goo blog サービス終了のお知らせ 

Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

2025年5月のプレイリスト

2025-05-31 | 今日のBGM


◆2025年5月のプレイリスト
2025年5月に聴いていた愛すべき31曲

goo blogのサービス終了でこのブログもどうしようかと思ってました。映画レビューはFilmarksで続けていくとして…。

ずっと続けている映画の年間ベストの選出を自由に記録するのと、今回の音楽日記プレイリストのシリーズが書けなくなるのは、ちともったいないんですよねー🤔

という訳で、ブログのお引越し作業始めました!。大昔の家族ネタとかは縮小してしまおうかと。まぁぼちぼちやりますので、時期が来ましたらお知らせします。

1 ひとりごと(Omoinotake)
カラオケで歌いたいアニソン🎤♪
2 Do It Again(Steely Dan)
スティーリー・ダン、今まで真剣に聴いてなかったけどかなり好みな気がする。
3 ポップコーン!!(feat.ハローキティ、なるみや&原口沙輔)(MAISONdes)
できたてのポップコーンはいかが?🍿
4 Modern Love(David Bowie)
(空耳)あの町から/あら私たいへん/お客さん来たぁ♪
5 笑顔のユニゾン♪(キュアアイドル(CV:松岡美里)、キミとアイドルプリキュア)
一度聴いたら耳から離れない💧
6 Message in a bottle(Sting)
Sting3.0ライブ盤を聴く。やっぱりスリーピースバンドが似合う曲。
7 life(中園亜美)
GW終了。そして日々の生活は続く。
8 THROUGH THE WINDOW〜月に降る雪〜(河合奈保子)
曲もアレンジもボーカルも今聴いてもカッコいい。
9 In The Dead Of The Night(UK)
鍵盤主体のサウンドが心地よい。
10 オリーブの首飾り(Version88)(Paul Mauriat)
様々なバージョンがあるが、80年代後半のこのアレンジがいちばん好き。

11 スローモーション(玉井詩織)
明菜トリビュート盤より。原曲アレンジの骨格が崩れないのは完成度の証。
12 Little Girl(Journey)
高田賢三監督の映画「夢・夢のあと」で使用されたアコースティックなバラード。
13 ミッドナイト・リフレクション(NOMELON NOLEMON)
流星群願いを聞いて
14 HEROES(ダイヤモンド⭐︎ユカイ)
デビッド・ボウイトリビュート盤より。
15 ラプソディ(THE YELLOW MONKEY)
オパーオパー♪エロ歌詞ソングと見せかけて、吉井和哉が痛めた声帯の歌。
16 いま風の中で(影山ヒロノブ)
「忍風戦隊ハリケンジャー」ED曲。戦隊もののスピリットを高らかに歌った名曲。
17 真珠のピアス(星屑スキャット&八方不美人)
歌詞のヒロインの静かな復讐劇がじわっと怖い。このメンバーだからなおさら?
18 Mission : Impossible Theme(Lalo Schifrin)
最新作先行上映で鑑賞。相変わらず高所恐怖症には辛い映画よね😖
19 小さな旅(ピアノソロ)(大野雄二)
ジャズアルバムのラストに添えられた一曲。ピアノだといちだんと哀愁を感じる。
20 Good Morning Mr.Roadie(TM Network)
ツアースタッフへの感謝の歌。"いつか歌にしたかった"って歌詞がグッとくる。

21 シャレード(水樹奈々)
難易度高いテクニカルな曲が多かったので、こういう歌謡曲テイスト好き😊
22 Be My Baby(原田知世)
知世ちゃんの一人ロネッツ。
23 Gypsy Train(Toto)
アルバム「Kingdam Of Desire」は大好きなのです。
24 宝島(北宇治高校吹奏楽部)
吹奏楽ver.を「ユーフォ」サントラで。
25 Too Much Heaven(失われた愛の世界)(Bee Gees)
この時代のビージーズは時々聴きたくなるのです。
26 99 Luftballons(NENA)
80's洋楽満載の映画「アトミック・ブロンド」鑑賞。既成曲の使い方が上手😆♪
27 I Ran (So Far Away)(A Flock Of Seagulls)
同じく「アトミック・ブロンド」使用楽曲。懐かしいけど古くさい印象はない。
28 Highly Strung(Orianthi)
マイケル「THIS IS IT」の女性ギタリスト。ギターバトルのインスト曲。カッコいい!🎸✨
29 Sky High(Jigsaw)
香港映画「スカイ・ハイ」初鑑賞。こんなんだったのか!😳💦
30 Voices Carry(愛のVoices)(Til Tuesday)
こちらも「アトミック・ブロンド」関連楽曲。重要なシーンで流れます。

31 Ready To Rock(BAND-MAID)
アニメ「ロックは淑女の嗜みでして」ドハマり中🎸⚡️









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岸辺露伴は動かない 懺悔室

2025-05-26 | 映画(か行)


◼️「岸辺露伴は動かない 懺悔室」(2025年・日本)

監督=渡辺一貴
主演=高橋一生 飯豊まりえ 玉城ティナ 井浦新

ベネチアが舞台の映画ってちょっとワクワクする。実は数少ない海外旅行経験の一つがイタリア。ベネチアは数々の映画で観てきた場所だけに、サンマルコ広場を見た時は嬉しくて仕方なかったっけ。本作に登場するベネチアンマスクは今も飾っている。風変わりな楽器モチーフの仮面で、お店の方に「それを選ぶのはいいセンスしてるねぇ♪」(とのイタリア語)と明るい巻き舌で言われた。

さて。岸辺露伴先生の新作は、ベネチアで遭遇するしつこい呪いの物語。神父に間違われて懺悔を聞くことになった露伴。その男は、幸福の絶頂に絶望が訪れる呪いをかけられていると言う。結婚を控えた仮面職人の娘と知り合った露伴は、その父親が懺悔室の男だと知る。娘の結婚を阻止しようとする父親。ヘヴンズドアで男の記憶を読んだ際に指を血で汚した露伴にも、その呪いの影響が起こり始めた。露伴にも絶望が?父娘の末路は?

曇り空と陰影が印象的な室内撮影。全体の淡い色調が、ストーリーと同様にモヤモヤとした雰囲気をつくる。迷路のように入り組んだベネチアの街並みで迷子になったみたいに、物語もスッキリとは進まない。テレビシリーズ同様に淡々としたムードの中、男のうめき声と叫び、呪いをかけられた井浦新が口にするのは念仏のような独り言。

今回も担当編集者の泉京香のつぶやきが、露伴のひらめきにヒントをくれるのがいい。露伴と泉のコンビが毎回事件に巻き込まれるのは原作にはない設定だそうだが、これがホームズと頼りないワトソンみたいで面白い。実生活でパートナーとなった主演の二人。噛み合わないやり取りが、いつになく微笑ましく聞こえてしまう😊

娘が選んだ仮面職人という職業へのこだわりが、結果として皮肉な結末へとつながるオチには思わずニヤリ。こじんまりとはしているが、寓話的で面白いエピソード。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング

2025-05-24 | 映画(ま行)


◼️「ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング/Mission : Impossible The Final Reconing」(2025年・アメリカ)

監督=クリストファー・マッカリー
主演=トム・クルーズ ヘイリー・アトウェル ヴィング・レイムス サイモン・ペッグ

先行上映と聞いたから夜1回かと思ったら、トム・クルーズの「アリガト。」コメント付きで公開前週末から事実上のスタート。早速参戦。本作はMIシリーズの集大成という位置付け。最近のクリストファー・マッカリーは、トム・クルーズをカッコよく撮る専属監督みたいな職人仕事をしている。本作はそこに加えてMIシリーズへの愛もたっぷり詰め込んだ。

イーサン・ハントのこれまでの任務を振り返る映像や証言が次々に示される。前作から続く世界の危機的な状況にそれらが大きく関わっている。世界がこうなったのは、イーサンお前のせいだ、と「エヴァQ」の碇シンジみたいに政府上層部から徹底的に罵られる。彼には実績もある一方で組織にとっては扱いにくい存在。幾度も世界を救ってきたのに、何だその言葉は!と盲目的なシリーズファンをイライラさせる。それでも世界はイーサンに頼るしかない。アンジェラ・バセット演ずる女性大統領(これも驚きの展開!)はイーサンの主張を受け入れて、わずかなチャンスに賭けるミッションを手助けする。

沈没したロシアの潜水艦にたどり着くまでの、数々の困難を乗り越えていく様子や、イーサンにかけられる何気ないひと言が、人の関わりって温かくて有難いものだなと思わされる。クリストファー・マッカリー監督になってからの作品は、チームプレイがより重要な要素になっていて、ちゃんとオリジナルの「スパイ大作戦」に通ずる作風になっているのが好感だ。本作は特に多くの人々が関係しており、それぞれの現場のプロの活躍が頼もしい。潜水艦の艦長が「ミスター…」とかける言葉も、へき地の観測所に飛ばされた元CIA職員(これがまた粋な設定!)も心に残る。

悪役がAIという大風呂敷を広げた話が、イーサンが不可能と思われることを一つ一つ突破することでAIの予測を裏切り続けるのが面白い。人間の気まぐれな思いつきや感情の揺らぎ、予測できない行動。それが世界を救うのだ。

それにつけても、このシリーズは高所恐怖症に優しくない。「ゴーストプロトコル」のビルよじ登り場面、「フォールアウト」のヘリの積荷に捕まる場面では、映画館の椅子にへばりついたもんです。ポスターやチラシのデザインが複葉機になった頃から嫌な予感がした。だが落下の恐怖を観客に味あわせるのは空ばかりじゃない。深海に沈む潜水艦からの脱出シーンはど迫力。だ、大丈夫なのか!?😨そして最後の大舞台はコンゴの大空!
き、来やがった…💧
逃げるガブリエルを赤い複葉機で追うイーサン。ポスターの飛行機は黄色だったよねぇ。
う、うわっ…マジか😣
ただでさえ長尺なのに、危機また危機でどんどん上映時間が長くなる。うわー、乗り移っちゃったよ。

ひぃーっ😖

確かに都合のいい部分もあるけれど、満足できるエンターテイメント。イーサンのチーム、ガブリエルの一味、イーサンを追う米国の面々…と三つ巴のサスペンスは、それほど複雑には感じられなかった。ストーリーが進行する中で、理屈と過去のミッションとの関係性など多くの情報量が示される。よくわからないものもあったし、そこを負担に感じる人はいるだろう。だが、この大活劇の前にはそんな理屈がどうでもよくなってしまう。これを映画館で楽しまずにどうする。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

裸の銃を持つ男PART33 1/3最後の侮辱

2025-05-21 | 映画(は行)


◼️「裸の銃を持つ男PART33 1/3最後の侮辱/The Naked Gun 33 1/3 : The Final Insult」(1994年・アメリカ)

監督=ピーター・シーガル
主演=レスリー・ニールセン プリシラ・=プレスリー ジョージ・ケネディ

レスリー・ニールセンのフランク・ドレビン警部シリーズ第3作。バカバカしさは相変わらず。だが、下品でベタな笑いが多かったこれまでとは違って、クスッと笑える小ネタとパロディを詰め込んでいる。それだけに公開当時だから伝わるギャグも多いし、ちょっとやり過ぎと思えるネタもある。前2作よりも観る人を選ぶ作品かもしれない。

いきなり冒頭に登場するのは、ブライアン・デ・パルマ監督作「アンタッチャブル」。駅階段の銃撃戦シーン(それ自体も「戦艦ポチョムキン」のオデッサの階段が元ネタ)のパロディ。シリーズ伝統の有名人そっくりさんも交えて派手な幕開けになっている。他にも「大脱走」「サタデーナイト・フィーバー」「テルマ&ルイーズ」を思わせる場面も。

退職したドレビンに警察から事件捜査の協力依頼が来る。もう銃は握らないと妻ジェーンに約束したが、そこは長年やってきた刑事の性(さが)。二人は仲違い。ドレビンは爆弾魔ロッコに近づくために刑務所に潜入し、接近に成功。ロッコと共に脱獄したドレビンは、ロッコが仕掛ける次なる爆破を阻止できるのか。

クライマックスはアカデミー賞授賞式。仕掛けられた爆弾を阻止するためにドレビンが大舞台に紛れ込んで騒動を巻き起こす。ここでもパロディがあれこれ炸裂。授賞式に招待されたスターの一人として、われらがアル・ヤンコビック登場!🤣(どんだけ好きなんだ、オレ)。アカデミー賞にノミネートされた作品も「ジュラシックパーク」などヒット作のパロディ。

リチャード・アッテンボロー(「ガンジー」でオスカー受賞)が監督賞候補となっているのは、マザー・テレサが暴食とダンスをするミュージカル映画!🤣。アル・ヤンコビックがかつてやった銃をブッ放す「ガンジー」のパロディを思い出す私(どんだけ好きなんだw)。

プレゼンターとしてマリエル・ヘミングウェイやラクウェル・ウェルチ、ジェームズ・アール・ジョーンズらがクレジットなしで登場する。映画ファンとしてはこうした小ネタが楽しくて仕方ない。プレゼンターの一人で登場するオリンピア・デュカキスは、助演賞を獲得したアカデミー賞授賞式で民主党大統領候補の甥を応援するスピーチをした人でもある。前作の民主党ネタの続きととるのは深読みのしすぎ?😁

ただ郵便労組過激派が暴徒として登場する場面や、FBI長官J・エドガー・フーパーを女装趣味のゲイとする小ネタはちょっと不謹慎な気もする。悪ノリもほどほどに。色仕掛けより緩衝材のプチプチの場面は好き🤣。爆弾魔ロッコ役がフレッド・ウォードっていいキャスティング。

エンドクレジットにも悪戯が仕込んであるのだが、今回は
"駐車している青のホンダアコード、ライトがついています"
と出てきます。探してみてねーw





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

裸の銃を持つ男PART2 1/2

2025-05-19 | 映画(は行)


◼️「裸の銃を持つ男PART2 1/2/The Naked Gun 2 1/2 : The Smell Of Fear」(1991年・アメリカ)

監督=デヴィッド・ザッカー
主演=レスリー・ニールセン プリシラ・プレスリー ジョージ・ケネディ

フランク・ドレビン警部、今度はエネルギー業界にはびこる悪を打ち砕く大活躍。くだらないけど楽しい85分。

映画中盤、ある場面に釘付けになった。ドレビンとジェーンが結ばれる場面だ。抱き合う二人はたまに映るだけ。あとは行為や状態を連想させる様々な映像がつなぎ合わされるのだ。花弁がゆっくりと開き、雄しべとと雌しべがあらわになる。建ち並んだクレーンが傾きを、ミサイルの弾頭がゆっくりと向きを変え、ダムからは水が溢れる。最後は夜空に花火が満開となる。ふざけてる。ふざけてるにも程がある😨

でもこれほどアイディアに満ちて、下品なのに美しくて、登場人物そっちのけのラブシーンは見たことがない。こんなの他の誰にも撮れない🤩

映画のパロディ場面は見どころの一つ。特にデビッド・ザッカー監督の弟ジェリー・ザッカーの大ヒット作をネタにした場面はいいね。「カサブランカ」もサラリとネタにする。前作同様に扉にぶつかるギャグがしつこく繰り返される。ここまで徹底されるともう笑うしかない。

政治家のそっくりさん登場も前作同様。大活躍の後で大統領に促されたドレビンのスピーチがナイス。ブッシュ大統領の前で、よりによって民主党を持ち上げるひと言はダメでしょ🤣





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サブスタンス

2025-05-17 | 映画(さ行)


◼️「サブスタンス/Substance」(2024年・イギリス=フランス)

監督=コラリー・ファルジャ
主演=デミ・ムーア マーガレット・クアリー デニス・クエイド

(上映前)
初日初回に参戦。80年代育ちですもん、デミ・ムーアの熱演がどんなもんか見届けるべきよね。上映前に朝マックしよう♪と思ったら、その日からちいかわのハッピーセットなので、すんげえ長蛇の列!😳まぁいいよ。こっちはデミ・ムーア主演作が上映されるまでの暇つぶしだからね。ま、待ちますよ💢

(上映後)
映画友達に速攻メールを送った。
"な、なんかすげえもんを観てしまった😭
 強力な口直し映画が欲しいけど
 モーレツに疲れた。無理😓"

ニッポンの映画宣伝コピーなんて信じない私だが、今回ばかりは四字熟語「阿鼻叫喚」(非常に悲惨な状況に陥って泣き叫び苦しむ様子)を使った気持ちが理解できた。確かにそう、そのものだ。こんな血まみれと思わなかった、終盤スクリーンを見るのが辛かったと文句言われても、四字熟語に全てを託した宣伝に嘘も誇張もない。

しかも入場者には「サブスタンス接種証明書」と記されたステッカーが渡される。なんて悪ノリ!映画終盤で途中退場したおばさんたちが何人かいたが、きっとこのステッカーをゴミ箱にポイだ。デミ・ムーアがサブスタンスの説明データが入ったUSBメモリーを捨てた場面と同じように。

かつてダリル・ハンナが言った。
「40代になったら女優の仕事はガクッと減るのよ」
本作でもデニス・クエイド演ずるプロデューサーが「50歳過ぎたら、女性は…がなくなる」とモゴモゴ言いながら、エリザベスを番組から降板させる。タレントとしての商品価値、セックスアピール、売り物にされる性。業界のプレッシャーの中で生きていく辛さは僕らの想像を超えるもの。一方で若さや美を対する過剰な執着は、身を滅ぼすことになる。

これらは「イヴの総て」や「サンセット大通り」でハリウッドがこれまでも描いてきた題材でもある。「サブスタンス」が扱うテーマとしては決して斬新なものではない。それは女性の扱われ方という業界問題が、今も昔も変わってないということでもある。悲しいけど。

だが「サブスタンス」はこれまでにない映画だ。そりゃ描写はほぼスプラッター映画だし、「エイリアン4」の(いろんな)リプリーも真っ青なビジュアルが登場する。でもそれは表現の手段であって、描こうとした目的ではない。

「2人だけど1人」と再三注意されたバランスが崩れるエゴの醜さ。そして事態を終結させると一度は決めたエリザベス。

この映画が他とは違うのは、その先にある心理にちゃんと向き合ったことだ。エリザベスが思いとどまった気持ちをきちんと示し、それをデミ・ムーアが美醜を超えた演技で世に示したことだろう。自分の実績ある仕事を"ジュラシック"と罵った分身は、母体である自分を食い物にしている。今や憎むべき存在となったはずのスーだが、あなたの存在が必要、輝きの中にあなたはいなくてはいけない、とエリザベスは救おうとする。"推し"を盲目的に応援してしまう心理。いや、どんな目に遭っても子供を思う母性にも似ている。

思えば、デミ・ムーア自身もハリウッドのプレッシャーの下で戦ってきた闘士だ。若い頃は美貌ゆえの役柄が印象に残るが、一方で果敢に難役にも挑んできた人だ。サスペンスも文芸作もある。「第七の予言」の妊婦ヌード、「素顔のままで」で施した豊胸手術、鍛え上げて出演した「G.I.ジェーン」。雑誌で披露したボディペイントのヌードも含めて身体を張って仕事をしてきた。「セント・エルモス・ファイヤー」を愛する僕は、「チャリエン」のデミ・ムーアを見てハリウッドのおもちゃにされてるよなぁと複雑な気持ちになった。

「サブスタンス」はまさにブッ飛んだ表現のとんでもなく刺激的な映画。よくこんな役をデミ・ムーアが…とこのレビューを書く前は思っていた。だが、執着とその果てにある悲劇、スターシステムの華やかさと恐ろしさへの警告をこれだけ身体を張って演じられるのは、様々な作品に挑み続けてきたデミ・ムーアだからできたと思えるのだ。すごいよ、やっぱり🥹

エンドロールを眺めながらちょっと涙がにじむ。ラスト20分をまだやるの?その先まで見せないとダメなの?と思いながら耐えた疲労感。強烈なスプラッター(いや、スラッシャー?)描写をもうやめてー!😖と心で叫んでいた反動。マーガレット・クアリーの裸体の印象が吹っ飛んでしまった悔しさ(笑)。

(翌朝)
目玉焼き🍳を作ろうと僕は厨房に立った。卵を割った瞬間、映画冒頭の映像が記憶によみがえった。そして背筋に戦慄が走った。大丈夫だ、振り返っても分身はいない。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

裸の銃を持つ男

2025-05-16 | 映画(は行)


◼️「裸の銃を持つ男/The Naked Gun : From The Files Of Police Squad !」(1988年・アメリカ)

監督=デヴィッド・ザッカー
主演=レスリー・ニールセン プリシラ・プレスリー ジョージ・ケネディ O・J・シンプソン

えーと今回が初鑑賞。公開当時は完全にスルーしていた。レスリー・ニールセンがこんな役を?「禁断の惑星」のハンサムな主人公だぞ。「ポセイドン・アドベンチャー」の(開始早々退場する)船長さんだぞ。何もこんな笑い者にならなくても…と思ってたのだ。

時を経てお気楽な80'sハリウッド映画に寛容になった僕(何様だ)。今回観た理由は、一瞬出てくるアル・ヤンコビックを確認するのと、女優しているプリシラ・プレスリーをちゃんと見たかったからw。なんせプリシラは三船敏郎共演の寝具CM(「うーん、寝てみたい♪」ってヤツねw)しか見たことがないもので(懐)🤣。



もちろんリーアム・ニースン主演でリメイク製作が決まったのもある。

冒頭のそっくりさん首脳会談から楽しい😆ゴルビーの頭拭いたのはいいね。世界情勢も今ほど緊張感なかったんだろか。続くタイトルバックのくだらなさ。パトカーどこ走ってんねん!🤣

エリザベス女王の警備にあたることになった主人公フランク・ドレビン警部。会見から失態続き。同僚役はジョージ・ケネディが不憫で仕方ないけれど、それでもドレビンへの仲間意識は変わらない。怪しい実業家の事務所でのドタバタ劇から、再び忍び込んで火災を起こす。この脱出劇のベタで下品な下ネタにもクスクス。…歳とると笑いのハードル低くなるのかな💧

プリシラとの海辺のデート場面、好き。
安全性交…続く場面に爆笑🤣

映画後半。女王が野球観戦する場面からのしつこくてノリノリのギャグ連発にはさすがに呆れてしまう。くだらねえ、でもなんか楽しいからよし。台詞や小ネタでクスッと笑わせてくれるのが好き。「警官が好きなの♡」のひと言でドレビン以外の警官が浮き足立つギャグ、犯人アジトに踏み込む刑事の失態、ナイスです。

われらがアル・ヤンコビックは、ドレビンと同じ飛行機から降り立つロックスター役。一瞬映るだけなのに「よりによってこいつかよ!」🤣と笑えるのは、彼の替え歌に笑った80年代育ち限定か。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウディ・アレンのザ・フロント

2025-05-13 | 映画(あ行)


◼️「ウディ・アレンのザ・フロント/The Front」(1976年・アメリカ)

監督=マーチン・リット
主演=ウディ・アレン ゼロ・モステル マイケル・マーフィ アンドレア・マルコビッチ

東西冷戦下の1940〜50年代に、共産主義者であったり、その疑いをかけられた映画関係者がブラックリストに載せられ、仕事を干されたり、仲間を売ることを強要されたり、政治が介入する出来事があった。いわゆる"赤狩り"である。当時の様子は「真実の瞬間」や「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」(この副題どうなん?💢)として映画化され、ジム・キャリーの「マジェスティック」(秀作!)でも物語の背景となっている。本作は、マーチン・リット監督や脚本のウォルター・バーンスタインなど、実際にブラックリストに載った面々が関わっている。日本では劇場未公開。

赤狩りで仕事がなくなった脚本家が、飲食店で働く主人公ハワードに名前を貸して欲しいと申し出る。その脚本は評判となり、冴えない日々を送ってきた主人公は、新鋭脚本家として世間の注目を集めることになる。本当は身代わりの存在なのに。他の脚本家の作品も彼の名前で出されることになり、急に金回りも良くなったハワード。生活も派手になり、テレビ局で製作に関わる女性との恋も。そんなハワードに非米活動委員会が目をつける。

赤狩りに翻弄される人々を描いてシリアスなムードの作品なのだが、ウディ・アレンだけは自作と同様に飄々と軽口と口説き文句と身勝手な自信を口にする。されどリストに実際に載った監督たちにとっては恨みつらみを吐き出すような題材。ウディのコメディ演技は映画のムードから浮いてるように思える。クライマックスの委員会場面では屁理屈をこねて質問をけむにまこうとするが、この応酬がなんとも情けない。身代わりをしたダメ男の悲喜劇を狙ったんだろうが、喜劇俳優の飛び降り自殺の後ではさすがに笑えない。マーチン・リットの演出あってのことだろうが、普段通りを貫いたアレン先生にはちと気の毒な出演作という気もする。それでもこうした出演作もあると知れたことは価値がある。

仲間をかばったことでハワードが英雄視されるラストシーンは台詞もなく軽妙な印象を受ける。そこにかぶさるクレジットには、スタッフや俳優の名前と共に「blacklisted in 1951」と実際の出来事が添えられる。このどちらともつかない微妙な空気。笑っては失礼…じゃなかろうか。

喜劇俳優ヘッキーを演じたゼロ・モステルも、ブラックリストにかつて載った一人。当局の追及にタジタジになり、やっと見つけた仕事も少ないギャラしかもらえない。表情が曇っていく演技は、迫真というよりもかつて自身が置かれていた状況なんだろう。政治がエンタメに過剰に介入するとろくなことがない。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シーラ号の謎

2025-05-10 | 映画(さ行)


◼️「シーラ号の謎/The Last Of Sheila」(1973年・アメリカ)

監督=ハーバート・ロス
主演=ジェームズ・コバーン リチャード・ベンジャミン ラクウェル・ウェルチ ジェームズ・メイスン

ひき逃げで妻シーラを失った映画プロデューサーのクリントンは、関係者を船旅に誘う。集まったのは女優とその夫、映画監督、脚本家と資産家の妻、芸能エージェントの男女6人。全員がシーラひき逃げ犯の疑いがある。6人にはある秘密が書かれたカードが配られ、その秘密が誰のものかを明らかにしていくゲームが毎夜行われた。ところがそのゲームの翌日にクリントンが死体で発見された。6人はそれぞれのカードを明らかにして、殺人事件の謎に迫ろうとする。一人が真相を告白したことで解決したかに思われたが…。

ハーバート・ロス監督というと、僕ら世代は「グッバイガール」や「愛と喝采の日々」、大ヒット作「フットルース」を思い浮かべる。本作のような犯人探しミステリーは珍しい。秘密が書かれたカードは、その場にいる誰かの過去の過ちや性的志向が書かれている。人を集めて過去の過ちを示すという導入は、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を思わせる。だが目立った探偵役がいないことや、わずかな手がかりから落ち着いたはずの結末が覆される推理劇は独自の魅力。

クルーズを主催するプロデューサーは、いかにも何かを企んでいそうなジェームズ・コバーン。「ウエストワールド」で青い顔して逃げ回っていたリチャード・ベンジャミンは、今回は自信ありげに推理の持論を語る。誰もが惚れてしまうスター女優はラクウェル・ウェルチ。ビキニ姿の場面は短いけれど注目に値する。いかにも悪そうなイメージがあるジェームズ・メイスン。「天国から来たチャンピオン」の悪妻ダイアン・キャノンもイメージ通り。

ゲームが行われる修道院の不気味な雰囲気やクライマックスの謎解きはなかなかスリリング。だがストーリーをきちんと見せることに重きが置かれたのか、盛り上がりは控えめで地味な印象が残った。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天国から来たチャンピオン

2025-05-07 | 映画(た行)


◼️「天国から来たチャンピオン/Heaven Can Wait」(1978年・アメリカ)

監督=ウォーレン・ビーティ バック・ヘンリー
主演=ウォーレン・ビーティ ジュリー・クリスティ ジェームズ・メイスン ジャック・ウォーデン

死んだボクサーが主人公の「幽霊紐育を歩く」をリメイクした70年代のヒット作。アメリカンフットボールの選手に翻案されており、スーパーボウル出場がクライマックス。アメリカ人には、やたらと盛り上がれる改変なんだろう。

ウォーレン・ビーティが、まだ寿命があったのに天使の手違いで死んでしまったフットボール選手を演じる。誤りを認めた天使たちの計らいで、死にかかった人物に乗り移ってその人として生きる道を示される。今使える死体として、秘書と妻の裏切りで殺されたばかりの大富豪がいた。公害問題で富豪に抗議にやってきた女性教師に一目惚れした彼は、富豪の身体を一時的に使わせてもらうこととし、彼女に近づくとともに、その身体と財力を使って再びフットボール選手になろうとする。

この一見都合のよい話を引っ張るのはスポーツと恋。それはひたすら懸命になることに映画を観る誰もが共感できる要素。だからフットボールのすごさがよくわからなくても、風変わりな恋愛映画として広い観客層の共感を得られる作品に仕上がっている。姿こそ変わっても愛する気持ちだけが残っているラストシーン。コーヒーショップへと向かう2人に幸せを祈らずにはいられない。

生きている人間には天使が見えない。天使長のジェームズ・メイスン(名演)とウォーレン・ビーティのやり取りが現世の人間には見えないから、奇行と思われてしまう。屋敷の使用人が物置にいる主人の様子をうかがう場面にはニヤけてしまう。同じ場面にいる複数の人物がお互い関われない存在である映画の撮り方も面白いところ。イングマル・ベルイマンの「野いちご」、フランソワ・オゾンの「危険なプロット」、ウディ・アレンの「ローマでアモーレ」、「記憶探偵と鍵のかかった少女」などなどでこの手法は受け継がれている。他に思いつく作品ありますか?




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする