Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

1月のBGM

2015-01-31 | 音楽
2015年1月に聴いていた愛すべき音楽たち。

■ソードアート・オンライン ソングコレクション/various
ソードアート・オンライン ソングコレクション
昨年は何かといいアニメ作品に出会えて、自宅では映画そっちのけでアニメ見ていた気がする(恥)。中高生じゃあるまいし・・・と言われそうだが「SAO」はその中でも群を抜いてハマったもののひとつ。ネットゲームからの決死の脱出劇を描く前半と、ヒロインの救出劇を軸に危うい三角関係がスリリングだった後半。サイバーゾーンでの活躍をカッコよくみせるだけなら凡作だったろう。だがこれは違う。誰もが何か問題に立ち向かって生きている。それは現実も非現実もない。そこをテーマに貫いているからだ。主人公キリトの活躍もワクワクするが、登場人物それぞれの心の動きがアクション場面以上にスリリング。キャラソンとOP、EDを全収録したこのアルバム、年明けからしばらくパワープレイしていた。

春奈るな 『Overfly』


■空も飛べるはず/さよならポニーテール
空も飛べるはず/ビアンカ/恋するスポーツ
昨年後半、長女レイアが「氷菓」をきっかけにアニメ覚醒(親が悪い)。先月から「つり球」をDVDで真剣に見ていた。EDテーマはスピッツの「空も飛べるはず」のカヴァー。草野正宗が歌う優しいメロディがいたく気に入ったレイアは、「これをギターで弾けるようになりたい!」と宣言した。どうなることやら。しかし、女の子のか細い歌声で聴くと、この曲の優しさがいっそう心に染みる気がする。癒しの一曲。

さよならポニーテール 『空も飛べるはず』


■Images & Words/Dream Theater
Images & Words
ガラリと変わってプログレハードの大傑作アルバム。Dream Theaterもいろいろあるけど、やっぱりこれでしょ。ハードな大作とメロディックなパワーバラードのバランスが素晴らしく、何度聴いても飽きない。タイトで正確無比なリズムにテクニカルなギターとキーボードが絡むアンサンブルの凄さ。90年代の中頃、僕はプログレを打ち込みで演奏する試みをやっていた(某FM局主催のコンテストで入賞)。まさに打ち込みだったMagellanと並んで、このアルバムもその影響のひとつ。

Dream Theater - Pull Me Under (Images And Words Live in Tokyo) HQ


■Billy Elliot/various
リトル・ダンサー (Billy Elliot:music from the original motion picture soundtrack)
大好きな映画のひとつ「リトル・ダンサー」のサントラ盤。挿入される映画の台詞に浸ってしまう。ほんっといい映画だったよなぁ。T-Rex、Jamの入門編にはピッタリのアルバムだけに、iPodには台詞抜きで入れてたりするのだが。Town Called Malice(悪意という名の街)と、僕自身もお子様の頃ラジオで聴いてた不良ロックLondon Callingが好き。

The Jam - Town Called Malice


□Live : coba tour 2015

アコーディオン奏者cobaが、新作のカヴァーアルバムを引っさげて今年のツアー。初日が北九州ということで行って参りました。本名時代のCDも買ってただけに、生で演奏聴けるとは感激。bittersweet samba(オールナイトニッポンのあの曲ね)から始まって、バリー・マニロウ、ゲゲゲの鬼太郎、クィーンと自身のルーツに影響ある選曲。吉井和哉もそうだけど、こういう個人的理由で選ばれたカバーは、アーティストの人柄が感じられていいよね。しかし、カバーよりも代表作がエネルギッシュなcoba氏とスゴ腕ギタリストの演奏で聴けたのが嬉しい。大音量のアコーディオン、その音圧にシビレました。
cobacabada

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ジャージー・ボーイズ

2015-01-18 | 映画(さ行)

■「ジャージー・ボーイズ/Jersey Boys」(2014年・アメリカ)

●2014年報知映画賞 作品賞(海外)

監督=クリント・イーストウッド
主演=ジョン・ロイド・ヤング エリック・バーゲン マイケル・ロメンダ クリストファー・ウォーケン

 クリント・イーストウッドがブロードウェイミュージカルを映画化するなんて、誰が想像できただろう。骨太でハードな男のドラマを撮るイメージが強いイーストウッド監督だけに、ミュージカルは確かにカラーではないだろう。しかしだ。そもそもイーストウッド自身は音楽に執着のある人物。「ミスティック・リバー」や「チェンジリング」「J・エドガー」などの近作では音楽を担当しているし、古くは「センチメンタル・アドベンチャー」でカントリーシンガー役を演じている(この時共演した息子カイルは現在ジャズミュージシャンとして活躍している)。そしてこの4人組コーラスグループの物語は、ニュージャージーの不良少年たちが音楽で成り上がっていくストーリー。理想を追う者もいれば、汚いまねをする者もいるし、才能に恵まれた者もいれば、その引き立て役でしかない者もいる。相容れない者たちのドラマは、まさにイーストウッドの得意とするところだ。実は格好の素材だったとも言える。

 週末に酒場で演奏する以外は、地元ギャングのボスにお世話になってるよな不良少年3人組。盗みで刑務所の出入りを繰り返すトミーとニック二人に対して、メインボーカルのフランキー・ヴァリは、ギャングのボスに「お前の声は神様の贈り物だ」と涙させる程の才能をもつ。3人はよりビッグになるために、当時ラジオでヒットを飛ばしていたボブをソングライターに起用しようとする。そして、メンバーと対等の関係を希望するボブを4人目のメンバーとして迎え、フォー・シーズンズと名乗ることになる。ハイトーンのファルセットが一度聴いたら忘れられない名曲「シェリー」の大ヒット。そして次々にヒットを飛ばす彼ら。上がる人気の一方で、トミーはツアーやショーを維持するために無理な金銭の工面をしていた。やがて、その借金が問題となり、メンバーは分裂状態に・・・。フランキーはその借金返済のために歌い続けることを決意する・・・。

 うまい演出でニヤリとさせる場面が多く、流れる音楽にも気分を高められて130分超の上映時間は退屈することはない。フランキー復活の大ヒット曲であるCan't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)を歌い始める場面は鳥肌もん。世代を超えて愛されているこの曲の持つ力を改めて感じてしまう。無名時代に教会に忍び込んで歌の練習をさせる場面の面白さや、イーストウッド主演のテレビ番組「ローハイド」がちょっと出てきたりで、わくわくしてしまう。映像と音楽が一体となった瞬間の感動は、これまで数々の映画で味わってきた。この映画のラスト、ロック殿堂入りの再結成ステージの場面は、音楽が高めてくれる気持ちと、紆余曲折を乗り越えてきた男たちの姿にこみあげてくるものまでが一緒になる。語るべき物語が世の中にはまだまだある、と力作を次々に発表するイーストウッド監督。今回は楽しんでいる余裕さえ感じるのである。素晴らしい。

映画『ジャージー・ボーイズ』予告編(ロングバージョン)【HD】 2014年9月27日公開



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毛皮のヴィーナス

2015-01-04 | 映画(か行)

■「毛皮のヴィーナス/La Venus A La Fourrure (Venus In Fur)」(2013年・フランス=ポーランド)

●2013年セザール賞 監督賞
●2013年リュミエール賞 脚色賞

監督=ロマン・ポランスキー
主演=エマニュエル・セニエ マチュー・アマルリック

 "マゾ"の語源としても知られる作家マゾッホの小説「毛皮のヴィーナス」。その舞台劇を上演しようとするオーディションが不調で終わった夜。脚本家で演出家トマだけが残った劇場に、雨に濡れた女優が一人遅れてやってくる。彼女の名は「毛皮のヴィーナス」の主人公と同じワンダ。トマは彼女を追い返そうとするのだが、ワンダは厚かましくもオーディションを受けさせるように粘り始めた。二人だけのステージで始まった演技。ワンダはこの作品が"SM小説"だと自分の考えを主張し、トマは"愛の物語"だと脚本家の立場で反論する。演技の間に激しい論争を交えながら、数ページで終わるはずだった二人だけの舞台劇はそのまま続く。そして主導権を執っていた立場が次第に逆転していく。小説の主人公セヴリンは自身の投影ではないとトマは力説するのだが、やがて彼の言動はワンダのリードで変化を始める・・・。

 ポランスキー監督は舞台で活躍していた経歴があるだけに、監督作の映画には舞台劇的な作品がしばしばある。本作と同じくブロードウェイの舞台劇を映画化した「死と処女(おとめ)」もあるし、代表作「戦場のピアニスト」「反撥」のように少ない登場人物を掘り下げて描くのも得意とするところだ。この「毛皮のヴィーナス」の登場人物は二人だけ。90分余の上映時間は緊張感に満ちたものだった。とにかく気が抜けない。ワンダの発する言葉から、トマが態度を変えていくタイミングがまったく予測不能なのだ。カメラは二人をフレームから外さないように引いた構図が多いのだが、時々挿入されるアップには強いインパクトがある。特筆すべきはワンダに皮のブーツをトマが履かせる場面。ジッパーを上げながら、観客の視線もトマの視線もワンダの大きく開かれた脚の間へと導かれる。「他の監督ならとっくにヤッちゃってるわよ」と扇情的な言葉を口にするワンダだが、トマは自分は違うと言い張る。だが、彼女のリードに導かれて隠されていた自分をさらけ出していく。

 エマニュエル・セニエは、ポランスキー監督の「フランティック」でハリソン・フォードの相手役を演じた。その後は数々のフランス映画でバイプレイヤーとしても活躍してきた。夫の作品「赤い航路」(変な映画だったな・・・)では性に未熟な若い女だった彼女が、年齢を重ねてこんな役が演じられるようになったとは。トマと共に圧倒されたのはスクリーンのこちら側も同じ。いやはや濃密な時間でございました。マゾッホの原作を映画化したラウラ・アントネッリ(「青い体験」)主演の「毛皮のヴィーナス」が観たくなった。レンタル店あるかな。

トイレに貼られてたステッカーがナイス。男性トイレには"怖がらずに一歩前に来なさい"って・・・いいセンスだ。



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tak's Movie Awards 2014

2015-01-01 | tak's Movie Awards
中学3年の年末に、映画好き友達と「ロードショー」や「スクリーン」誌の真似して年間ベストを選んでから34年。いち映画ファンによる映画愛表現の手段として、今年も個人的べスト作品を選出します。とはいえ、若い頃と違っていろんなことで忙殺される日々。フットワーク軽く映画館に行ったり、レンタル店に通い詰めるなんてできない。それだけ観る映画を自分で厳選する嗅覚がますます必要になっているのだ。

そして若い頃とは違って日々のいろんなことに悩まされる日々。今年は些細なことから深刻なこと、私的なことからお仕事のことまで悩んでしまうことの多かった年だった。何を信じていいのかが疑われる出来事が、世間でも自分の身の回りでも次々と起こった年だったようにも思う。世間の情報や見てくれに踊らされずにいることの難しさ。

そんな2014年に観たすべての映画から、私takが選んだ私的映画賞がこちら。国際映画賞の結果なんぞ関係なく、あくまでも個人としてグッときたかが基準。特に今年は自分を励ましてくれる映画が多かった。いや、映画がもつ力とともに、いろんな事に励まされ続けた年だったよな気もするのです。感謝。(昨年の結果はこちら

★対象は2014年に観たすべての映画(劇場、DVD、VTR、地上波、BSすべて含む)。新作、旧作を問わない。
★劇場公開することを前提に撮られた映画を対象とする。いわゆるVシネマ、OVAなどビデオリリース目的のものは含まない。

■作品賞=「きっと、うまくいく/3 Idiots」(2009年・インド)

今まで敬遠してきたマサラムービーだったが、いやはや参りました。あっという間の3時間。途中に入った5分間の休憩時間が邪魔に感じるほど、先が観たくて仕方なくなった。人情喜劇、青春ドラマ、お約束のミュージカル場面、成長物語、謎解き、涙・・・映画に求められるエンターテイメントをてんこ盛りにしながらも、決して無駄がない。エンドロールを観ながら「すげえ」と口にしてしまった映画、これまで何本あっただろうか。そして悩み多き日々を送る僕らの背中を、ドーンと強烈に押してくれるような前向きさと優しさに満ちた映画。世間的には2013年公開作。だけど、小倉昭和館で今年この映画に巡り会ったのは、僕にとってとても意味のあることのように思えたのでした。傑作エンターテイメント。

今年の10本
「思い出のマーニー」(2014)
「紙の月」(2014)
「きっと、うまくいく」(2009)
「猿の惑星:新世紀(ライジング)」(2014)
「ジャージー・ボーイズ」(2014)
「ゼロ・グラビティ」(2013)
「そこのみにて光輝く」(2013)
「her/世界でひとつの彼女」(2013)
「マダム・イン・ニューヨーク」(2012)
「LIFE!」(2013)


■監督賞=アルフォンソ・キュアロン「ゼロ・グラビティ」(2013)

上映時間の間ずっと椅子にしがみついていた(恥)。これはまさに"映像体験"だった。だが「ゼロ・グラビティ」はただの見せ物娯楽映画ではない。困難に立ち向かうヒロインの姿に気づくと勇気づけられている。ラストシーンで大地に立ち上がるサンドラ・ブロックに涙が出た。ただ立ち上がるだけなのに。この物語を観たこともない映像で表現したキュアロン監督の手腕に素直に感動。

今年の10人
アルフォンソ・キュアロン「ゼロ・グラビティ」(2013)
市川準「トニー滝谷」(2004)
ウディ・アレン「ブルー・ジャスミン」(2013)
クリント・イーストウッド「ジャージー・ボーイズ」(2014)
呉美保「そこのみにて光輝く」(2013)
フランソワ・オゾン「危険なプロット」(2012)
ペドロ・アルモドバル「オール・アバウト・マイ・マザー」(1998)
ベン・スティーラー「LIFE!」(2013)
ラージクマール・ヒラニ「きっと、うまくいく」(2009)
吉田大八「紙の月」(2014)


■主演男優賞=ベン・スティラー「LIFE!」(2013)

冴えない顔したベン・スティラーが、物語が進むにつれてだんだん自信にあふれてくる。日頃の憂さを忘れさせるような広大な風景がスクリーンに広がる。ショーン・ペンに手招きされて大きな一歩を踏み出す主人公は、スクリーンのこっち側でその一歩を踏み出せずにいる僕らの心をムズムズさせてくれるのだ。彼の監督作「リアリティ・バイツ」から年齢を経て、ベン・スティラー自身の映画人としての成長を感じさせる秀作だった。

今年の10人
ウォルター・マッソー「サブウェイ・パニック」(1974)
ジェームズ・コーデン「ワン・チャンス」(2013)
ジェフリー・ラッシュ「鑑定士と顔のない依頼人」(2013)
ジョン・ホークス「セッションズ」(2012)
ジョン・ロイド・ヤング「ジャージーボーイズ」(2014)
ファブリス・ルキーニ「危険なプロット」(2012)
フォレスト・ウィティカー「大統領の執事の涙」(2013)
ベン・スティラー「LIFE!」(2013)
ホアキン・フェニックス「her/世界でひとつの彼女」(2013)
丸山明宏「黒蜥蜴」(1968)


■主演女優賞=宮沢りえ「紙の月」(2014)

今年は、舞台「海辺のカフカ」で宮沢りえの演技を生で観る幸せに恵まれた。舞台で高い評価を得ているりえちゃんだが、映画では「たそがれ清兵衛」や「父と暮らせば」「トニー滝谷」あたりが代表作。どこか玄人受けする地味な印象がある。吉田大八監督が角田光代の原作に挑んだ本作では、重いテーマの中に日々の生活にちょっと疲れた顔、年下彼氏とかわいくはしゃぐ顔、緊迫した場面のシリアスな顔と、今の彼女だからできる様々な表情を見せてくれる。間違いなく代表作となる名演。

今年の10人
池脇千鶴「そこのみにて光輝く」
エイミー・アダムス「アメリカン・ハッスル」
オドレイ・トトゥ「ムード・インディゴ うたかたの日々」
ケイト・ブランシェット「ブルー・ジャスミン」
サンドラ・ブロック「ゼロ・グラビティ」
シュリデヴィ「マダム・イン・ニューヨーク」
ニコール・キッドマン「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」
ハ・ジウォン「ハナ 奇跡の46日間」
ミア・ワシコウスカ「イノセント・ガーデン」
宮沢りえ「紙の月」


■助演男優賞=ハリソン・フォード「エンダーのゲーム」(2013)

助演ながらハリソン・フォードがSF映画に出てくるだけで映像がビシッと締まってしまうのは、僕らが「スターウォーズ」育ちだからだろうか。ゲームに卓越した才能をもつ少年少女をヴァーチャル兵士に育て上げる軍人を見事に演じておりました。最近脇役でいい仕事が多い。これもそのひとつ。

今年の10人
アンドレ・デュソリエ「美女と野獣」
オマール・シー「ムード・インディゴ うたかたの日々」
クリストファー・ウォーケン「ジャージー・ボーイズ」
ゲイリー・オールドマン「ロボコップ」
ダニエル・ブリュール「RUSH プライドと友情」
ティム・ロス「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」
ハリソン・フォード「エンダーのゲーム」
ベン・キングズレー「エンダーのゲーム」
リー・ヴァン・クリーフ「怒りの荒野」
ロバート・ショウ「サブウェイ・パニック」


■助演女優賞=エイミー・アダムス「her/世界でひとつの彼女」(2013)

人格を持つOSに恋をした主人公を見守る女友達役は、他の映画でキラキラと輝く彼女とは大きく違うやや冴えない役柄だ。しかし、主人公の本当の理解者であるこの映画の彼女は、自分にもこういう理解者がいてくれたらと思わせるに余りある素敵な存在。今年は「アメリカン・ハッスル」でもセクシーで気丈ないい女を演じてくれた。これからも応援したいハリウッド女優。

今年の10人
エイミー・アダムス「her/世界でひとつの彼女」
エマニュエル・セニエ「危険なプロット」
小林聡美「紙の月」
ジェニファー・ローレンス「アメリカン・ハッスル」
ジュリー・ウォルターズ「ワン・チャンス」
ジュリアン・ムーア「フライト・ゲーム」
ペネロペ・クルス「オール・アバウト・マイ・マザー」
ヘレン・ハント「セッションズ」
余貴美子「あなたへ」
ルーニー・マーラ「her/世界でひとつの彼女」


■音楽賞=ボブ・クリュー/ボブ・ゴーディオ「ジャージー・ボーイズ」(2014)

フォーシーズンズの栄光と挫折を描いたブロードウェイミュージカルをクリント・イーストウッドが監督するなんて誰が予想しただろう。キャストたちがオリジナルに負けない熱唱を聴かせてくれる。人生と歌が重なるクライマックスは何とも言えない余韻を残してくれる。今年も旧作のノミネートが多いこと。

今年の10人
井上尭之「太陽を盗んだ男」
エンニオ・モリコーネ「鑑定士と顔のない依頼人」
坂本龍一「トニー滝谷」
周防義和「舞妓はレディ」
ジム・オルーク「私の男」
バーナード・ハーマン「北北西に進路をとれ」
ボブ・クリュー/ボブ・ゴーディオ「ジャージー・ボーイズ」
宮川彬良/宮川泰「宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟」
村松崇継「思い出のマーニー」
リズ・オルトラーニ「怒りの荒野」


■主題歌賞=Step Out (Jose Gonzalez) 「LIFE!」(2013)

世間的には今年の映画主題歌と言えば「アナ雪」の"レリゴー"なんだろうけど、僕は人生の応援歌のようなこの映画のサウンドトラックにノックアウトされた。予告編でも使われたホセ・ゴンザレスの"Step Out"のわき上がるような高揚感。サントラは他にもデビッド・ボウイの"Space Oditty"(本編でも使われ方は最高だった!)やホール&オーツの"Maneater"の見事なカヴァーを収録。今年の主題歌賞は大激戦。

今年の10曲
BLUE (水樹奈々)「宇宙戦艦ヤマト2199追憶の航海」
Fine On The Outside (Priscilla Ahn)「思い出のマーニー」
Let It Go (Idina Menzel)「アナと雪の女王」
Live And Let Die (Paul McCartney & Wings)「アメリカン・ハッスル」
Space Oditty (David Bowie feat. Kristen Wiig)「LIFE!」
Step Out (Jose Gonzalez)「LIFE!」
Sweeter Than Fiction (Taylor Swift)「ワン・チャンス」
This Woman's Work (Kate Bush)「結婚の条件」
シネマタイズ(映画化)(特撮)「ヌイグルマーZ」
ヌイグルマーZ(特撮X中川翔子)「ヌイグルマーZ」


■ベストアクション映画=「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(2014)

日本のライトノベルをハリウッド映画化したSF活劇。アクションがどうだこうだというよりも、見せ方の面白さこそがこの映画の魅力。トム・クルーズのSF作品はハズレがないよな、悔しいけど。

■ベストコメディ映画=「WOOD JOB!神去なあなあ日常」(2014)

矢口史靖監督は新作が常に楽しみな映画作家のひとり。今回はオリジナル脚本ではなく、三浦しをんの小説を映画化。都会人から見た山村のカルチャーギャップをおもしろおかしく描いている映画じゃないところが素晴らしい。

■ベスト恋愛映画=「たまこラブストーリー」(2014)

アニメだからってナメたらいかん。卒業を控えた高校生の恋心を描くだけではなく、親世代の心をもキュン!とさせる見事な作品。「だいすき」って何気ない言葉がこんなにも心に響くなんて。

■ベストミステリー/サスペンス=「イノセント・ガーデン」(2013)

パク・チャヌク監督のハリウッド進出第1作はおどろおどろしい雰囲気が極上のスリラー。思春期の不安定な心と異常心理を融合させた見事な展開。この映画は記憶として残らない。背筋に感覚として残るのだ。

■ベスト人間ドラマ=「あなたへ」(2012)

今年は昭和の名優が亡くなった年でもある。地元北九州ロケ作品でありながら、公開当時スルーしてしまっていた高倉健の遺作「あなたへ」。訳ありの男たちが織りなすエピソード。あと10年若かったらこの映画の良さはわからなかったと思うのだ。ありがとう、健さん。

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