
◼️「天国から来たチャンピオン/Heaven Can Wait」(1978年・アメリカ)
監督=ウォーレン・ビーティ バック・ヘンリー
主演=ウォーレン・ビーティ ジュリー・クリスティ ジェームズ・メイスン ジャック・ウォーデン
死んだボクサーが主人公の「幽霊紐育を歩く」をリメイクした70年代のヒット作。アメリカンフットボールの選手に翻案されており、スーパーボウル出場がクライマックス。アメリカ人には、やたらと盛り上がれる改変なんだろう。
ウォーレン・ビーティが、まだ寿命があったのに天使の手違いで死んでしまったフットボール選手を演じる。誤りを認めた天使たちの計らいで、死にかかった人物に乗り移ってその人として生きる道を示される。今使える死体として、秘書と妻の裏切りで殺されたばかりの大富豪がいた。公害問題で富豪に抗議にやってきた女性教師に一目惚れした彼は、富豪の身体を一時的に使わせてもらうこととし、彼女に近づくとともに、その身体と財力を使って再びフットボール選手になろうとする。
この一見都合のよい話を引っ張るのはスポーツと恋。それはひたすら懸命になることに映画を観る誰もが共感できる要素。だからフットボールのすごさがよくわからなくても、風変わりな恋愛映画として広い観客層の共感を得られる作品に仕上がっている。姿こそ変わっても愛する気持ちだけが残っているラストシーン。コーヒーショップへと向かう2人に幸せを祈らずにはいられない。
生きている人間には天使が見えない。天使長のジェームズ・メイスン(名演)とウォーレン・ビーティのやり取りが現世の人間には見えないから、奇行と思われてしまう。屋敷の使用人が物置にいる主人の様子をうかがう場面にはニヤけてしまう。同じ場面にいる複数の人物がお互い関われない存在である映画の撮り方も面白いところ。イングマル・ベルイマンの「野いちご」、フランソワ・オゾンの「危険なプロット」、ウディ・アレンの「ローマでアモーレ」、「記憶探偵と鍵のかかった少女」などなどでこの手法は受け継がれている。他に思いつく作品ありますか?
ウォーレン・ビーティが、まだ寿命があったのに天使の手違いで死んでしまったフットボール選手を演じる。誤りを認めた天使たちの計らいで、死にかかった人物に乗り移ってその人として生きる道を示される。今使える死体として、秘書と妻の裏切りで殺されたばかりの大富豪がいた。公害問題で富豪に抗議にやってきた女性教師に一目惚れした彼は、富豪の身体を一時的に使わせてもらうこととし、彼女に近づくとともに、その身体と財力を使って再びフットボール選手になろうとする。
この一見都合のよい話を引っ張るのはスポーツと恋。それはひたすら懸命になることに映画を観る誰もが共感できる要素。だからフットボールのすごさがよくわからなくても、風変わりな恋愛映画として広い観客層の共感を得られる作品に仕上がっている。姿こそ変わっても愛する気持ちだけが残っているラストシーン。コーヒーショップへと向かう2人に幸せを祈らずにはいられない。
生きている人間には天使が見えない。天使長のジェームズ・メイスン(名演)とウォーレン・ビーティのやり取りが現世の人間には見えないから、奇行と思われてしまう。屋敷の使用人が物置にいる主人の様子をうかがう場面にはニヤけてしまう。同じ場面にいる複数の人物がお互い関われない存在である映画の撮り方も面白いところ。イングマル・ベルイマンの「野いちご」、フランソワ・オゾンの「危険なプロット」、ウディ・アレンの「ローマでアモーレ」、「記憶探偵と鍵のかかった少女」などなどでこの手法は受け継がれている。他に思いつく作品ありますか?