Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

4月のBGM

2012-04-30 | 音楽
2012年4月に聴いていた愛すべき音楽たち。

■Complete Studio Collection/Madonna
マドンナの11枚組ボックス。サントラ収録曲があれば完璧なんだけど、Vision QuestとWho's That Girlは持っているから問題なし。後はI'm Brethlessくらいか?Erotica以降は聴いたり聴かなかったりだったので、これでマドンナ離れしていた時代を取り戻そう。円高差益のお陰で、輸入盤はなんと4,000円を下回る!
Complete Studio Albums (1983-2008)

■Triad Years Act1 ~ The Very Best Of The Yellow Monkey/The Yellow Monkey
吉井和哉の熱愛報道があった時、眞鍋かをりファンでもある僕は「吉井和哉って同い年なんだ!オレも頑張ろう!」と不謹慎にもつぶやいてしまった。いやいや、でも自分の美学を貫く姿勢はどんな分野でもかっちょいい。これを聴きながらパソコンに向かい、「Rock Star」やら「Spark」やら「空の青と本当の気持ち」やら熱唱してまった。あーカラオケ行きたい。「楽園」歌いたい。
TRIAD YEARS ACT1~THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY

■恋するシャンソン/original soundtrack
フランス映画「恋するシャンソン」はフレンチポップやシャンソンを台詞の一部に散りばめた不思議な映画。ジェーン・バーキン、エディット・ピアフ、シャルル・アズナブール、セルジュ・ゲンスブール、ジルベール・ベコーにジャック・デュトロン。フルサイズで聴くと何故選ばれたのか歌のよさがわかる気がするな。アラン・ドロンとダリダの「甘い囁き」の未収録が残念。
恋するシャンソン

■夢を見る人/Original Love
僕は田島貴男に似てるねとよく言われる。配偶者アミダラMは「骨格が似てるんだから同じ歌も歌えるやろ」と無謀なことを言う。あんな声出ないよ・・・と言いながらもカラオケでは「接吻」を熱唱してしまう。この「夢を見る人」はオリジナル・ラブの作品中でも特に好きな曲。
夢を見る人

ブログランキング・にほんブログ村へ blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゴーストライター

2012-04-28 | 映画(か行)

■「ゴーストライター/The Ghost Writer」(2010年・フランス=ドイツ=イギリス)

●2010年ベルリン国際映画祭 銀熊賞
●2010年全米批評家協会賞 助演女優賞
●2010年ヨーロッパ映画賞 作品賞・監督賞・男優賞・脚本賞・音楽賞・プロダクションデザイン賞
●2010年セザール賞 監督賞・脚色賞・音楽賞・編集賞 

監督=ロマン・ポランスキー
主演=ユアン・マクレガー ピアース・ブロスナン キム・キャトラル オリヴィア・ウィリアムズ

※注・結末に触れています。
ロマン・ポランスキー監督作は作品の振り幅が大きい。文芸大作があるかと思えば、ヒューマンドラマもあり、おどろおどろしいホラーやスリラーがあったかと思えば、サスペンス映画もある。初めて観たポランスキー作品は忘れもしない「ローズマリーの赤ちゃん」。その後「テス」「フランティック」「マクベス」「チャイナタウン」・・・と観ることになる。「ゴーストライター」はこれまでの監督作で言うならば巻き込まれ型サスペンスの「フランティック」に雰囲気は近いかもしれない。

元イギリス首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)が自伝を出版するためにゴーストライターを探していた。提示されたのは破格の条件。向かない仕事だとおもいつつゴーストを引き受けた主人公(ユアン・マクレガー)。しかし前任者は謎の死を遂げており、ラングの過去に様々な疑惑が浮かび上がってくる。そして真実に近づいた彼に危険が及ぶことに・・・。キネ旬1位、映画賞でも話題になったのに僕の生息地北九州市では未公開だった(近隣の中間市では公開)。やっと小倉昭和館が上映してくれたので、期待を胸に映画館へ。ちょっと疲れ気味の体に政治サスペンスはややきつかったが、次々に出てくる新事実やサスペンス描写に引き込まれる。

主人公が前任者が残した手がかりを紐解いていく過程がスリリング。観客にも主人公を通してしか情報は与えられない。その分だけ不安な気持ちにさせられる。ポランスキーが上手いのはその盛り上げ方。例えばクライマックス、首相夫人ルース宛の手紙が人の手を次々と渡っていく描写にはドキドキする。ちょっとヒッチコックを思わせる。シンプルで台詞すらないが、それでも戦慄を覚えるラストシーンは実に見事。他国のスパイ組織が政権の裏側で糸を引いていたという事実は衝撃的。もしかしたらアメリカを悪者にした結末は、アメリカではお尋ね者であるポランスキーなりの皮肉なのかもしれない。首相夫人のオリヴィア・ウィリアムズの存在感。ティモシー・ハットン、ジェームズ・ベルーシという懐かしい顔も嬉しい。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月28日のメフィラス星人

2012-04-28 | Weblog
地球人諸君、メフィラスだ。

ユーザー氏自宅の情報端末が不調でここ数日、ネットワークに接続することができなかった。回線の不具合らしく明日は修理が来るらしい。ユーザー氏の端末は、今期過去最大の赤字を記録した企業製だそうだが、お家芸だったテレビの業績が不調なのはこの件には関係ないだろう。いずれにせよ、更新が遅れて失礼したな。

今週、世間ではオザワという政治家が提供した4億円の使い道をめぐる裁判が話題だったようだ。ユーザー氏は「カネガナイ」が口癖で、この国では「ドケチのB型」という種族に分類されるらしいが、そんな金額をもつ種族ではないようだ。

そういえばユーザー氏は、昔女性から「乙女座のB型なんだ。嫌だぁ。」と言われて傷ついたことがあるらしい。・・・あ、ユーザー氏が「暴露するな」と言っているのでこの辺で。

ユーザー氏に謝るポーズをとらされてしまった・・・テレビでよく見る「申し訳あり​ませんでした」というヤツか。また会おう、諸君。

ブログランキング・にほんブログ村へ blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・新しい場所でうまくやっていけるかな♪

2012-04-24 | その他のつぶやき
転職して今の職場にやってきて2年経過。
この4月にまさかの異動となりました。

えーっ!?。あと1年かけていろいろやろうと思ってたこともあったのだが。
心の準備と引き継ぎの準備にここ数日追われておりました。

♪新しい場所でうまくやっていけるかな
♪たぶんできるはずって思わなきゃしょうがない

2年前に転職したとき、頭をよぎったのはPerfumeの「ワンルームディスコ」のこのワンフレーズ。
今頭の中で再びヘビロテ中です。

ワンルームディスコ - Perfume LIVE!.mp4


お仕事のことでも惜しまれている(と思う)のだが、
「映画の話する相手がいなくなっちゃうな」
「ロック談義は誰とすればいいんだ」
「iPhone仲間がいなくなっちゃうわね」
「ガンダム談義、誰とすればいいんすか」
「着られなくなった子供服、譲ってくださいね」
「吹奏楽の話がわかる人いなくなっちゃうな」
・・・と各方面から僕の異動を惜しむ声が。ありがとうございます。
・・・ちょっと偏りはあるけれどw

ともあれ、明日からも頑張りまーす!
正直、ちょっとビビってますが暖かく見守ってくらはい。
これまでありがとう。これからもよろしく。

ブログランキング・にほんブログ村へ blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

読了。

2012-04-24 | その他のつぶやき
今年は不思議と読書熱がおさまらない。
通勤中+就寝前で読んでた伊坂幸太郎「重力ピエロ」。
続きが気になって昼休みに読んで、帰宅後一気に読了。

今まで食わず嫌いだったけど、
伊坂幸太郎が作詞した「ベリーベリーストロング」(斉藤和義)を聴いて、
この人の小説を無性に読んでみたくなったのでした。

引用の仕方がものすごく上手いし、それが人物描写にすごく生きている。
レビューは後日ブクレコと当ブログで。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の映画台詞・「打ち上げ花火下から見るか?横から見るか?」(1995)

2012-04-17 | 今日の映画台詞
今日の映画台詞◆

「今度会えるの2学期だね。楽しみだね。」
「打ち上げ花火下から見るか?横から見るか?」(1995)

◆岩井俊二が監督したオムニバスドラマ「Ifもしも」の一編。劇場公開もされた。転校することになっている同級生(奥菜恵)が、非現実の場面で言うひとこと。現実がわかって見るから泣かされるな。

Fireworks (best scene)


ブログランキング・にほんブログ村へ blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月15日のメフィラス星人

2012-04-15 | Weblog
地球人諸君、ごきげんよう。メフィラスだ。

ユーザー氏の娘レイア(11歳)がこの「今日のメフィラス星人」シリーズを気に入っているらしい(原因はこちら)。先日もユーザー氏の部屋にやって来て、また自分のお気に入りをブログで紹介しろと言ってた。ブログを侵略せんとする勢いだ。ユーザー氏のブログを侵略しようとしているのは、このメフィラスなのに・・・まさかの強敵が現れたな。

仕方がないので再びユーザー氏の娘のテリトリーを探索してみた。さて、どんなヤツがいるのやら。するとこんなのに出会った。

小学校6年生になっても相変わらず人形遊びが続いているレイアが、「キック」と呼んでいるお気に入りの一人だ。私は握手を求めた。
「ふん。」
キックはややふんぞり返ってこっちを見ている。なんて不敵なやつだろう。私は彼の背中にボールチェーンがついているのに気づいた。本当は携帯ストラップなのではないか。そう尋ねると彼は答えた。
「そうだよ。僕は携帯の画面を拭くストラップだったんだ。人がさんざん手垢と皮脂まみれにした電話をおしりについてる布で拭けるように作られたのさ。」
なるほど。彼の臀部はマイクロファイバーのようになっている。すぐれものではないか。
「いやいや。他人の不始末をどうにかするのが仕事みたいなもんさ。世の中もそういう人がいっぱいいるだろう。」
彼は先週世界であった出来事を例に挙げ始めた。元首相が他国を訪問して”要らんこと”を言って帰ってきた話や、将軍様が率いる国が人工衛星打ち上げに失敗した話、その警報を流すシステムがうまくいかなかった話・・・今この国で起こっている出来事や進行中の出来事。
「世の中いろんな失敗があるけれど、どれも誰かが尻をぬぐってる。僕みたいに尻を拭く役割が必要なんだよ。」
そうか、誰にも知られることなしに懸命に働く人がいるからこの星はバランスが保たれているのか。キック、いい勉強になったぞ。君の懸命さに私は「地球をくれ」とは言えなかったよ。

ちなみに。レイアはキックが住む家を空き箱でこしらえている。ボール紙製テープ貼造2階建て。窓の部分はくり抜いてフィルムがガラスのようにきちんと貼って、単1乾電池2個並列つなぎ、電球装備の立派な家だ。レイアはデジカメを動画モードにしてその家を紹介するムービーまで製作したらしい。・・・誰に似たのか恐るべき才能だ。その家には緑色の恐竜の小さなぬいぐるみが横たわっていた。キックの父親らしい。レイアの人形遊びの中では、キックの母親は従軍看護婦で戦時中に亡くなったという設定だとか・・・???。地球人のすることがますますわからなくなってきた。また会おう、諸君。

ブログランキング・にほんブログ村へ blogram投票ボタン
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビブリア古書堂の事件手帖2~栞子さんと謎めく日常~

2012-04-14 | 読書
2011年本屋大賞にノミネートされていた第1作に続く「ビブリア古書堂」シリーズ第2弾。近所の本屋さんではプッシュしているのか、平積みどころかワゴンに出して販売されていた。1作目の感想で、一般的には偏見もあるラノベを多くの人が支持した理由は何なのかを考えてみた。それは本にまつわる人間模様がきちんと描かれてること、そして本への偏愛が込められていること。前作の最後のエピソードで、太宰治の「晩年」をめぐり危険な事件に遭遇した栞子と大輔。二人が仲直りするエピローグはいい余韻を残してくれた。

さて、この2作目は栞子が退院したので舞台はビブリア古書堂に移る。仕事を一緒にするようになった栞子と大輔。二人の距離が次第に近づいていく様子が描かれる。登場する4冊の本については、作者にまつわるトリビア的な事実が2件。古書の世界の深さを思い知らされる。それに「時計じかけのオレンジ」は、キューブリックの映画は好きだったけど原作にまつわるこの事実は知らなかった。それにしても作者は、毎回いろんなジャンルを読んでいる人だなと感心。

今回は4つのエピソードを通じて、大輔は栞子の母親にまつわる話を聞くことになり、栞子は大輔の元カノを知ることになる。本にまつわる人間模様は、前作同様に家族の関係や大事にしてきた気持ちを考えさせられるエピソードが並ぶ。娘への思いを本に託す父親、父親が大事にしていた漫画本・・・。しかしそれぞれのエピソードが解きほぐすのは、本の持ち主の抱えた謎ばかりではない。栞子と大輔にかかわる新たな事実も読者には示される。ここが見どころだ。そして二人の距離が次第に近づいていく。母屋で夕食に招かれるラストは読んでるこっちまで嬉しくなる。1作目が依頼主からの謎解きがメインだったのに、2作目は前作で張られた伏線が登場したり、何よりも栞子と大輔に関わる二重の謎解きがストーリーを面白くしている。一気に読めるラノベの手軽さも夢中にさせる要因だろう。栞子の母親の遺した本の謎・・・これからもこのシリーズから目が離せない。次回作の発売が今から楽しみ!

ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)
三上 延

アスキー・メディアワークス 2011-10-25
売り上げランキング : 268

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ブログランキング・にほんブログ村へ blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月8日のメフィラス星人

2012-04-08 | Weblog
地球人諸君、ごきげんよう。メフィラスだ。

わがユーザー氏は一昨日から不調のようである。この情報端末のディスプレイ前で鼻をかんだりくしゃみをしたり。今週この国を襲った嵐のような激しさのくしゃみをするので、私は思わずディスプレイの陰に隠れてしまった。

この4日間、ムチャ振りされた職員向け研修の準備やら何やらで忙しそうにしていたしな。何でも新たに着任した管理職の人々にも研修に加わったらしく、気疲れもあるのだろう。私にもエンペラー星人という上司がいるが、何かと気を遣うものだ。

こちらが「メビウス」に登場したわが上司、エンペラー星人だ。
ウルトラマンメビウス ウルトラ怪獣シリーズ2006 FINAL エンペラ星人

それにこの時期のこの国は寒暖の差が激しいようで、ユーザー氏は風邪をひいたのかもしれない。わがメフィラス星は温度管理もなされている高度な文明の星だから、このように健康を害することもないのだが。ユーザー氏は説明用にパソコンでなにやらデータを作ったり、どうやったら4日間受講者を飽きさせず、理解してもらえるかアイディアも練っていたようだ。無事に終えることができたので疲れたのであろう。

先週紹介した政治の混乱はまだまだ続いている。小さな政党の方は代表を解任する事態になっている。「クーデターだ」とも言われているようだが、考え方が異なるのは仕方ないことかもしれないな。

ではユーザー氏もお疲れなのでこのあたりにしよう。また会おう。

ブログランキング・にほんブログ村へ blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~

2012-04-07 | 読書
「人の手を渡った古い本には、中身だけではなく本そのものにも物語がある」。この「ビブリア古書堂の事件手帖」の一貫したテーマだ。しかもここに綴られる物語には人生がある。この「ビブリア古書堂」自体はいわゆるライトノベル。ラノベというと、ファンタジーや萌え要素や学園ものがどうしても世間一般のイメージ。「ビブリア古書堂」の文章は解釈をようするような文章や暗示や隠喩めいた小難しい表現があるわけではない。物語の映像が頭の中でイメージが広がり、一気に読み進められるやさしい文章だ。それに主人公大輔のつぶやきが全編のナレーションである文体や、ヒロイン栞子さんに読者が”萌え”を感ずるような描写は、いわゆるラノベらしい部分ともいえる。だがそれだけで多くの人々がこの本を支持したのではない。大人の鑑賞にも堪えうるドラマがここには綴られているからだ。

物語は主人公大輔の祖母が遺した夏目漱石の文庫にまつわるエピソードから始まる。その本に記された奇妙な署名の謎を知りたくて、その本を買ったと思われる古本屋ビブリア古書堂に大輔が本を持ち込む。怪我で入院中の店長栞子は引っ込み思案で美女。人と口をきくのも苦労するが、本に関する話になると人が変わったように意欲的になる。本に関しては膨大な知識をもち、まるでミス・マープルのような推理と洞察力を発揮する。彼女は大輔の出生の秘密に関わる祖母の人生を謎を一冊の本から解き明かしてしまうのだ。大輔はその古書堂で働くことになり、本にまつわる事件に遭遇し、本にまつわる人生のミステリーを解き明かしていく。

この物語は奇抜なアイディアと萌えな表紙で売り上げているそこらの本とは違う。親子にわたる人生が、本やその物語、作者の考えに惹かれる人の姿、欲望が生き生きと描かれる。半端な知識や取材ではとうてい書けないストーリーがある。それに何よりも作者の本に対する愛情、いやその本を手にして笑い、涙する様々な人間への愛情で満ちている。この本が読んでいて暖かくて優しい印象を受けるのはそれだけが理由ではない。

”本の虫”と呼ばれる人をよく言わない人も世の中には多い。僕の周りにもそういう言い方をする人は現にいて、僕も不愉快な思いをしたことがある。本好きなのは決して害ではない。世間で嫌われる”本の虫”は、そこから得た知識をひけらかして人より優位に立とうとする連中だ。それはいわゆるお勉強ばかりができることを鼻にかける奴らとたいして変わりはない。僕は親譲り(いや親以上かも)の映画ファンだが、長くひとつの趣味を貫くことで役立ったこともたくさんある(もちろん弊害もあったけど)。たくさんの本を読むこと、たくさんの映画を観たことをひけらかす奴が嫌いだ。問題はそこから何を得たかだ、と僕は常々思っている。栞子さんは本については社会から並外れたヲタだ。好きなことを好きだと言えること、好きであり続けることは大切なこと。世間でマニアだの何だの呼ばれる人々に、”そのままで良いんだよ”と言ってくるような優しさをこの本から感じるのだ。そしてこの作者三上延氏自身も、そんな本を愛してやまない人間の一人なのだろう。

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
三上 延

アスキーメディアワークス 2011-03-25
売り上げランキング : 249

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


通勤中に読んでいた僕は、続きが気になって昼休みが待ち遠しい日々だった。

ブログランキング・にほんブログ村へ blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする