"人間の残酷さ"や"人に支えられていること"についても考えさせる題材にも挑んでみた。切り口は違うものの、学生たちに向けたメッセージは近いものがある。神谷先生の「ウルトラマン」授業を受けた学生たちが「ウルトラ」シリーズのスピリットを受け継ぐとともに、様々な面から物事を考えるようになったのではないか。素晴らしい試みだし、30分の映像作品というところが現場にとっては現実的でもある。

この夏休みに僕はこの本を中学生の息子と読みたいと考えている。だいたい小学校中学年から(誰が与えたのか)宗田理の「僕らの~」シリーズを読んで、世間や大人に対する厳しめの視点を持ってる。彼が今の目線で何かを感じてくれれば・・・と思うのだ。

神谷先生の本にも登場する問題作「帰ってきたウルトラマン」の「怪獣使いと少年」。その続編となるエピソードが「ウルトラマンメビウス」の「怪獣使いの遺産」を、息子が7歳のときに観ながら描いた絵がある。
 
これを描いたときの日記はこちら
差別や集団心理の怖さを描いたオリジナルに対して、続編では優しさの連鎖が語られる印象深いエピソード。僕はこの回を涙なしに見ることができなかった。息子はこのエピソードに込められたメッセージはもう覚えていないかもしれない。でもきっと記憶のどこかから呼び起こされるものがあるに違いない。

ウルトラマンメビウス Volume 8 [DVD] DVD帰ってきたウルトラマン Vol.9

じっくりシリーズを見直したくなりました。神谷先生、ありがとう。

↓こちらも是非ご覧ください。
ウルトラマン基金 ULTRAMAN FOUNDATION

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