Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

10月のBGM

2010-10-31 | 音楽
2010年10月に聴いていた愛すべき音楽たち。

1.Only My Railgun/fripSide
アニメ主題歌なのだが本編は一度も見たことがない。テレビのアニソン特集でこの曲を聴いて、あ!この曲自分の趣味!と一撃必殺で好きになった。その日のうちにダウンロードした。打ち込みのこの手の音楽は何だかんだ言っても好きだなぁ。・・・と改めて自分の音楽的無節操振りを再認識するのだった。アニメ、見てみようかな・・・。


2.Metropolis PT2: Scenes From A Memory/Dream Theater
久々に聴きたくなったハードプログレ。こんなにテクニカルなフレーズがどうしてこんなにビシッときまるのか・・・聴く度に演奏に惚れ惚れしてしまう。そういえば、職場が変わってからハードロックに手を出す機会がグッと減った気がする。ストレスの溜まり方がやっぱり違うのだろうか。ドリームシアターを聴く高揚感は、他のバンドじゃ体験することができないものだ。


3./04/坂本龍一
坂本龍一のピアノアルバム(一部に弦楽が参加しているが)。CMのアジエンスや戦メリ、映画「バベル」でも使用された美貌の青空などを収録。注目すべきはYMO時代の名曲Perspectiveのピアノヴァージョン。そういえばこの曲は大学時代にサークルの先輩が練習してたっけ。教授のこの手のアルバムでは僕は「1996」がお気に入りだった。以前に職場のBGMでも使いましたが。


4.ギー太に首ったけ/平沢唯(豊崎愛生)
先日ついに恐れていたことが起こった。とある飲み会の席で「tak先生のiPodみたーい!」という話題になり、「アニソン率高いからひいちゃうかもよ・・・」と断った上でしぶしぶ公開。次の瞬間、iPhoneのディスプレイに現れたのは「けいおん!」しかも平沢唯のキャラソンのジャケ!!(・・・冷汗)。えーい!何がわるいっ♪(ひらきなおり)。




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この天の虹

2010-10-30 | 映画(か行)

■「この天の虹」(1958年・日本)

監督=木下惠介
主演=高橋貞二 久我美子 大木実 川津祐介 田中絹代 笠智衆

先日工場萌えなお仲間たちとツアーに参加して新若戸道路建設現場と新日本製鐵の工場内を見学させてもらった(その様子はこちら)。製鉄工場の広大な敷地(なんと戸畑区の4割)、無数に走る巨大なパイプ、船着き場、歴史ある建造物、高炉の熱気・・・すべてに圧倒された。写真を撮れなかったけれどもその印象は記憶に強く残った。産業がまちをつくっているのだということを改めて感じた。ツアーに一緒に参加した年配の方が「七色の煙が出ていたのってこの辺りよね。」とおっしゃっていた。僕は北九州市出身ではないので昔のことはよく知らない。七色の煙は写真では見たことがあるが、それはむしろ公害をテーマに話をされていた中で示されてネガティブなイメージとして焼き付いていた。でもそのおばちゃんの「七色の煙」という響きには暗さがない。むしろ誇らしい響きがあった。

八幡西区黒崎に映画館を復活させようというイベント黒崎シネマチャレンジの中で、10月30日31日と11月3日に上映される「この天の虹」は八幡製鉄所を舞台にした映画だ。僕は地元ロケされた映画が数多くあるということは、貴重な財産であると思っている。そういた映画を観ることで地元への愛着や歴史やまちそのものへの興味を育てることができる。「この天の虹」は、八幡製鉄所で働く人々の人間模様を描いた木下恵介監督の意欲作。今も昔も、同じ職場で働いていても様々な人がいる。同じ企業と言っても、当時製鉄所で働いていたのは数万人に及んでいたと聞く。企業がまちをつくっている、と書いたが、この映画をみて、企業がまちそのものだったのだと思い知らされた。映画はその時代を記録する。その時代の風景を懐かしむだけでなく、学ぶこともたくさんある。映画は冒頭からしばらくの間八幡製鉄所の説明が続く。これは企業紹介映画だと言っていいだろう。僕は実際に見学してきた後だけに、見てきた現在をさらに上回るスケールだったこと、現在は立ち入りできない本社事務所が出てくるのにちょっと感激。

高橋貞二演ずる主人公が同じ会社で働く久我美子に恋している。物語はこの二人を軸にして、後輩川津祐介(デビュー作!)や久我美子が思いを寄せる田村高廣、川津祐介が下宿している家族など製鉄所を介してつながり合う人々を描き出す。高炉台公園で男二人が将来への不安や希望を語る場面が印象的だ。「僕の将来は工場の空にかかるこの天の虹だと思ったんです」という台詞。当時繁栄のイメージだった”七色の煙”と呼ばれた工場の排煙と虹をダブらせている。しかし企業がどんなに栄えて社員を支えるために手厚い福利厚生をやっていても、人の幸せはそれぞれのもの。人には人の希望や不安があり、それぞれの幸せがある。だから人と人のコミュニケーションは難しいし、逆に理解し合うことに幸せがある。

今の視点で見るとやはり煙突からの排煙が気になる。川津祐介が久我美子に「なんであの人と結婚しないのか」と詰め寄る場面のバックにも色濃い煙が漂う。ここまですごかったんだろうか、演出なんではないだろうか・・・とも思うが当時を知る人に尋ねると似たようなものだったようだ。皿倉山から見下ろす場面でも街は煙って見えはしない。話に聞いていた昔の八幡の様子がとてもよくわかった。映画による記録って大切だよなぁ・・・とそう思ったし、こうした映画が製作されていることのありがたさを感じた。映画の最後は、「煙の下で働く人々に幸せであれ、一人一人の力はささやかでもこの工場で生産される鉄は、我々の生活や国を支えている・・・」と結ばれる。高度成長期の時代にこの映画を観るときっと誇りに思えただろうなぁ。当時を知らない僕が観ても、自分が住む街がかつてこうした歴史や繁栄があったことを知るのは誇らしい。そして「働く人々の健康と幸福を祈ります」というナレーションで映画は幕を閉じる。銀幕のこちら側には日々地道に働く人々がいる。映画はそうした僕らの娯楽であり、様々な人生を学ぶものでもある。そんな僕らをねぎらってくれる映画・・・なんか嬉しいじゃない。この視点の優しさが木下恵介監督らしさのだろう。いいものみせてもらいました。



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10月27日(水)のつぶやき

2010-10-28 | Weblog
00:42 from web
「セカンドバージン」第3話。妻と見ました。「悪妻が男を育てるのよ」京香さんの台詞の後の会話。「あたしは悪妻?」「そ、そんなことないよ。」「口元笑ってるんだけど・・。」・・・正直な体?#nhk_drama10
22:35 from Twitter for iPhone
職場の法律勉強会に終業後に参加。最近疑問に思っていたことが、今日の解説でスッキリ!JR運休だったから行くの迷ったけど、行った甲斐がありました。よっしゃー!
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カティンの森

2010-10-26 | 映画(か行)

■「カティンの森/Katyn」(2007年・ポーランド)

監督=アンジェイ・ワイダ
主演= マヤ・オスタシェフスカ アルトゥル・ジミイェフスキ マヤ・コモロフスカ

 これまで知らなかった異国の現実を、僕らは映画を通じて知ることができる。それは映画を見続けていてよかったと思えることのひとつだ。ポーランドは大国によって踏みつけられてきた歴史がある。1939年にドイツとソ連双方から侵攻されたことを僕らは教科書的には知っている。しかしその侵攻によって逃げまどうポーランドの人々のことは知らない。映画の冒頭、スクリーンの左右から戦火に追われた人々が現れる。ドイツが・・・ソ連が・・・軍の将校はみんな捕らわれた・・・絶望的な国内の状況を短時間で見事に僕らに印象づける。

 この映画は、ソビエトがポーランド将校を虐殺したカティンの森事件をテーマにしている。この虐殺事件は、映画でも描かれている通りにソ連寄りの政権によってドイツのせいにされ、事実が伏せられてきた。僕らはこれまで数々の戦争映画やホロコーストもので、ナチスドイツがやってきたことは知っている。でも戦争の悲劇はもちろんそれだけではない。カティンの森事件はスターリン指導下のソ連がやったこと。この映画を観なかったら、僕らはそれを知ることもなかっただろう。

 アンジェイ・ワイダ監督は祖国ポーランドを描き続けてきた。大国に抵抗する若者たちを、戦争に翻弄される人々を、政治変革に挑むワレサ議長を、そして祖国で起こった悲劇的な歴史を銀幕に刻み続ける。「カティンの森」も事件を風化させないこと、世界にこの悲劇を知らしめること。でも監督がこの映画に込めたのは、きっとそれだけではない。それはワイダ監督の怒り。「灰とダイヤモンド」を撮ったあの頃と世界はなんにも変わっちゃいない。ラストの虐殺シーンは淡々と、まるで流れ作業が行われるかのように描かれる。その怖さ、恐ろしさ。でも僕らは映画に込められた気迫に目を背けることができない。これだけの犠牲をポーランドは、いや世界は強いられてきた。なのに世界では今も・・・それはワイダ監督の嘆き。音楽さえないエンドクレジットには身動きすらできない。圧倒されて涙すら流せない。戦争は人を狂わせてしまう。様々な映画がこれまで銀幕に映し出してきたが、それらはやっぱり娯楽映画だったのか・・・とすら思えてしまう。

 戦争に翻弄される人々。引き裂かれる家族。物語は森で事件が起こるまでを記したメモが遺族に渡されて、真実に迫るところで終わる。映画はそのメモに残された事実を知った遺族の表情を映しはしない。空白のページが風にめくれるのを映すだけの空虚なラストシーン。事実を知り得たとしてもそれは解決ではないのだ。戦争は世界そのものを空虚にしてしまう。何度も観たい映画ではないし、楽しい映画でもない。だがこの映画を観ることで、ポーランドの歴史を知ること、戦争の悲劇を知ること、それを繰り返してはならないと思い知ることが大切なことだ。製作することに意味がある。観ることに意義がある、きっと忘れられない一本になる。これはそういう映画なのだ。

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10月24日(日)のつぶやき

2010-10-25 | Weblog
18:05 from Twitter for iPhone
北九州映画サークル協議会の例会に行ってきました。今回の上映作品はアンジェイ・ワイダ監督作「カティンの森」。重いテーマではあるが、忘れてはならない戦争の傷痕。何度も観る映画でなくてもいい、歴史を知ること、戦争の悲惨さを知ること、大国に踏みにじられたポーランドを知ることに意義がある。
18:54 from Twitpic
「ノルウェイの森」の新しいチラシは原作本のイメージ。鑑賞者のコメントばかりを並べて「あなたは何故観ない?」と脅迫する映画宣伝が多い中、久しぶりに映画そのもの、作品のよさを売り込もうというセンスや意気込みを感じる。早く本編が観たい


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10月21日(木)のつぶやき

2010-10-22 | Weblog
21:43 from web
ここのところ、レアな案件が僕のところに集まってくる気がする。まだ新人なんだから誰もがこなさなきゃならんことを覚えたいのに、誰もやったことないよな事例が続く。うーん・・・これも成長するためのステップだ!。頑張ろう。
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さよならをもう一度

2010-10-21 | 映画(さ行)
■「さよならをもう一度/Goodbye Again」(1961年・アメリカ)
監督=アナトール・リトヴァグ
主演=イングリッド・バーグマン イヴ・モンタン アンソニー・パーキンス

●1961年カンヌ映画祭 男優賞

 フランソワーズ・サガンの「ブラームスはお好き」の映画化で、「追想」のリトヴァグ監督にバーグマン、モンタン・・と、アメリカ資本ながらヨーロッパ映画の雰囲気。中年女性の揺れる恋を描いたメロドラマだ。この感想を書いている2010年10月、NHK火曜に、45歳の女性と17歳年下男性の恋愛をテーマにしたドラマ「セカンドバージン」を放送している。鈴木京香が素敵で、ついつい夢中になって見てしまっている。この「さよならをもう一度」も中年女性が仕事先で知り合った家の息子と恋仲になってしまうお話。どちらも年下男が積極的なのが印象的。バーグマン扮するポーラに言い寄る青年フィリップは、「サイコ」でノーマン・ベイツを演ずる前でまだ爽やかな好青年だった頃のアンソニー・パーキンス。

 バーグマン扮する主人公には、同年代の恋人ロジェ(イヴ・モンタン)がいる。しかし彼がとんでもないプレイボーイで、仕事と言っては女性と飲みに行ったり、はたまた旅行に出かけたり。そんな彼の愛を信じて振り回されるポーラに、若いフィリップが近づき次第に本気になっていくお話。だが年の離れたカップルには世間の見る目が厳しい。ついに耐えかねて別れを切り出す場面で、ポーラがらせん階段の上から「I'm old ! I'm old!」と叫ぶ場面には泣けてきた。そして恋人と結ばれるのだが・・・皮肉な結末が待っている。この年齢で観たからこそ理解できる映画だったように思う。観るべき時期ってあるよなぁ。まさに大人の映画。

 年齢差のある男女の映画というと、シモーヌ・シニョレ主演のイギリス映画「年上の女」を思い出す。野心家の若者に振り回される悲劇的なお話だった。「さよならをもう一度」はそれ程ではないけれど、ラストの余韻が何とももの悲しい。音楽担当のジョルジュ・オーリックが、ブラームスの交響曲第三番(ジェーン・バーキンの歌でも知られる曲)を様々なアレンジで聴かせてくれるのもこの映画の重要な魅力だ。

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10月20日(水)のつぶやき

2010-10-21 | Weblog
22:53 from web
NHKドラマ「セカンドバージン」がいいね。40代女性がターゲットなのはテレ朝「同窓会」に似てる。ラブアゲインを煽った「同窓会」が家庭という現実がスリルだったのに、危険な恋だけでなく人生における2度目の岐路というテーマが面白い。「死のような快楽が欲しい」って京香さんに言われたいっ!
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10月18日(月)のつぶやき

2010-10-19 | Weblog
00:22 from web
日曜日は一日中鼻炎と闘っていた。ぐしゅぐしゅ。嫁さんがイオンに行くのにしぶしぶ同行したが、頭がぼーっ。フロアの片隅でダンスの発表会・・・妖艶なベリーダンスをやっている!。いつもの僕なら足を止めるところだが・・・。「あら?見ないの?」「帰る」「それほど不調なのね」やっと理解したか。
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ブラバン

2010-10-18 | 読書
 今年の夏、通勤中、休み時間、自宅に戻って・・・とにかく夢中になって読んだ津原泰水著「ブラバン」。職場で昼休みに読んでいて、あと何ページかで読み終わりそうなときにもうウルウルきちゃいそうだったのね。仕事に差し障りそうだったので、敢えて読み終わることを選ばず自宅に戻って一人ウルウルしながら読み終えた。読み終わって人に勧めるだけ勧めておきながら、自分がまだきちんと感想を述べていないことに気づく。最初に言っておきたいのは、この小説は現役高校生の吹奏楽部員にはゼッタイに勧めない。せめて元吹奏楽部、しかも社会人になってある程度経った日人向けだ。時折挿入される幅広い音楽やコミック、80年代独特のエピソードは、アラフォー世代にこそ理解できるものだったりもする。

 40代になって、元部員の結婚式で吹奏楽部を再結成しようと奔走するのがお話の中心だ。元部員に次々と再会することで、いろんな思いが交錯する。バスクラリネット吹きの女の子をめぐる三角関係、トランペットの憧れの先輩、軽音部と二股かけるスゴ腕の先輩、男性嗜好の先輩、顧問の先生との思わぬ再会・・・。この本で最も心に残るのは音楽を奏でたいという一途な気持ち。それが文章でうまく表現されている。そうそう、と頷きながらページをめくった人は確実にいるはずだ。 

ブラバン (新潮文庫)
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starいわゆる「青春ブラバンもの」とは毛色が違いますね。
star40代以上の元ブラバン用の本
starブラバン経験者は一読を。

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 合宿で女子の入浴時間に屋根から覗くところなんて笑わずにいられなかった。今だから白状するが似たような経験・・・(以下自粛)・・・湯気しか見てませんが(笑)。読み進めるうちに登場人物それぞれが、自分のいた中学高校時代の吹奏楽部員に重なってくる。例えば、壁にもたれてラプソディ・イン・ブルーを吹くクラリネットはW君のイメージ。行間から絵が浮かんでくるみたいな気がして・・・。

 僕は高校卒業と同時にブラバンとはあまり関わりをもたなかった。今思うともったいない・・・。あの頃はオリジナルも書いてたし、バンドに夢中だったからな。今でも部屋の片隅にトロンボーンのハードケースが埃を被って鎮座している。もうぜんぜん吹けないと思う。それでもスカパラを聴いたり、「スウィング・ガールズ」観たりすると、ふとトロンボーンに手が伸びる。やっぱり忘れられないんだよね。それは音楽だけじゃなく、あの頃の思い出と友達たちの姿だったり。同窓会、誰かがやると言うなら行きますよん。そんな気分にさせてくれた本だった。元吹奏楽部員、必読!。

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