Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

7月のBGM

2012-07-31 | 音楽
2012年7月に聴いていた愛すべき音楽たち。

今月はブログ更新もおぼつかない怒濤の残業ラッシュでございました。
書かなきゃいけない映画レビューもたまってきちまった。いろいろ観ているのですが、しばしお待ちを。
さて、今月も節操なくあれこれ聴いております。

■The Collection/Sheena Easton
輸入盤が安いもので衝動買い。デビューから80年代半ばまでの楽曲をまんべんなく収めたお買い得なベスト盤。Telefone、Strut、When He Shines、For Your Eyes Only・・・聴きたかった曲ばかり。No One Ever Knowsが欲しいところ。
The Collection

■輝いた/シギ
アニメ「銀魂」のエンディングテーマだった楽曲。長男ルークのリクエストでiPodにあれこれ追加してやった曲のひとつ。カラオケで歌いこなすのはたいへんそうな超高音ファルセットが、聴いていて不思議と心地よく、今さらながら気に入ってしまった。メッセージ色の強い歌詞が心に残る。
輝いた

■Bye My Boy/the brilliant green
中古盤でthe brilliant green のBye My Boyのシングルを入手。105円也。これ欲しかったんよ。there will be love thereと長いため息のようにのデモヴァージョンが収録されてるから。シングルの完成版とは違った素朴な響きが、なんか、いい。tommyのヴォーカル、やっぱり好き。
BYE! MY BOY!

■まどろみの約束/千反田える(佐藤聡美)・伊原摩耶花(茅野愛衣)
目下僕のお気に入りアニメは、京都アニメーションがまたまた良い仕事をしている「氷菓」。エンディングで流れるヒロイン二人が歌うキャラソンに初めて聴いたときにビビッときた。迷わずCD購入(恥)。通勤中に原作も読んでいる。ミディアムテンポの8ビートが好きなんだよね、多分。「けいおん!」の律ちゃんとは随分キャラが違う佐藤聡美さんもグッジョブ。
まどろみの約束

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K-20 怪人二十面相・伝

2012-07-22 | 映画(か行)

■「Kー20 怪人二十面相・伝」(2008年・日本)

監督=佐藤嗣麻子
主演=金城武 松たか子 國村隼 仲村トオル 高島礼子

※結末に触れている部分があります
わが町北九州市で大規模な撮影が行われていたのに、今さらやっと全編観た。北村想の「怪人二十面相・伝」を原作にした映画化作品。とはいえ、第二次世界大戦を回避したという設定架空の都”帝都”を舞台にしたものに大幅に改変しているとか。時代背景まで変えることで、映画版だけの大胆なストーリーに持って行ける・・というのが狙いだったんだろうか。これにはどうも賛否あるようだ。僕は佐藤嗣麻子監督のデビュー作「エコエコアザラク」が実は大好きだ。若手女優陣の大熱演もあり、見応えのある血みどろホラー。原作のおどろおどろしさとは違うけど、学園ホラーとしての面白さは十分だった。それからも佐藤監督は有名な元ネタの映画化を手がけることになる。「ゴースト ニューヨークの幻」の翻案、実写版「宇宙戦艦ヤマト」の脚本・・・。正直なところ、僕は原作のイメージをぶっ壊す度胸をお持ちの方だと思っている。その分、熱心な原作ファンの反感を買うこともあるだろう。

この「K-20 怪人二十面相・伝」も然り。原作からいただいたのは、サーカスの団員が新たな二十面相となる(?)という筋書きくらい。映画では、サーカスの団員平吉(金城武)が二十面相に仕立て上げられる話になっている。自分を陥れた真犯人を突き止めるべく、持ち前の身体能力と泥棒長屋の人々のバックアップで、事件に立ち向かう。そして名探偵明智小五郎や小林少年とも対決することに・・・。しかも真犯人は驚くべき人物・・・。確かにこれは驚かされるけど、江戸川乱歩のオリジナルをこよなく愛する世代からは「そりゃねーよっ!」という声が聞こえそうだ。僕も観ていて「えっ?いいの?」と思わず口にしてしまった。うーん、乱歩を読破した僕の母がこの映画を観たら、きっと激怒するに違いあるまい。

だが映画全体の雰囲気は素晴らしい。北九州市の西日本工業倶楽部や旧門司三井倶楽部、上野海運ビルなど大正時代に建築されたレトロな建物を使ったロケーションの見事なこと。ワイヤーアクションはもちろん、どんな地形や障害でも己の体で乗り越えるパルクールという運動方法を用いたアクション場面はなかなか他の映画では観られない。地図に一本の線を引いてその通りに赤煉瓦の建物によじ登る場面はなかなか面白い。松たか子演ずる世間知らずのお嬢様、発明家の泥棒を演ずる國村隼、仲村トオル、嶋田久作など納得できるキャスティング。



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クールベ展

2012-07-16 | その他のつぶやき

北九州市立美術館で開催中の展覧会「フランス写実主義の巨匠クールベ展 印象派への架け橋」に行ってきた。ギュスターヴ・クールベは理想化された保守的なものが好まれた時代に、庶民の生活や生々しい裸婦などありのままを描いた写実主義の画家。パリコミューンにも参加していただけに反政府的な存在でもあった方なのだろう。

今回の展示は、スキャンダラスだと批判を受けた彼の主要な作品たちが見られる訳ではない。スイスに亡命した晩年の作品や、彼が愛した美しい風景を描いた作品や初期のデッサンなど、クールベの静的な穏やかな一面を見ることができる展覧会。また彼が登場する当時の風刺画や写真で世間が見た彼のイメージを知ることができる。その一方、フォロアーの画家たちが彼にオマージュを捧げた作品を通じて、クールベが与えた影響力を思い知らされる。どの作品がよかった、というよりもクールベ自身への興味をそそられる展覧会でした。9月2日まで開催中。

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ラム・ダイアリー

2012-07-08 | 映画(ら行)

■「ラム・ダイアリー/The Rum Diary」(2011年・アメリカ)

監督=ブルース・ロビンソン
主演=ジョニー・デップ アーロン・エッカート マイケル・リスポリ アンバー・ハード

※注意・結末に触れている部分があります
ジョニー・デップの友人だったジャーナリスト、ハンター・S・トンプソンの自伝的小説の映画化。報道記事というと出来事を客観視して書かれることが一般的に思うが、トンプソン氏のスタイルは一人称を用いた自分の言葉と感覚で語られる手法だった。これまでになかった手法だけに、彼の文章は”常軌を逸した”という意味をもつゴンゾー・ジャーナリズムと評された。ジョニー・デップは私生活でも親しかった彼だけに、この映画の製作にも名を連ねている。かなり個人的な思い入れがある映画だと言えるだろう。

プエルトリコの新聞社に勤めることになった主人公ポール・ケンプ。自称ジャーナリスト、小説家ではあるが、まだこれと言って作品にできたものがない。しかし読者あっての文筆業であるとの信念を強く持っている人物。編集長自ら紙面の内容に満足していなく、数名のプロによって支えられている新聞。星占いや暇つぶし記事しか書かされないラム酒浸りの日々。地元民の貧困をテーマにしようとするが編集長は認めてくれない。そんな折、空港で知り合った実業家サンダーソン氏。ポールは彼から米軍演習場跡地買収をめぐる企みに荷担するように求められる。サンダーソンの恋人である美女シュノーとの出会いも絡んで、彼の運命は次第に大きく動き始める。

この映画にいかにもハリウッド的なエンターテイメントを求めると、おそらく肩すかしを食らうことになるだろう。ストーリーを聞けば、きっとこの悪徳実業家に一泡吹かせてハッピーエンド!というラストを期待するだろうし、僕自身も最後まで観ていてそれを期待していた。しかし、サンダーソンのボートを奪うくらいで復讐劇に転ずる訳でもない。それに映画の半分くらいは酒浸りのどこかお気楽に見える日々の描写。アメリカへと旅立っていく主人公とその後の活躍を示して映画は終わるのだ。エンドクレジットを迎えて、正直なところ僕も「えー!これで終わり?」と思った。

確かにスカッとする映画じゃないが、観ていて不完全燃焼だったかと言えばそんなことはない。原作者のトンプソンが無名時代を経て、世の中の不条理やならず者たちへ立ち向かう心を養った話なんだな・・・と考えると、なんか後からじわーっとくるし、男として物事に立ち向かう勇気みたいなものを教えられた気がするのだ。映画の冒頭で、新聞社に抗議する地元民たちの姿が出てくる。これが記事に対する批判だと思ったポール。しかしそれは新聞作成の機械化を進めたことで解雇された地元民だと知る。美しい海に面した土地は白人によって買い占められて、地元民は近づくことすらできない。「ここはアメリカなんだよ」と地元読者を小馬鹿にする編集者。その挙げ句に突然新聞社も撤退してしまう。身勝手な白人たち。搾取される弱者。こうした現実がトンプソンを育てたのに違いない。ただ、残念なのは映画の焦点がそこに絞られている訳ではないことだ。ジョニー・デップが望んだのは友人の若き日々をスクリーンに綴ること。そして、トンプソン氏のスピリットを漠然でも感じて欲しいというのが、製作まで兼ねたジョニーの気持ちだったのでは。

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僕の村は戦場だった

2012-07-07 | 映画(は行)
■「僕の村は戦場だった/Ivanovo Detstvo」
(アンドレイ・タルコフスキー/1962年・ソ連)

●1962年ヴェネツィア映画祭 金獅子賞

主演=ニコライ・ブルリャーエフ ワレンティン・ズブコフ エフゲーニー・ジャリコフ

 アンドレイ・タルコフスキー監督30才の長編処女作。第二次大戦中のドイツ-ソビエト戦を背景に戦争に巻き込まれる少年の運命を描く。タルコフスキー監督作、実は「ソラリス」しか観たことがなかったのだが、本作はよりストレートな作風でありながら”らしさ”を既にしっかり備えている。水面が光る様子や明暗の使い分けが印象に残る。暗い沼地と白樺林の明暗。明暗のコントラストは同時に戦時と平時のコントラストでもある。ドイツ兵に殺された母親を思う場面、リンゴを積んだトラックの荷台で少女と雨に濡れる場面、浜辺を走る場面・・・・それらは戦時という現実がいかに厳しいものかを強く印象づける。

 そして演ずるブルリャーエフ少年の瞳がそれぞれのシーンで全く違う。回想シーンの穏やかな眼差しが、現実ではすべてに怯えにらみつけるような厳しい視線になる。子供の心までこうまですさんだものにしてしまう戦争。ラストはかなり悲惨だ。その少年の瞳から光が消え、物言わぬ少年の遺体のクローズアップ。戦争さえなければ・・・・そんな思いが観ていてとても強くなる。それにしてもゴロゴロと転がる死体や、人が次々に撃たれる戦闘場面などなくても反戦の意図は十分に伝わる。そんな”戦時の人の心”に主眼を置いた作風は見事だ。

 ★

この文章を書いたのは2002年。この年学生に映画を見せて感想を書かせる映画授業なる試みを初めてやった。なにか反戦映画をみせたいよなぁ・・・と、100分以内という制約の下であれこれ物色して観た一本だったっけ。結局これはセレクトしなかったのだけど、心に残る映画でした。

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素晴らしい一日

2012-07-01 | 映画(さ行)

■「素晴らしい一日/My Dear Enemy」(2008年・韓国)

監督=イ・ユンギ
主演=チョン・ドヨン ハ・ジョンウ キム・ヘオク キム・ジュンギ

●2009年釜山映画評論家協会賞 主演男優賞

主人公ヒス(チョン・ドヨン)は、元恋人ビョンウン(ハ・ジョンウ)に貸した金を取り戻すために会いにやってきた。そもそもビョンウンのだらしなさに耐えかねて別れたのだったが、競馬場で再び会った彼はさらに金に困っている様子。結局すぐに返すと約束したビョンウンは、あちこちから金を借りてヒスに返すことに。そしてビョンウンの借金行脚にヒスは一日付き合うことになる。言葉厳しく接するヒスに、のらりくらりと受け答えするビョンウン。苛立ちはおさまらないが、様々な人と関わる彼を知ることで少しずつ彼を憎めなくなってくる・・・。

競馬場で詰め寄ってから、返済の為の借金に走り回る一日を追った物語。淡々と時間が過ぎていく展開で、正直なところ前半は睡魔との戦いだった。何事も起こらないし、ひたすら車の中での言い争いが続く。しかし後半。ビョンウンが甲斐性無しで頼りない男と思っていた主人公が、彼と接する様々な人々を通じて彼のいい面をだんだん理解していくところで映画は俄然面白さが増してくる。原作は平安寿子の短編小説で、ソウルに舞台を置き換えて翻案した映画。日本文化が解禁になってから、韓国では日本のコミックや小説の映画化ドラマ化が見られるようになった。韓国映画は脚本にソツがなく、伏線の張り方が緻密な印象がある。この映画でも脇役のちょっとした台詞が主人公の気持ちに変化を及ぼしていく過程が上手だ。ビョンウンと別れた後、車を引き返して彼の様子を見るヒスの表情が印象的だ。全編ずっと苛立っていたトゲトゲしい表情から静かな変化を遂げるラストシーンの余韻がいい。だが全体が間延びした感じも否めず、せっかくのクライマックスの良さが残念な気も。

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