Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ウルトラマンティガ&ダイナ ウルトラマンガイア 超時空の決戦

2006-12-25 | 映画(あ行)


■「ウルトラマンティガ&ガイア ウルトラマンガイア 超時空の決戦」(1999年・日本)

監督=小中和哉
出演=吉岡毅志 濱田岳 斉藤麻衣 渡辺裕之 平泉成

 「ウルトラマンガイア」の劇場版で、主人公たちの活躍をTVで見ている別次元(つまり我々の世界)で起こった危機をガイアが救うという、凝ったストーリー。勉少年の夢に出てきた赤い球体は、手にした人の願望を現実のものにする力をもつ、物質文明の到達点と言える産物だった。「ウルトラマン」をこよなく愛する勉少年はガイア(我夢)を呼び出すが、悪ガキたちが怪獣を呼び出したことから破滅の危機が生じてしまう。

 「ガイア」のTVシリーズは話が難しい。子供番組のくせにすごく高度なのだ。”破滅招来体”と呼ばれる怪獣たちによる地球の危機は、人類の自然破壊が原因という設定。人類の存在は地球にとって善なのか?悪なのか?という究極のテーマのもと、大地が生んだウルトラマン”ガイア”と海が生んだウルトラマン”アグル”の対立がシリーズ前半の基軸となっている。「子供にわかるのかなぁ?」と思うことしばしば。うちのルーク・スカイウォーカーに「ガイアとアグルって何故戦うの?アグルは悪者?」と聞かれて困ったこともある。

 で、この映画。これがよくできている。より強いものへの憧れから怪獣を呼んだ子供達は、次第にその怪獣に自分たちの社会・環境への不満や反発の感情を込めていく。主人公勉少年はかとうかずこ扮する母親(カレー作ってくれそう・笑)に「ウルトラマンから卒業しなさい」と言われている。クラスメートも勉の怪獣話や空想話に取り合ってくれない。だがそんな子供達もテストや宿題に追われたり、好きなものを好きといえない苦痛を感じているのだ。勉の友人の秀才メガネくんが球を手にして、「こんな世界壊れてしまえ!」と叫ぶところは悲痛な響きだ。日頃「ウルトラマンが好きなんて、いかんですな」と言っている悪ガキが、怪獣が出た途端に全長と体重を叫ぶところは笑った。なんだ、みんな「ウルトラマン」好きなんだ!。そして勉少年は勇気を出して世界の危機とガイアのピンチを救う。

 昔の「ウルトラマン」シリーズで、子供が多くかかわるエピソードには教訓的要素がいっぱいあったのね。この映画のストーリーみたいにとにかく”勇気をもとう!”と奮い立たせてくれるものも。凝ったSF話や勧善懲悪に徹する話もいいけど、この映画のような勇気をくれるエピソードが「ウルトラマン」には欲しい。格闘がどうしても要素として欠かせないため、世の母親からは嫌われる。「そんなんばっかり見せないで!」とののしられるのも世の父親の役割だけど(笑)、男のコにヒーローものって必要だと思うんだ、いろんな意味で。この映画はそんな世間の意見に対する答えだとも思うのね。やっぱりみんな好きなんだよ。

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