Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

2022年9月のプレイリスト

2022-09-30 | 音楽




◆2022年9月のプレイリスト◆
9月に聴いていた愛すべき30曲


1 STARTING NOW ! (水樹奈々)
奈々さまの応援ソングでスタート!
2 HEATS(真ゲッターロボ)(影山ヒロノブ)
歌声に歌詞に気持ちがアガる。プログレっぽいイントロのシンセに心が躍るw
3 Making Love (Out Of Nothing At All) (渚の誓い) (Bonnie Tyler)
ジム・スタインマン作のAir Supply名曲カバー。
4 TAKAKO (上田正樹)
5 悲しいね (渡辺美里)
あーっカラオケ行きたい🎤
6 Fields Of Gold (Sting)
ボスニアのギタリスト、エディン・カラマーゾフとの共演版を聴く。メロディの美しさが際立つ。
7 GOOD TIMES 〜 STEP INTO THE LIGHT (角松敏生)
シックの名曲からつなぐメドレー。気分は80年代のダンスフロアへ。
8 willibelongtoyou (David Paich)
尊敬する鍵盤弾きのソロアルバムより。
9 Friday Night Fantasy (Pierre Porto)
金曜ロードショーのあの曲ね。
10 God Save The Queen (Queen)
エリザベス女王崩御。



11 You May Be Right(Billy Joel duet with Elton John)
ジョイントコンサートのライブ音源より。
12 Tortrue (The Jacksons)
実はミック・ジャガー共演のState Of Shockより好き。
13 予感 (斉藤由貴)
とある店内で流れていて。収録されたアルバム「チャイム」は良作(懐)
14 Stayin' Alive (アヴちゃん)
映画「ブレットトレイン」サントラ収録。
15 かもめはかもめ (香坂みゆき)
ルックスだけじゃなくて、やっぱり歌声も好きなんよ。ある意味理想のタイプ♡
16 時間よ止まれ(KOJI 12000)
今田耕司による矢沢永吉の名曲カバー。
17 It Might Be You (Stephen Bishop)
映画「トッツィー」主題歌。デイブ・グルーシン作、優しく心にしみるラブソング。
18 Naru (ラックライフ)
アニメ「ツルネ」主題歌。ラックライフはカラオケで歌いたくなるんだよねー🎤
19 4:00 A.M. (大貫妙子)
70年代の大貫妙子は不勉強です。なんてカッコいい。


20 恋しさとせつなさと心強さと2023 (篠原涼子 with t.komuro)
トリッキーなシンセからギターに変更されて躍動感が増したアレンジ。ナイス👍。
21 When The Heart Rules The Mind (GTR)
ハウ&ハケットのギター二枚看板バンドのヒット曲。
22  パパ泣かないで (Crazy Ken Band)
ドラマティックな歌詞に泣きそうになる
23 Close To The Edge (Yes)
家事のBGMに「危機」聴いてました。演奏時間がちょどいいのかノレた。何か?w
24 不可思議のカルテ
桜島麻衣、古賀朋絵、双葉理央、豊浜のどか、梓川かえで、牧之原翔子
(CV:瀬戸麻沙美、東山奈央、種﨑敦美、内田真礼、久保ユリカ、水瀬いのり)
㊗️「青ブタ」アニメ新作制作決定っ!😆
25 My Sweet Load (George Harrison)
たまに聴きたくなる。ハレルーヤ♪を歌ってしまいそうになる。
26 You Have What It Takes (a-ha)
最新作は優しい気持ちにしてくれる癒しのバラード曲。
27 セシールの雨傘(Version Ⅱ)(Night Tempo & 飯島真理)
シティポップのリミックスを手掛けるナイトテンポ作品。よりダンサブルなセシール♪
28 戦車道行進曲(浜口史郎)
アニメ「ガルパン」劇伴。
29 恋する瞳(ジャン・クロード・ボレリー)
フランスのトランペット奏者ボレリーによる「ラ・ブーム2」主題曲の演奏。メロディの美しさを再認識。
30 大河よ共に泣いてくれ(フランシュシュ)
「ゾンビランドサガ リベンジ The Best Revenge」聴いて思う。難易度高く、バラエティ豊富なこれら収録曲に全力で挑んだキャスト、スタッフの方々の熱量のすごさ。





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アントニー・ジマー

2022-09-24 | 映画(あ行)

◼️「アントニー・ジマー/Anthony Zimmer」(2005年・フランス)

監督=ジェローム・サル
主演=イヴァン・アタル ソフィー・マルソー サミー・フレイ

アンジーとジョニデでハリウッドリメイクされた「ツーリスト」のオリジナル。リメイクと比べたら地味な映画だけど、オリジナルにはオリジナルの良さがある。takはソフィー・マルソー大ファンだから、どうせひいき目だろうって?。はいはい。それは認めるけれど、「ツーリスト」を観てなんか物足りなかったパーツがいくつか見つかった気がするのだ。

"巻き込まれ型サスペンス"との触れ込みだった「ツーリスト」。表面的には女の企みに男が巻き込まれた形になっていて、ラストに大きな見せ場を用意している。その為に「ツーリスト」のシナリオは、最初からアンジーにあらゆる視線を集中させる。そして男はたった一度のキスから、自ら危険に飛び込む無謀な行動に出る。面白いのだけれど、どうも途中から居心地の悪さがあった。「アントニー・ジマー」も確かに男は巻き込まれているのだが、最後まで観ると、実は女も巻き込まれた身だと気付かされる。そのオチはオリジナルの勝ち。

「何故この席に?」
「あなたがタイプだったからよ」
その先はいろいろ言って遠ざけてはいるけれど、悪くは思っていないムードがいい。そしてあの結末。映画の中心にいる男と女にドラマがあるのだ。

しかしながら娯楽映画としての見せ場はオリジナルはやっぱり地味。ホテルに殺し屋が踏み込んだ後で男が駆け込む警察。オリジナルは頼りにできない存在だと示して、不安にさせる駒として使っているが、リメイクはそこに波乱とその先にアンジー活躍の見せ場を用意する。この辺は、役者の持ち味をうまく引き出すリメイクに軍配。さらにアンジーに送られるメッセージもひとひねりしたり、追いかける側にもひと癖あるキャラに改変している。オリジナルを観ると、「ツーリスト」はいろいろ工夫しているのだと納得させられる。この差は騙し騙されエンターテイメントとしての付加価値をつけたハリウッドリメイクと、振り回す女と振り回される男の物語を伝統的に好むヨーロッパ映画のテイストの違いだろう。

ソフィー・マルソーファンには、ジッパーの不具合を直させる場面や海に誘う場面のあざとい感じがたまらない♡。「ブリキの太鼓」や「愛と哀しみのボレロ」のダニエル・オルブリフスキ、久々にお目にかかれた。



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ツーリスト

2022-09-22 | 映画(た行)

◼️「ツーリスト/The Tourist」(2010年・アメリカ=フランス)

監督=フローリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
主演=アンジェリーナ・ジョリー ジョニー・デップ ポール・ベタニー スティーブン・バーコフ ティモシー・ダルトン

善き人のためのソナタ」のドナースマルク監督が、大スター共演で撮ったサスペンス映画。正直なところ、この手の映画に出ているアンジーは苦手。あの割れた唇と自信たっぷりの表情を見ると、なんかやらかす人、フツーじゃない人、なんか企んでる人という先入観が湧き上がり、あー、やっぱりねーって展開が続く。ジョニデも眼の演技が上手な人だから、彼は不安な状態に陥ってキョロキョロしながらドギマギするに違いないと思ってしまう。ほーらやっぱりねーって展開が続く。「ツーリスト」はそんな期待通りで、期待を超えない映画だ。

パリにいる一人の美女エリーズを英国のスパイ組織が追っている場面から始まる。監視カメラ越しの映像。手紙で送られる指示に従って彼女はベネチアに向かう列車に乗る。手紙の主に「僕に似た背格好の男性を選ぶように」との指示があり、彼女はアメリカ人数学教師フランクの元に近づく。行動を共にしてホテルの同室に誘われる。一夜明けると彼は一人。すると突然殺し屋が二人やって来た…。

ヒッチコック風の巻き込まれ型サスペンスを狙ったと思われるのだが、なんか収まりが悪い印象を受ける。旅情をそそる舞台なのに不安な立場とか、複数の追手が迫るストーリーとか面白い要素はあるのだが、なんか居心地が悪い。その決定的な理由は巻きこまれる側の目線を貫いていないことだ。

ヒッチコックのサスペンスが面白いのは、観客には巻き込まれてしまう登場人物と同じ情報量しか与えられないことにある。ところどころに悪党一味の動きが挟まっても、不安なことには変わりない。また事件に関係する美女の素性もなかなかわからないから、さらに不安が高まる。しかし、この「ツーリスト」では、巻きこまれる男性は過剰に騒ぎ立てないし、女性の素性は意外にあっさりと観客に明かされてしまう。謎が謎のまま終盤まで突っ走るのではなく、映画前半で人間関係をめぐる疑問はほぼ明らかになり、そこから先は追いつ追われつの展開。そしてすべての種明かし。

そこで僕は気づく。
あれ?誰か巻き込まれてたっけ?

確かにこの映画の結末は意外なんだけど、最初にアンジーに対して思った"なんかやらかす""フツーじゃない""なんか企んでる"がすべて的中する。申し訳ないんだけど、彼女は出てくるだけでそこらにいるいい人に見えないんだもの。ほーら、やっぱりね!脚本に参加している一人クリストファー・マッカリーは、役者(近頃はトム君)をかっこよく見せることに長けている人物。そういう面ではいい仕事。

共演陣が曲者ぞろいなのも楽しい。「ウィンブルドン」のポール・ベタニー、その上司は元ジェームズ・ボンド役者のティモシー・ダルトン(大好き)。悪役の親玉は「ランボー2」のスティーブン・バーコフ、アンジーにメッセージを運んでくる謎の男は「オールド」のお父ちゃんルーファス・シーウェル。


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ブレット・トレイン

2022-09-18 | 映画(は行)

◼️「ブレット・トレイン/Bullet Train」(2022年・アメリカ)

監督=デビッド・リーチ
主演=ブラッド・ピット ジョーイ・キング アーロン・テイラー・ジョンソン ブライアン・テイリー・ヘイリー 真田広之

自分の小説がハリウッド映画化されるのが夢だった、と原作者伊坂幸太郎はインタビューで答えている。長編「マリアビートル」がブラッド・ピット主演で映画化された本作。夢の実現だ。伊坂文学特有のテンポの良さ、伏線回収の面白さ、ディティールへのこだわり。彼の作品はまさに"活字のエンターテイメント"だ。これまで映像化された作品ではそれらがうまく再現されているものもあれば、都合のいい話になってしまっているものもある。じゃあ、この「ブレットトレイン」はどうなのか?。答えは「楽しい!」このひと言に尽きる。

極彩色で登場するトンデモニッポンの世界。 インパクトのあるビジュアルの登場人物たち。みんなヤバい人ばっかりで、それぞれの美学を持ち持論を語り続ける。例えば、レモンが語る「きかんしゃトーマス」論。これが面白くって。「お前は若手だからパーシーだ」とか言いながら緑色の機関車のシールを貼り付ける。悪役キャラのディーゼルについて語っているのが、後で伏線になる。ヤバい、楽しい。子供が小さい頃にトーマス一緒に見ておいてよかったww。イギリスのお子様番組ネタ、アメリカでもウケるのかな。

多くの方が感想で述べてるように、タランティーノ映画のテイストがある。「キル・ビル vol.1」(ここ大事!あくまでもvol.1ね!)めいた残酷描写も容赦なく出てくる。飛び交う血しぶき、銃弾、仕込み刀。唐突に流れる日本語楽曲。カルメン・マキをバックに列車にしがみつくアクション(バスター・キートンみたい!)、まさかの麻倉未稀、坂本九!😳。持論押し付けで延々続くお喋り、レモンとミカンの黒服コンビは「パルプ・フィクション」を思わせるところ。まあ、演出でのタランティーノ風味は意図したところかもしれないけど、キャラクターは原作あってのものだから、似てると言っても後付けの理屈でしかない。

ここまで悪ノリ覚悟で振り切った作風にしたことで、伊坂文学のエンタメ色という一面は活かしきっていると思う。でも、さんざん楽しませてくれながら、どこかハートに訴えかけてくる情緒があるのも伊坂文学のの面白さ。本作はエンタメに全振りしてるから、つべこべ言わず楽しんだが勝ちってことね。

スマートトイレ🚽、外国人から見たら異質ですごいもんなんだな。タイトルバックもエンドクレジットも凝っていて好印象。



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メッセージ

2022-09-17 | 映画(ま行)





◼️「メッセージ/Arrival」(2016年・アメリカ)

監督=ドゥニ・ヴィルヌーヴ
主演=エイミー・アダムス ジェレミー・レナー フォレスト・ウィティカー

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品は、「ブレードランナー2049」や「DUNE/デューン 砂の惑星」は支持している一方で、「複製された男」は全く理解できなくてレビューが書けずにいる。「メッセージ」は賛否分かれる感想を聞き、ちょっと観るのをためらっていた。どんな第一種接近遭遇映画となるのだろう。「未知との遭遇」世代のおじさんなので、ファーストコンタクトという言葉を使うのためらってしまうw。

予想以上に単刀直入な導入部。えらいことが起こっているのだが、これまでの宇宙人襲来映画と違ってあまりにも静かだ。攻撃されるわけでもなく、パニックに陥る人々の姿はニュース画面の中で淡々と流れるのみ。主人公はそんな不安をシェアできるパートナーもおらず、職場からも人がいなくなる。この孤独が映画の終わりにはガラッと変わる。来訪者の謎を解くという流れと共に、もう一筋の人間模様が展開されているのだ。こういう感じ、好き。

接近遭遇映画(すいません、この表現がやっぱり自分にはしっくりくる💧)は、エイリアンのビジュアルがとにかく話題になる。この映画に登場するヘプタポッドもクラシックSF小説に登場しそうなタコ、イカ型異星人にも見える。他の映画と違って面白いのは、言語を通じて互いの理解を深めようとしているところだ。結論を急ぐ軍や政府に対して、「地球に来た目的は?」のひと言を投げる為に少しずつ意思疎通を図る様子が実にスリリングで面白い。

その裏で戦闘に踏み切ろうとする動きを、ヒロインとそのチームが阻止しようとするクライマックスには息を呑む。大げさな劇伴もなく、ドンパチもないのに引き込まれる。断片的に続いていくセッションがとても効果的なのだ。次に何が起こるのか?と先を急ぐ気持ちと、さっきのエイリアンの言葉の真意は?とストーリーを反芻する気持ちが入り混じって、進展は少しずつなのに焦ったさがないのだ。そのバランスが絶妙。小難しい映画なのは間違いないのだけれど、それを感じさせない工夫がある。

そして映画を通じてヒロインが悩まされていたフラッシュバックの意味も解き明かされる。エイリアンが地球にもたらそうとするものが何なのか。それを言葉で解決する展開。CG全盛の昨今、ビジュアルばかりが目立ちがちなアメリカ映画で、こんなに言葉とコミュニケーションの大切さを感じられるって素敵なことだ。言葉を大切にする人の仕事ってやっぱり好きだ。ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィティカーもそれぞれの職務上のこだわりをうまく演じていて好感。

この上映時間という"セッション"で、ヴィルヌーヴという映画人について少し理解が深まった気がした。それでも「複製された男」のレビューは書けそうにない💧




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355

2022-09-14 | 映画(さ行)

◼️「355/The 355」(2022年・イギリス)

監督=サイモン・キンバーグ
主演=ジェシカ・チャスティン ダイアン・クルーガー ルピタ・ニョンゴ ペネロペ・クルス ファン・ビンビン

映画を製作するにあたり、人種やジェンダーへの配慮がいろいろ要求される昨今。それらは映画のテーマや描写にも及ぶようになった。悪いことではないのだけれど、製作する上での制約ともなり得る。これまでのターゲット層でだけ通用する英雄物語や往年の文学作品なんてなかなか難しい時代。そんな中登場した「355」は国際色豊かで、様々な国の女性スパイがズラリと並ぶ痛快なサスペンスアクション。この時代に出るべくして出てきた企画だ。彼女たちは悪に立ち向かうだけじゃない。組織にどっぷりのどうしようもない男どもにも蹴りを入れ、銃弾をブッ放す。

ストーリー上でも5人のキャラクターを生かした描写のバランスがよい。こういう映画って誰かが添え物になりがちだけど、それぞれに見せ場が用意されている。彼女たちがそれぞれ貫いてきたこだわりから、少しずつ変わっていくのも面白い。現場復帰を望んでいなかったルピタ・ニョンゴは銃を手にすることになるし、唯一プロのスパイでない心理学者のペネロペ・クルスも、自分に出来ることで貢献しようとする。他人を信用することができなかったダイアン・クルーガーは、彼女たちと行動を伴にする中で表情も柔らかくなっていく。

そしてジェシカ・チャスティン。「接近戦はしない」というポリシーは、本当は人間関係においてもそうだったのだろう。仕事上の相棒と関係をもたないつもりが気を許したことが後で厄介なことに。

ストーリーはツッコミどころは多々あるだろうが、まずは華のあるアクションを楽しむが勝ち。ファン・ビンビンが中国武術でバッタバッタ敵を打ちのめすのが楽しくて。ダイアン・クルーガーがやたらカッコいい。別れ際、後ろ姿のさよならの合図。女性がやるとカッコいい。ええ歳した僕らがやると刑事コロンボになっちゃうww



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昨日・今日・明日

2022-09-10 | 映画(か行)

◼️「昨日・今日・明日/Ieri Oggi Domani」(1963年・イタリア)

監督=ヴィットリオ・デ・シーカ
主演=ソフィア・ローレン マルチェロ・マストロヤンニ ジョヴァンニ・ルドルフィ

父親の机の引き出しから、父が若い頃に観た映画チラシや半券が出てきた(詳しくは「ローマの休日」レビュー参照)。そうした物証(笑)と日頃の言動で、映画スターの好みがなんとなくわかってきた。「ローマの休日」の上映日に赤鉛筆で丸つけて、八千草薫が好きとか言うから、(母と似た)スレンダー好みだとずっと思っていたのだが、どうも父のミューズはソフィア・ローレンなのではないかと疑っている。僕も松本零士の描くスレンダーな女性に惹かれていたくせに、ミューズと公言するのはソフィー・マルソー。男って矛盾を抱える生き物なのだろか💦

ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ共演のオムニバス艶笑コメディ「昨日・今日・明日」。ずっと気になっていたのだが、今回初めて鑑賞。第1話では、闇タバコを売って失業中の夫と家族を養っているタフな女性を演じている。彼女には不払いの罰金があり、差押えされる前に家財を隠したものだからついに逮捕されることに。イタリアの法律では妊婦と産後6ヶ月の女性は逮捕されない。彼女はこの法律を盾に次々に子供を産み、逮捕を逃れるというお話。夫は毎年増える子供の世話でどんどん疲弊していき、実家の母親に泣きつく。その一方でどんどん美しくなる妻。隣近所の人々とのつながりが観ていて心地よい。とにかく明るく楽しいコメディ。

第2話は社長夫人。ロールスロイスのオープンカーで不倫相手のマストロヤンニとドライブするのだが、その行く先で起こった騒動を描く。貧困家庭の第1話とはガラリと違う毛皮をまとったゴージャスな社長夫人。渋くキメていたつもりのマストロヤンニが、いざトラブルになって役に立たない。それを思いっきり罵る。

甲斐よしひろはかつて「1世紀前のセックスシンボル」という曲で、歌詞のヒロインを
♪ソフィア・ローレン、ラクウェル・ウェルチに負けやしない
♪バストにはエナジー詰まってる
と歌った。なるほど。そこで比較の対象となるソフィア・ローレンの神々しさ。なんかわかってきた気がする。何せ僕ら世代は「ひまわり」の耐える女くらいしか知らないから。

その男目線で感じる"神々しさ"がいかんなく発揮されたのが第3話。ソフィア・ローレンが演ずるのはコールガールのマーラ。隣りに住む老夫婦の元に神学生の孫ウンベルトがやって来た。お年頃の彼は、お色気ムンムン(死語?)な隣のお姉さんに夢中になってしまう。孫に近づくなと怒るおばあちゃん。ウンベルトはいかにもイタリアの伊達男なスーツ姿で背伸びして現れる。しかし神学校に戻るようにマーラに言われて自暴自棄に。われらがマルチェロは、ずーっとおあずけを喰らう馴染みの男性役。マーラに振り回されているのか、勝手に騒いでいるのか、とにかく落ち着きのないダメ男で笑わせてくれる。僕ら世代にとってマルチェロ・マストロヤンニは、子供の頃に男性化粧品VALCANのCMで見てた渋いイメージ(同世代にしかわかんない?w)が強いから、ストッキングを脱ぐマーラを見てキャーキャーはしゃいでるエロ親父ぶりが面白くて仕方ない。

第3話のヒロインは、男性を虜にするのみならず、少年の憧れでもあり、老婦人から最後は人柄で認められる魅力をもつ女性。スタイルや美貌だけじゃないのだ。3話を通じてソフィア・ローレンの魅力満載の映画だ。これは、わが親父殿も含めて特に男性は夢中になるだろうし、女性にとってもこのバイタリティと美しさは憧れてしまうかも。

「河の女」もよかった、と親父殿は具体的にタイトルを挙げる。改めて親父の机から出てきたチラシを見ると、おお、アンソニー・パーキンスとの共演作があるぞ。タイトルは「楡の木陰の欲望」…聞くだけで悶々としてきそうなタイトルw。



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プレデター

2022-09-05 | 映画(は行)

◼️「プレデター/Predator」(1987年・アメリカ)

監督=ジョン・マクティアナン
主演=アーノルド・シュワルツェネッガー カール・ウェザース ビル・デューク

長男が高校生の頃、アーノルド・シュワルツェネッガーにハマったことがある。きっかけは「コマンドー」で、主演作を観るシュワ祭りを二人で連日やった。僕がやたら80年代の主演作をプッシュしたせいか、「プレデター」をやたら気に入ってしまい、その後「プレデター」祭りが展開されることになった。こんなはずじゃなかったのに、と父親は思う😓。

僕が初めて観たのは社会人になってすぐの時期。劇場公開時はスルーしていて、ビデオを借りて観た。アクションスターの大作なんてあの頃あまり観なかったのだが、「ダイ・ハード」があまりにも面白かったので他のジョン・マクティアナン監督作に挑んだ次第だ。

政府要人救出のためにジャングルに降り立った特殊部隊。しかしそこに正体不明の生命体がいて、狩猟のように人間を襲い、殺した人間の頭蓋骨を愛でる。透明になって視覚から消え、腕から銃撃。次々に屈強な男たちは倒されていく。追い詰められるシュワちゃん演ずる主人公は、肉体と知恵でやつらに立ち向かう。

熱反応でターゲットを検知し、攻撃するプレデターたちを、サーモグラフィーの画面で表現する斬新さは今観ても面白い。あの頃は、「ターミネーター」「ロボコップ」など主観ショットに面白い工夫をした映画がいろいろあったよな。何よりもプレデターのデザインのカッコよさがいい。鎧のような外見と、そこに仕掛けられた兵器の数々。そしてマスクの下の“ugly“な素顔。でもそれを倒すのは生身の肉体で戦う人間という面白さ。男しか出てこない血まみれのSFホラーを観るなんてほんとに自分には珍しいのだが、泥まみれになって挑む姿にハラハラ。

テクノロジーと人間という生真面目な視点もあるかもしれないけど、そんな堅いこと考えちゃダメ。目の前にせまる危険に理屈なんてない。大事なことは、事態を把握して、分析して、対策を考える力だ。それをこの上ない分かりやすさで示してくれる映画。しかも後半は台詞が極端に少なくなる。映像で語り尽くす面白さ。

初めて観てからウン10年経つ。僕らが日々戦う仕事だって、手取り足取り教えてくれる人なんていない。正体不明の相手に立ち向かうのは、自分で考えることと経験値しかない。社会人として現実世界をサバイバルするのにも、事態を把握して、分析して、対策を考えることは「プレデター」と何も変わらない。そう言う意味じゃ、シュワちゃんの映画は落ち込んだ時のカンフル剤になってくれるのだろう。でも、嫌な上司だからって、面と向かって“ugly“って言わないでね。




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異動辞令は音楽隊!

2022-09-01 | 映画(あ行)


◼️「異動辞令は音楽隊!」(2022年・日本)

監督=内田英治
主演=阿部寛 清野菜名 礒村勇斗 光石研

警察音楽隊の裏側を面白おかしく見せる目的の、周防正行の「ファンシィダンス」的で矢口史靖の「スウィング・ガールズ」ぽいお話と思っていた。いやいや、もっといろんな要素を詰め込んでいる。コメディだけどサスペンスでもあり、楽しいけど厳しい現実があって、変われない男が成長する話なのだ。

第一線の刑事として過ごしてきた50代の主人公成瀬。違法捜査と言われても仕方ないような危ないやり方で、部下には厳しい鬼軍曹。コンプライアンスで縛られる令和の世になって、彼に警察音楽隊への異動辞令が下る。音楽の経験は小学生の頃お祭りで叩いた和太鼓だけなのに。生き方を変えられず、担当していたアポ電強盗事件にこだわる彼は、警察音楽隊では予想通りに険悪な空気に。老いた母は痴呆が進み、高校生の娘とも気持ちがすれ違う。音楽、音楽隊メンバーとの触れ合いから、成瀬は少しずつ変わり始める。そんな大人の成長物語。

僕は「Men's Non-No」創刊号世代。80年代半ばは、おしゃれ雑誌と映画雑誌、FM雑誌と共に過ごした。阿部寛はその頃Non-Noのモデルとして登場。俺たちこんな風に着こなせないし、第一こんなカッコよくなれねーしと、羨望とやっかみで阿部寛や風間トオルを見ていたっけw。その後、役者としての阿部寛の活躍は今さら語るまでもない。

そんな彼が50代半ばを過ぎ、この映画で不器用な昭和生まれの男を演じている。スクリーンのこっち側にいる(もうちょっと歳下の)僕も、近ごろ職場で立場が変わって、変化を余儀なくされている。阿部寛がこれまで演じてきた役柄って、頑なな生き方やこだわりから周りとうまくやっていけない男性像が僕には印象深かった。この映画の成瀬もその延長にある役柄だろう。でも今までと感覚がなんか違う。多分このタイミングで観たせいで、初めて阿部寛が演ずる男性に自分を重ねられたように思えたのだ。

僕は元吹奏楽部で、近頃もウインドシンセをいじってるもので、警察でも消防でも自衛隊でも音楽隊の演奏はたいへん興味がある。この映画での演奏も楽しい。街頭でスクエアの宝島を演奏するシーン。あー、吹きたいっ🎷🎺!ドラム初心者なのに16分の1拍フツーよりスネアがズレるパターンを崩れずにこなしているやん!演奏シーンは演技の吹き替えなしとのこと。エンドクレジット見ると、演奏の録音にはシエナ・ウインド・オーケストラが参加しているのか。おーっ、なるほどね😊。トランペット担当の清野菜名とIn The Moodのトランペットソロの部分を深夜の倉庫で(近所迷惑でしょw)演奏する場面、「ラフィンノーズとか聴く?」と笑う縛虎申もとい渋川清彦もいい。スタンプ押しの場面、気持ちわかるなぁー😊

一方で厳しい現実も映画は忘れない。警察内部での音楽隊に向けられる視線、通常の仕事と兼務に悩む団員たち。やりたくて演奏するメンバーと成瀬と同じく「なんで俺が」の気持ちを捨てきれないメンバー。子育てと激務の両立。そんなメンバーが、警察官としての本領と意地で、刑事課以上の活躍をするクライマックスはベタな上にベタなのだが素直に感動させられる。内田監督ってヤクザもの手がけてたこともあるから犯人はあの方なのね🤣。

演奏会場に遅れる!というピンチは、「スウィングガールズ」をどうしても思い出してしまうw。

「音楽はどこででもやれる」そうだよな。変われなかったけれど成長した男の言葉にちょっと勇気づけられて映画館から帰ったんでした。迷ったけど観てよかった。

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