Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

3月のBGM

2014-03-31 | 音楽
2014年3月に聴いていた愛すべき音楽たち。

■Past Masters Vol.2/The Beatles
Past Masters 2
NHK FMの番組「とことん○○ 本物が聴きたくなるビートルズソングス」再放送を通勤中に聴いていた。聴いたことのないカバー作品やトンプソンツインズのRevolutionの懐かしさにワクワクしてしまった。んで、本物が聴きたくなって久々に手にした。Let It Beはやっぱりシングルのヴァージョンがしっくりくる(特に間奏のギターソロ)のだが、アルバムヴァージョンの方が聴く回数が圧倒的に多いのでハイハットの音にかかるディレイがないと寂しい自分がいたりする。改めて聴くと楽曲のよさを実感できるね。

■The Museum ll/水樹奈々
THE MUSEUM II(BD付)
今月の通勤BGMにしていた水樹奈々のベスト盤。7月にわが北九州でライブがなんと2days!きゃーっ!でもあのサイリウムを振る群衆に入る勇気、もうtakお兄さんにはないぞ(汗)。でも、もしチケットが手に入るなら・・・きっと行っちゃいます!。多分、いやきっと。奈々さんの歌声には元気をもらいます。はい。

■Niagara Triangle Vol.1/大瀧詠一、山下達郎、伊藤銀次
Niagara Triangle Vol.1 30th Anniversary Edition
ナイアガラ音頭が無性に聴きたくなりまして。僕は80年代に銀ちゃんの大ファンだった人なので、ココナツバンクやこうした昔の音源を聴くのは楽しい。フライング・キッズのバンド名の由来となった達郎の楽曲や名曲「パレード」も好き。「vol.2」ほど聴きまくったアルバムではないけれど、愛すべき作品。

■15の夜/尾崎豊
十七歳の地図
缶コーヒーで手を温める歌詞が出てくる歌って、なんだったけ・・・と検索していて、久々に尾崎の「15の夜」を聴いた。いい曲だよなぁ。80年代のストリート系ロックって、今聴くとかっこいい。うちの長男ルーク、リアル15歳になったけど、この歌が語る10代男子の苛立ちとやり場のない切なさをマジで理解できるお年頃。こっそりこの曲をiPodに入れておこうか。ついでに石田衣良の小説「4 TEEN」を読ませるのもいいな、と考える父アナキンである。

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ビッグ・フィッシュ

2014-03-24 | 映画(は行)

■「ビッグ・フィッシュ/Big Fish」(2003年・アメリカ)

監督=ティム・バートン
主演=ユアン・マクレガー アルバート・フィニー ヘレナ・ボナム・カーター

 ティム・バートンの最高傑作だと?。そこまでは思わないけど、従来のバートンファンだけでなく一般の方々にも十分受け入れられる秀作となっているのは確かだ。異形のものへの愛情がバートン映画の特徴だった。本作にはそうした要素はやたらたくさん出てくる。身長5メートルの大男、シャム双生児の女性シンガー、湖のほとりに住む魔女・・・しかしこの映画はそこに終わらない。この映画を観た後、最も心に残るのは父子の愛情なのね。そんなバートン映画は今まで1本も存在しなかった。父親が自分の結婚式の日にホラ話で主役を食ってしまって以来、まともに口もきかない間柄になった父と子。父親の死が迫ったことで、息子は次第に父親の真の姿を知り和解に至るのだ。

 魅力的な父親役は「トム・ジョーンズの華麗な冒険」のアルバート・フィニー。「エド・ウッド」のマーチン・ランドーもそうだけど、ティム・バートンはベテラン俳優を上手に使う。「トラフィック」のときはパンフに一行も触れられないひどい扱いを受けたアルバート・フィニーだが、やはり名優だった。子供の心を忘れないユーモアある父親を見て、自分ももっと父親と語るべきなのかな、自分も父親としてこれからも息子ともっともっといろんな話がしたいな・・・そう思わずにはいられなかった。子供が聞く父親の話って、どうしても大きくとらえがちだと思う。カッコつけるつもりはなくても、父親も多少誇張した話はするだろうし、子供もいいところしか覚えていない。だから話はますます大きくなる。おまけにこの映画の父親はホラ男爵とまでは言わないにしても、お話が上手な人だ。「親父の話は嘘ばかりだ。僕は本当の親父がわからない。」と息子は言うけど、そんな父親をやはり愛しているんだよね。

 それにしても全編に漂う幸福感は何だ。いままでのバートン映画にあった孤独感やダークな雰囲気は微塵も感じさせない。加藤登紀子の歌みたいに一夜にして家の前をお花畑にしてしまうエピソードしにても、感動的なラストにしても、愛し愛されるって素敵だな・・・という気分に酔わせてくれる映画だ。僕が一番涙腺がゆるんだのは、妻ジェシカ・ラングとアルバート・フィニーがバスタブで抱き合う場面。どの世代の観客にもグッとくる場面が用意されている。日常を忘れたくば観るべし。

(2004年筆)

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ロボコップ

2014-03-23 | 映画(ら行)

■「ロボコップ/Robocop」(2014年・アメリカ)

監督=ジョゼ・パヂーリャ
主演=ジョエル・キナマン ゲイリー・オールドマン マイケル・キートン サミュエル・L・ジャクソン

 僕はポール・バーホーベン監督のオリジナルに思い入れがある世代。メディアや社会を風刺したクールで、しかも暴力描写満載の奔放な作風は僕らを釘付けにしたものだ。このリメイク版新「ロボコップ」のビジュアルが解禁されたとき、正直なところ「え~?」と思った。だって黒くなってスリムになって、まるでバットマンじゃねえか。アクションは派手になるんだろうけど、オリジナルへのリスペクトが感じられるような映画になってるんだろうか。

 映画冒頭、サミュエル・L・ジャクソンがキャスターを務めるテレビ番組が、ロボットによる治安維持を肯定する偏った世論を訴える。映し出されるのは、世界の警察を気取るアメリカが世界各地の政情不安な地域で治安維持目的で投入したロボットの姿。どう見ても現地の人々に畏怖の対象となっているが、それを成果と伝える番組。機械に裁きが下せるか、犯罪が減ることを優先するのか、世論を二分する中、ロボットを開発販売する企業オムニコープ社は世間に愛される製品を出すべく、人間の思考とロボットの行動力を併せ持つものを目指していた。その矢先、ある事件を追っていた警官アレックスは自動車に仕掛けられた爆弾により愛する家族の前で瀕死の重傷を負う。オムニコープ社は遺族の承諾をとりつけ、アレックスをロボコップとして甦らせる。華々しいデビューを飾ったアレックス=ロボコップだが、その裏で犯人逮捕の成果を優先させるためアレックスの人間としての意志は抑え込まれていた。夫を取り戻そうとする妻、体面を保とうとするオムニ社、彼を守ろうとする科学者、そして次第に人間味を取り戻していくアレックス。彼が自分が襲われた事件の捜査に着手したことから、事態は大きく動き出す。

 ストーリーの基本はオリジナルをほぼ同様に追っている本作。「お前はクビだ!」のひと言で逮捕可能になるラストのオチが好きだったが、そこは異なる展開が待っている。オリジナルと大きく異なるのは家族愛の要素が加わっているところと、最新のSFX技術であの鋼鉄の体の下がどうなっているのかを明確に見せたところだ。脳手術をする場面なども出てくるので、グロいと感じる人もいるかもしれない。ともかく、いかにしてロボコップが造りあげられたのかを物語のメインに据えている。ロボットと比較した反応速度の遅れをカバーするために、バトルモードに入ったらアレックスの意識をシステムがコントロールするとか、ドーパミンの分泌をコントロールしたりする場面に、ノートン博士(ゲイリー・オールドマン、久々にいい役!)の葛藤が描かれるのも興味深い。右手だけは生身のまま、というところが最後に家族を抱きしめる場面に生きてていいですな。何はともあれ、オリジナル程の残虐描写もなく、万人受けするアクション映画として生まれ変わった「ロボコップ」だと言えるだろう。

 銀幕のこっち側では、世界各地の紛争地帯でロボット兵器が使用され始めている。それは紛れもない現実だ。アメリカ兵の被害を出さずに、現地の治安を維持できて問題を排除できる(解決ではない)。この映画でも、海外の紛争地ではそれを押しつけながら、様々な危惧があるからこそ自国では導入しない(できない)状況が描かれる。無人偵察機が飛び交うようなこのご時世で、「ロボコップ」がリメイクされたことにどういう意図があるのだろう。少なくとも映画のラストでキャスターが口汚く叫ぶような「米国万歳」的世論に立っているのではないことを望むのだが。


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アメリカン・ハッスル

2014-03-21 | 映画(あ行)

■「アメリカン・ハッスル/American Hustle」(2013年・アメリカ)

●2013年ゴールデングローブ賞 作品賞・女優賞・助演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)
●2013年NY批評家協会賞 作品賞・助演女優賞・脚本賞 

監督=デビッド・O・ラッセル
主演=クリスチャン・ベイル エイミー・アダムス ブラッドリー・クーパー ジェレミー・レナー ジェニファー・ローレンス

 いきなりだけど、愚痴らせてもらうよ。わが生息地である北九州市の映画事情は決してよくない。市内4カ所にはシネコン4つ、単館2スクリーンと銀幕数だけ見ると決して悪くないのだが問題はそこにかかる映画のセレクトだ。どこもほぼ同じ。シネコンは、アニメが多いところ、ミニシアター系がやや多い(経営母体が変わってからますます減少)、万人受けするとこと、ときどき驚くようなのをやってくれるところ。カラーはある、といえばあるのだが、結局大部分はほぼ同じ。タウン誌の映画紹介のコーナーは、市内によっぽどネタがないのか、近隣の中間市のシネコン(単館系と大手のバランスが絶妙)と福岡市の単館系を主に紹介している始末。だから1館だけ上映している映画があると、無駄に期待が高まってしまう。この「アメリカン・ハッスル」は、アカデミー賞10部門ノミネートとか謳っているくせに1館のみの上映。しかも発表翌週には終了しちゃうという。思えば昨年の「アルゴ」もそうだっただけに、観ておくべきか。しかし一抹の不安は、ラッセル監督の前作「世界にひとつのプレイブック」がどうも好きになれなかったことだ。それでも、このキャストなら観てもいいか、と考えて劇場へ。前置きが長くてすんまそん。

 長尺だが、確かに楽しい2時間18分だった。何より主演者がみんな魅力的。そのアンサンブルが何よりも面白い。体重を20キロ増やしてハゲでデブの詐欺師を、二枚目クリスチャン・ベイルが演じていること。ブラッドリー・クーパーのクレイジーな暴走振り、実はちょっとお気に入りのエイミー・アダムスは胸元チラつかせて(字幕が読みにくくて仕方ない・笑)、ジェニファー・ローレンスの軽いけどかわいい女を楽しく演じている。ジェレミー・レナーも誠実そうなイメージだけに政治家役はなかなかだ。ノークレジットで登場するロバート・デ・ニーロは、座ってるだけで凄みを感じてしまう。70年代の空気感を演出すべく散りばめられた音楽も、ビージーズにアメリカ、ドナ・サマーにELOと素敵な使われ方をしている。特にジェニファー・ローレンスがポール・マッカートニー&ウィングスの「死ぬのは奴らだ」に合わせて感情を高ぶらせる場面は最高。「プレイブック」では使われ方が気にくわなかった僕は「スティービー・ワンダーに謝れ!」と心の中で叫んだ(笑)。今回の使われ方はなかなか魅力的だ。

 ディティールや特定の場面を語ると、素敵な瞬間はいくつもあるのだが、残念ながら映画全体で観るとどうもすっきりしない。サスペンスはサスペンスなんだけど、ハードでもなく。コメディといえばコメディなんだけど、スッキリと笑わせてくれるでもなく。そのどっちつかずな雰囲気に楽しみ方を最後まで迷ってしまった気がする。それにジェレミー・レナー市長は、そもそもは市のためを思っての仕事だったはずなのに、利用されたような印象でなんとも可哀想。詐欺師の映画って、やっぱり「スティング」を超えられないんだよな。あの痛快さを味合わせてくれる映画はなかなかないもんだ。



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