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Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

いちご白書

2025-03-13 | 映画(あ行)


◼️「いちご白書/The Strawberry Statement」(1970年・アメリカ)

監督=スチュワート・ハグマン
主演=ブルース・デイヴィソン キム・ダービー ボブ・バラバン ジェームズ・クーネン

カンヌ映画祭で受賞したが、アメリカでは興行的に成功とは言い難い作品と聞く。日本では、この映画と青春の終わりを歌ったユーミン作の「『いちご白書』をもう一度」が歌い継がれている。映画を観たことはなくても、ユーミンが着目したくらいだからあの時代の青春を象徴するような映画なんだろう、と格上の青春映画の先入観が僕ら世代にはある。

主人公サイモンが通う大学構内に、軍人の訓練課程が設けられ、新校舎建設に反対する学生たちが校舎に居座って抗議活動を続けていた。ベトナム戦争への反戦ムード、人種差別を問題視する学生たち。授業は行われず、騒ぎは長期化していた。活動に熱心な女子学生リンダと知り合ったサイモンは、活動に次第に深く関わるようになる。

反体制的でハッピーエンドではない、いわゆるアメリカンニューシネマの一つとされる本作。本作もまさにそうした特徴を持つ映画だ。警察と州兵が立てこもる学生排除に乗り込むクライマックスの悲壮感。Give Peace a Chanceを歌いながら輪をつくる学生たちが次々に連れ出されていく。殴られる者もいれば、引きずり出される者もいる。ラストのストップモーションが鮮烈な印象を残し、オープニングにも流れたThe Circle Gameの明るくも切ない歌詞が乗ったメロディが再び響く。

学生運動が激しかった時代を知らないずっと後の世代だから、当時の学生運動についてどうこう述べることはできない。本作はボーイミーツガール映画だと僕は受け止める。だだ今と違ってキャンパスが騒がしかった時代だったということ。もっと違う出会いもできたかもしれないけれど、活動に身を置いていたからこそお互いに共感できたこともあったし、一緒に過ごす理由にもなったのだ。それだけにラストが切ない。

食料調達にリンダとサイモンが街の食料品店を訪れる場面。店主を演ずるのはジェームズ・ココ。高校生の頃に観たクリスティ・マクニコル主演「泣かないで」にも出てたなぁ。もっかい観たい。リンダを演ずるのはキム・ダービー。ジョン・ウェインの西部劇「勇気ある追跡」の勝気な少女が忘れられない。当時のフォーク、ロックが多数使用されている。Thunderclap Newman のSomething In The Airが好き。


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Good! (mats)
2025-03-13 16:28:35
私達より、ちょっと上のお兄さん、お姉さん達の青春映画ですね。
サウンドトラックの曲が良いですね。CS&N、そしてニール・ヤング。主題歌はジョニ・ミッチェルの「サークル・ゲーム」。非暴力を示すために床に伏せて学生たちが歌うのが「平和を我等に」。

あの時代は何だったのですか。
あのときめきは何だったのですか。
みんな夢でありました
悲しいほどに、ありのままの君とぼくが
ここにいる。
みんな夢でありました。何もないけど
ただひたむきな、ぼくたちが立っていた。
みんな夢でありました
目を閉じれば、悲しい君の笑い顔が見えます。
みんな夢でありました。
もう一度やりなおすなら、どんな生き方が
あるだろうか。

森田童子 「みんな夢でありました」
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Unknown (tak-anakin-skywalker)
2025-03-13 18:05:50
matsさん、コメントありがとうございます😊
音楽がいいですよね。使われた曲をあれこれ聴きました。

2人でレコード店で試聴する場面。目を閉じて聴きいっているリンダを真顔で見つめる様子がよかったです。「名もなき者」を観た後なので、店に貼られたボブ・ディランのポスターが妙に眩しく見えたりして。

森田童子、90年代に出たベスト盤持ってます。あの頃、夜中に一人で「春爛漫」を聴いて泣きそうになったのを覚えてます🥺
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